【エリア別】全国の中でも四国地方の着物需要は高い?買取情報を解説
四国地方の着物買取情報は全国と比較して着物需要は高いのか確認してみましょう。また、県ごとの伝統工芸品も紹介します。
着物需要が高く、伝統工芸品をお持ちでしたら高額買取の可能性は高いです。ぜひ、チェックしてください。
徳島県の着物買取事情
徳島県の呉服店数
徳島県には57軒の呉服店があり、人口10万人当たりの店舗数の割合は7.35軒で、全国的に見ると平均的な値となっています。
徳島県は四国の中でも数々の有名な織物の発祥の地ではありますが、着物の需要は多くはないようです。
産地の着物&伝統工芸品
徳島県には阿波しじら織という織物があります。この着物の特徴や製造工程について、詳しくみていきましょう。
阿波しじら織は、しじらの特徴である凹凸の独特な風合いが魅力的な織物です。また、シボの凹凸の効果で肌触りが良いことから、軽くて涼しい着心地が特徴となります。綿素材のため吸水性も良く、夏に着る着物として人気があります。
以下の製法や工程を経てつくられます。
- 綛上げ
- 染色
- 水洗い
- 天日干し
- 糸繰、整経
- 機織
- 乾燥仕上げ
工夫して折られた布をおよそ75度の熱湯にくぐらせ乾燥して、シボを浮き上がらせる技法です。張力差を計算して柄や模様を整えなければならず、長年に亘る技術や経験を要する技法です。
天然の阿波藍料を使った阿波しじら織は、阿波正藍しじら織として、昭和53年に伝統工芸品となりました。
香川県の着物買取事情
香川県の呉服店数
香川県の呉服店の軒数は102軒となっており、10万人当たりの店舗数の割合は10.31軒です。これは全国9位となり、香川県での着物の需要の高さがわかるでしょう。
但し、着物の買取を専門的に行っているお店は少ないようです。
産地の着物&伝統工芸品
香川県には様々な伝統工芸品や特産品がありますが、その中でも着物買取において、高値での買取りを期待できる着物がありますのでご紹介します。
独特の風合と着心地を兼ね備えた保多織は、現代の若い世代にも取りいれられている香川県特産の着物です。初代高松藩主である松平頼重公が名付けたとされ、丈夫で多年を保つ織物という意味があります。
高松藩主の秘宝織りとして重宝されてきた保多織は、藩政時代に生産が始まりました。心地よい肌触りと風雅な風合いが特徴的です。幕府への献上品として扱われていたため、上級武士しか着用が許されなかった高級織物でした。
愛媛県の着物買取事情
愛媛県の呉服店数
愛媛県には122軒の呉服店があり、四国の中では多くなっています。10万人あたりに対する店舗数の割合を見てみると8.62軒となっており、全国平均を上回る数となっています。
愛媛県では着物の需要が高く、買取においても比較的高値での買取りが期待できるかもしれません。
産地の着物&伝統工芸品
愛媛県では伊予絣という織物が伝統工芸品の指定を受けています。久留米絣、備後絣と並んで日本三大絣の一つであり、深い藍色と落ち着いた配色の生地、そして使うほどに馴染んでいく着心地の良さが魅力であり、特徴といえるでしょう。
綿ならではの柔らかさや吸水性、通気性の良さから、農家の人たちの作業着に適しているとして全国に広まっていきました。また、藍で染めているため布地が強く、何回もの洗濯に耐え、藍独特の香りによる防虫効果があったことも重宝された理由です。
伊予絣が全国的にも有名な織物になったのには、次のことも大きく関係しています。
- 井桁や十字、玉文様、地域色のある絵絣など、手の込んだ絵模様で独特な柄が出せる
- 藍一色ではなく、濃淡で絶妙な色彩を表現している
- 白地に赤や黄色などの別の色を挿した色入り絣も織られる
生産者たちによってこれらのような努力がなされ、伊予絣は全国一の絣織に育て上げられました。
高知県の着物買取事情
高知県の呉服店数
高知県には70軒の呉服店があります。これだけを見ると少なく感じますが、10万人に対する店舗数の割合を見てみると9.31軒で、全国平均よりも高くなっています。
このことから、高知県では着物の需要が高いことが分かります。
産地の着物&伝統工芸品
高知県には香我美町の周辺で生産される土佐紬という産地特有の織物があり、これは縞柄の織物で、別名岸本縞、赤岡縞と呼ばれることもあります。
土佐紬は、明治時代に土佐藩が主導となって立ち上げた綿花栽培から始まり、織物産業の中で生まれました。温かい着心と素朴な風合いから、当時は庶民の普段着として着用されていたようです。
素朴な風合いや吸水性や肌との親和性など、綿紬特有の着心地の良さから現代でも普段着に最適とされていて、珍しい品ではありますが需要が絶えることはありません。
着物買取業者に査定に出した場合は、高値での買取りが見込める伝統工芸品の一つといえるでしょう。