着物に興味がある人はもちろん、あまり詳しくない人でも名前を聞いたことはあるのが「大島紬」ではないでしょうか。
大島紬とは高級着物のことですが、鹿児島県の奄美大島を起源にもっていて、着物という日本の民族衣装においては、着物の女王と呼ばれるほどです。
大島紬は日本の伝統的工芸品の一つで、およそ1300年の歴史を持っています。
大島紬と定義されるためには、絹100%であることが条件というだけではなく、他にも先染め手織りであることや平織りであること、締機を使って手作業したものか手機を使ってかすり合わせながら織り上げたものであることなど、複数の条件を満たさなければいけません。
美しい見た目と高級感あふれる質感は、大島紬のこうした手作業によって作り出される魅力なのです。
目次
代表的な紬は「大島紬」「結城紬」「十日町紬」「久米島紬」がある
着物を織る際に使われる紬の存在を無視することはできません。着物が好きな人は、素材となる紬についても研究していたり詳しい知識を持っているなど、着物と紬とは切っても切れない関係にあるのです。
紬にはいろいろな種類がありますが、その中でも代表的なのは、民族衣裳文化普及協会「大島紬」によると大島紬や結城紬、十日町紬、久米島紬などですね。
それぞれ特徴は異なり、例えば大島紬の場合には、泥染めなど光沢と気品のある織り方が魅力的だけでなく、日本人の顔立ちをより美しく見せてくれるという特徴があります。
結城紬も一級品ですが、着れば着るほど体に馴染んで艶が出るので、外出着にする前に寝間着にすると言われているほどです。独特の渋味がある点が魅力の紬ですね。
一級品でも見た目が街着のようなカジュアルさを持っているのが、十日市紬ですね。柔らかくて楽しい色彩を楽しむことができ、マットな質感で落ち着いた雰囲気も添えてくれる紬です。
時代劇で言えば、町人が着ている着物といったイメージですね。久米島紬もカジュアル感のある素材ですが、色とりどりで華やかな印象のある十日市紬とは対照的に、素朴な雰囲気を持つ紬として人気があります。
大島紬とは?
大島紬とは、鹿児島県の奄美大島を産地とする紬で、先染平織りという特徴があります。
全体的に渋い雰囲気のものが多く、シワになりにくいというメリットがあるほか、泥染めなどによって独特の模様を作りだす点もまた、大島紬ならではの魅力と言えるでしょう。
大島紬の産地である奄美大島は、古くから織物の技術を持っていて、弥生時代にはすでに紡錘車が使われていたことが分かっています。
おそらく中国から織物の技術が伝えられたと言われていますが、奄美大島の風土の中でゆっくりと進化して行ったようです。
江戸時代に入っても織物の文化は盛んでしたが、大島紬が商品として取り扱われるようになったのは、明治維新を迎えた後でした。
これから紹介する大島紬の特徴については「大島紬村」に詳しく説明があります。
絹100%である
大島紬の定義の一つに、絹100%であること、という項目があります。天然の高級素材として知られている絹しか使うことができないのですから、どうしても価格的に高額になってしまう事は否めませんね。
また、天然の絹100%なので、大島紬でつくった着物は通気性が良くて、夏は涼しく冬は暖かいという特徴があります。
近年出回っている着物の中には、絹によく似た化学繊維が使われているものが多くありますが、大島紬は絹100%でなければいけません。
平織りである
大島紬であるためには、先染めの手織り、そして平織りでなければいけません。平織りというのは、縦の糸と横の糸を1本ずつ浮沈する基本的な織り方で、この織り方で織り上げた布は、フラットな表面になるのが特徴です。
糸の紡ぎ方にはいろいろな種類があり、透け感があったり横から見ると凹凸のある紡ぎ方もありますが、平織りはその中でも最もベーシックな織り方で、透け感も凹凸感もありません。
また、平織りのプロセスの中には、不ぞろいの糸を取り除くという作業が必要となるため、仕上がりは均一度が高く、高級感が出ます。
締機(しめばた)で手作業によりタテ・ヨコ絣の加工をしたもの
大島紬と定義されるためには、いくつかの条件を満たさなければいけませんが、その一つに、締機を使って手作業で縦と横の絣(かすり)加工をしたものでなければいけないという条件があります。
絣というのは先染めを行った時に、染まった部分と絞られて染まらなかった部分がある模様のことで、飛びしろとも呼ばれています。
大島紬はこの絣があるのが特徴で、十の字に絣が出ることで美しい風情を演出してくれます。
手機(てばた)でタテ・ヨコ絣をカスリ合わせて織り上げたもの
大島紬の定義の一つに、手機を使って縦と横の絣をかすり合わせて織り上げたもの、というものがあります。紬から布地を織る際には、昨今では機械織りが主流となっています。
しかし大島紬の場合には、現在でも一つ一つ手機を使って丁寧に織り上げていて、しかも縦の糸と横の糸の絣を合わせて織り上げるという熟練した技術を要する織り方を用いているのが特徴ですね。この点は、大島紬の大きな魅力にもなっています。
本場大島紬といえば先染め・手織り
大島紬の特徴の一つに、先染め・手織りがあります。布を染める際には、織ってから染めるタイプと、織る前の紬の段階で染めるというタイプとがあります。
織物によって染める段階は異なり、大島紬は紬を染めてから織る先染めタイプとなっています。ちなみに、後染めは白い布地を織りあげた後に色を付ける染め方で、絞り染や友禅などが良く知られています。
また、機械織りではなく手織りにこだわるという点もまた、大島紬の大きな特徴の一つと言えるでしょう。
近年の大島紬は「先染め・機械織り」「機械織り・後染め」も増えてきている
本来の大島紬は、先染めで手織りであることが大島紬であるための条件となっています。しかし近年では、先染めでも機械織りだったり、機械織りで織った後に後染めをするなど、大島紬の定義は少しずつ変わってきています。
ただし、伝統的な先染め・手織りの大島紬と、時代に合わせた機械織り・後染めの大島紬とでは、同じ大島紬というカテゴリーの中でもいくつかのジャンルに分類されるため、完全に同一の織物として取り扱われるわけではありません。
例えば機械織りの大島紬なら、無地柄や格子柄などがありますし、これらの柄には化学染料が使われることもあります。もちろん、伝統的な工法で織られている大島紬もあるので安心してくださいね。
どのような用途で大島紬が使用されているのか?
着物の女王と言われている大島紬は、最高級の素材を伝統的な方法で織っているため、特別なフォーマル着として活用したい着物です。
しかし、大島紬が全て最高級のフォーマル着となるかと言えば決してそのようなわけではありません。
絵羽に織られた着物や染め大島などは、訪問着や付け下げでもフォーマル着となりますが、それ以外は着物の挌でいうなら普段着という扱いとなります。
大島紬は一般的に高価なものが多いため、普段着となると首をかしげたくなってしまうものも確かにあります。しかし、フォーマルな席にはNGでも、普段着としては高価で豪華な雰囲気を醸し出してくれる着物であることに間違いはないでしょう。
大島紬の反物の価値は高い
世界三大織物には、コブラシ織りやペルシャ絨毯、そして大島紬があります。着物にあまりなじみがない人や、奄美大島とあまり馴染みのない人にとっては、大島紬が世界三大織物の一つだなんて初めて知ったという人は多いかもしれませんね。
大島紬がなぜ世界三大織物の一つとなっているかというと、世界中どこを探しても他に例を見ないたぐいまれなる織り方と技法が高く評価されているためです。
そうした技術が集結した大島紬の反物は、平均売買価格は中古のものでも13000円程度となっています。伝統工芸品の手織りタイプになると、新品だと反物一つで100万円するものもありますね。
大島紬の生産工程
大島紬の生産工程は、細かく分けると30工程ほどあって、とても複雑です。
大まかにまとめると、まず織る前にデザインを考える作業から始めるわけですが、最初に方眼紙を使って一つ一つのマス目に絣を使ったデザインを作っていきます。
このデザインによって、縦糸と横糸の染め分けがされます。
紬を染める場合には、絣糸の1本1本に対して、染める部分および染めない部分を計算した上で染め、部分的に色を差すなどの作業を行っていきます。
紬をまとめて染めるのではなく、1本1本を計算しながら染める部分に色を付けていくのですから、これは大変な作業ですね。
紬を染め終わったら、最初に作ったデザインに合わせて糸を配列して、いよいよ織っていきます。大島紬は平織りなので、縦糸と横糸を交互に織り上げていきますが、絣締めとい大島紬独自の工程も入るため、単純な平織りとは工程が大きく異なっています。
締める機械を使って絣糸を作る工程、および反物を織り上げる工程と2つの織る工程があるため、大島紬は2度織られると言われています。
これらの作業を伝統工芸品ではすべて手作業で行うわけですから、仕上がった反物が高額になるのは納得できるのではないでしょうか。
大島紬の染色法(天然染料)
大島紬の染色法と言えば、代表的なのは泥染めですが、この泥染めは天然染料による染色法の一つです。
最近では、化学染料を使った大島紬も登場していますが、伝統的なフォーマル着として使える大島紬は、天然染料が使われているものがほとんどですね。
天然の染料には泥染め以外にもたくさんの種類があり、それぞれ雰囲気や仕上がりが異なります。ここでは天然染料の染め方や仕上がりなど、特徴や違いをご紹介しましょう。
泥で染める「泥大島紬」
泥で染める泥大島紬は、車輪梅の木として知られるテーチ木で染色した後で、泥に付け込んで全体を染めるという染色法です。
1回染めたらOKというわけではなく、テーチ木染めを20回行ったら泥染を1回行い、このサイクルを4回行うことによって、染る工程が完了します。
泥大島紬は、泥に含まれる鉄分と、テーチ木のタンニン酸が化合して紬に黒い色を付け、しっとり深みのある黒へと染め上げることができます。また、自然な光沢も出ますね。
美しい自然な染め上がりになるだけでなく、泥染めの工程において紬はどんどん柔らかくなるので、その紬で織った着物は柔らかくて快適な着心地を味わうことができます。
泥藍染めの「泥藍大島紬」
大島紬の伝統的な泥染めは、テーチ木と泥を使いますが、泥藍大島紬ではテーチ木の代わりに植物藍を使うという特徴があります。
そのため、従来の泥染めだと真っ黒になってしまう所が、藍色になるという変化が楽しめます。
泥藍大島紬の場合、記事の地色はシックな黒色に染まりますが、模様が描かれている部分は藍色になります。真っ黒な着物ではなくてデザインを描く場合には、黒色の濃淡をつけるために泥藍大島紬を用いることが多いようですね。
また、泥染めには他にも、白泥やマングローブ、小鮒草、クチナシ、ウコンなどさまざまな草木の色を使った染色方法があり、いろいろな色に染めることが可能です。これらは色泥染とか色大島紬と呼ばれていますね。
白泥染めの「白大島紬」
大島紬の染料方法の中でも、白泥染めは従来の泥染を行う部分は伝統工芸通りの方法ですが、絣の部分の模様には化学染料が使われているという特徴があります。
従来の大島紬ではテーチ木と泥を使うことによって、漆喰の黒さを出すことができます。しかし白泥染めの場合には、使う泥が薩摩焼にも使われている白薩摩という特殊な泥を使っています。
この泥は、粒子が細かいため、紬の細かい部分までしっかりと染料成分が入り込み、大島紬の特徴でもある厳かな雰囲気を醸し出しています。
白泥染めをされた大島紬は白大島紬と呼ばれています。この染料方法においては、基準は染める業者の独自の基準が適用されるため、出荷時には各染料業者がオリジナルに作った白大島紬の証紙が張られていることが多いですね。
草木染めの「草木染大島紬」
大島紬における伝統的な泥染めでは、泥で染める前にテーチ木で染めるという工程が行われます。草木染では、この工程においてテーチ木ではなくて別の天然の染料を使うという特徴があります。
具体的にどんな植物が使われるかというと、矢車やタブの木、昼着、ウコン、福木、クチナシ、マングローブ、やまもも、小鮒草など多種多様な染料原料が使われています。
草木染をした大島紬は草木染大島紬と呼ばれていますが、染料によっていろいろな色を出すことができるため、美しい白藍の布を作ることができるという魅力があります。
また、これらの染料で染めた後には従来の泥染めの工程も行うため、全体の色がバランスよくなじむ点も、魅力の一つと言えるでしょう。
正藍染めの「正藍大島紬」
従来の大島紬の泥染めでは、まずテーチ木で20回ほど染めた後で泥を使って1回染めるという作業を合計4回繰り返します。しかし正藍染めは、泥で染めるという工程は行わず、植物の藍のみを使って染める染料方法となります。
正藍染めは、紬全体を計算して染め上げた場合には、古代染色純植物染の証紙がついていますが、一部にしか正藍染めを用いていない場合には、証紙はついてきません。
しかし、証紙がなければ正藍染めをしていないというわけではなく、部分的な場合にはついていないということは理解しておきたいですね。
ちなみに、正藍染めで染められた大島紬は、正藍大島紬と呼ばれています。泥は使っていませんが、全体的にまとまりのあるバランスの取れた染め上がりとなります。
大島紬の染色法(化学染料)
伝統的な大島紬は天然の染料で染めますが、近年では色落ちを少しでも防ぐために化学染料を使うことがあります。
化学染料を使うことによって、天然の染料では出すことが出来なかった色合いでも自由に作ることができますし、色持ちがとても良いという魅力がありますね。
化学染料を使う大島紬でも、どんなふうに染めるのかや使う色合いなどによって、白大島紬や色大島紬などいくつかの種類に分類することができます。
白大島紬の特長
大島紬は、基本の糸は全く染めない白色のままですが、絣の糸の部分には化学染料を使うのが特徴です。
化学染料を使っているのでどんな色でも自由自在に表現することができますが、地糸は白なので、全体的に清楚で洗練された美しさを醸し出すことができます。
大島紬というと、泥染めが良く知られている染料で、泥染めだと全体的な雰囲気は黒っぽくなることが多いのですが、白大島紬の場合には、全体的に白さが多く残るため、明るい雰囲気を作り出したい時におすすめの染料方法と言えるでしょう。
白大島紬は、使われる化学染料の色はそれほど多くはありません。基本的には1色に染めた絣糸を使うという点に大きな特徴があります。
色大島紬の特長
化学染料を使って染める大島紬の中でも、たくさんの色を使う染料方法は、色大島紬と呼ばれています。
色大島紬の特徴としては、使用する色はどんな数になっても、すべて化学染料が使われているため、自由自在に思い通りの色が出せるという点や、薄い色から濃い色まで色の濃淡も思い通りに出せるという点にあるでしょう。
色大島紬では、従来のようにテーチ木を使って染めるわけではないため、全体的には明るい雰囲気の着物に仕上げることができます。
また、たくさんの色を使うことによってカラフルなデザインを作り上げることも可能です。また、天然染料を使った時のように色がすぐに落ちてしまうというリスクがないため、色持ちが良く着物が長く着られるというメリットも期待できます。
染め大島(後染め)の特長
伝統的な大島紬の特徴の一つには先染めがありますが、近年では糸を紡いだ後に染める後染めのものもあります。
後染めの大島紬は染め大島と呼ばれていて、天然染料を使うものもあれば化学染料を使っているものまで多種多様です。
染め大島は、大島紬を使って織った反物に対して、友禅染など大島紬の染料技法ではなく別の染料技法を使って染めるものが多いですね。
特に、大島紬の中でも訪問着や付け下げなどは、ほとんどが染め大島と言われているほど、現在では主流になっている染料方法と言えるでしょう。
大島紬は、染料やどんな染料方法を使うかによって、たくさんの種類に分類されます。色大島でも、天然染料を使うものと化学染料を使うものとでは、異なる扱いとなることがあります。
大島紬の柄について
大島紬の柄は、一般的に絣と呼ばれる糸によって表現されています。大島紬の絣は、反物を織る工程とは異なる工程が必要で、絣を織る工程というものがあります。
この工程においては、紬を織り始める前の段階でデザインした色を計算した上で染色していくわけですが、天然染料もしくは化学染料で染められた絣を使い、柄を表現することになります。
大島紬は高級感あふれる雰囲気を持つ着物が多いのですが、その中でも龍郷柄や亀甲柄はよく知られていて人気が高い柄となっています。
龍郷柄
大島紬の柄の中でも、機械織りではなかなか表現することができない柄の一つに、龍郷(たつごう)柄があります。
これは、大島紬が好きな人なら一度は着てみたい柄と言っても過言ではないほど人気が高く、現代の感覚からもずれていないため、挑戦しやすい大島紬の柄と言えるでしょう。
大島紬の龍郷柄は、こう名付けられてから100年以上の歳月がたちますが、柄が時代に流されて変化してしまう事がなく、かたくなに格調を維持していることが、さらに気品を高めていると言えるでしょう。
華やかな柄なので、パーティやフォーマルにはピッタリですが、派手すぎず高貴な華やかさを演出することができるので、様々なシーンで活躍してきそうですね。
幾何学的な模様が美しくパターン化されて織られているのが、この龍郷柄の大きな魅力となっています。
亀甲柄
大島紬の亀甲柄は、男性の着物や小物などにもよく活用される柄の一つで、風格を引き上げてくれたり、縁起が良いと言われている柄です。
男性向けの商品としては、結納返しの際に送った着物を、大島紬の柄を亀甲柄にするなどで使われていたようですね。
大島紬の亀甲柄は、染める人の好みによってバラエティ豊かにアレンジできる模様でもあります。基本的には手織りですから、完全に同じ柄を見つけることは難しいかもしれません。
亀甲柄をアレンジした柄には、西郷柄や白雲柄、有馬柄、伝播柄などがあります。女性向けの商品に使われることもありますが、あまり一般的ではないため、大島紬の亀甲柄に関しては、男性向けの柄と言えるかもしれませんね。
女性用柄模様としてはかなり豊富
大島紬の柄にはいろいろなものがあります。その中には、女性らしい雰囲気を持つ柄もたくさんあり、手織りや機械織りなどでつくることができますね。
大島紬の中でも男性向けの柄だと、亀甲柄などがありますが、女性向けのものなら古典模様や幾何学模様、草花の模様、更紗模様、そしてモダンアートなど現代の好みに合った柄などもたくさんあります。
大島紬は従来は先染めで手織りが基本でしたが、近年では機械織りで後染めのものが増えているため、様々な色合いやデザインの柄を作れるようになったのではないでしょうか。
また、同じ柄でも布の色合いが異なることによって、着物の雰囲気ががらりと変わることも興味深いですね。
大島紬の織り方
伝統工芸としての大島紬は手織りが基本なのですが、近年では機械織りの大島紬も増えています。染色方法などもいろいろな種類があるため、大島紬は織り方や染色方法などによってたくさんの種類に分類することができるのです。
ちなみに、手織りでも機械織りでも、大島紬の特徴である絣締は健在ですし、染料には天然染料及び化学染料どちらが使われることもあります。
しかし一般的には、手織りのものは高価なので、染料は天然染料が使われることが多いですね。
手織り
大島紬の中でもより伝統的な工法に基づいて織られているのが手織りです。手織りの大島紬は機械織りのものと比べると、織る工程がとても多く、時間も手間もかかります。
織り方の違いや染め方の違いなど、一つ一つが異なる表情を持っていることは、手織りの大島紬にしか出すことができない魅力と言えるでしょう。
大島紬は世界三大織物の一つとして知られています。この世界三大織物と認識されるのは、機械織りではなくてもちろん手織りのものですね。
大島紬に用いられている絣締めという織り方は、世界でもたぐいまれなる高い技術が必要ということで、その技術力が評価されて世界三大織物の一つとなっているのです。高価なものなので、1反が100万円超えのものも珍しくありません。
経緯絣(たてよこかすり)
大島紬には様々な織り方がありますが、その一つに縦横絣という織り方があります。
これは、縦の糸と横の糸とで合計4種類の糸を使って織るという方法なのですが、縦糸に使うのは一つの色で染めた無地の地糸、そして計算して複数の色に染められた絣糸、横糸も1つは単色で染めた無地の地糸と複数の糸で染められた絣糸が使われます。
絣糸はあらかじめ方眼用紙のマス目に合わせてち密に計算された上で染められたものですが、織っていくうちに少しずつずれが生じてしまう事があります。
そのため、縦横絣においては、縦糸も横糸も絣合わせをしながら絵柄がずれないように細心の注意を払って織られていますので、時間と手間がかかるのがよく分かるのではないでしょうか。
緯絣(よこかすり)
大島紬の織り方の一つである横絣とは、反物の模様を出す際に縦糸は使わずに横糸だけを使うという織り方です。
模様を出す際に縦糸と横糸の両方を使う場合だと、デザインや絣合わせなどが難しいのですが、横絣の場合にはデザインは横糸だけで行うため、より多種多様なデザインを作りやすいというメリットがあります。
一般的な大島紬の横絣では、一色に染めた地糸には縦糸と横糸の両方を使いますが、絣糸は横絣糸のみが使われます。
また、横絣織りの中には横総絣という織り方があり、この織り方では、地糸となる横糸は使わずに、横糸はすべて絣糸のみを使うという織り方を採用します。
この場合には、一般的な横絣織りと比べると、鮮やかで複雑な模様を作ることができるという魅力があり、人気となっていますね。
縞大島(しまおおしま)
大島紬の織り方には、縞大島という織り方があります。縞大島は、多くは機械織りの際に用いられる織り方なのですが、手織りで縞大島の織り方を用いた大島紬もあります。
縞大島の織り方は、絣糸は使わずに基本的には地糸のみを使うという特徴があります。
縞大島で使う糸は、縦糸は縦の地糸、横糸は横の地糸となっていて、絣糸は使いません。縦糸も横糸も地糸は単色なので、絣糸を使った時のようなデザインを作ることはできませんが、美しいグラデーションを作ることができる点が人気の織り方です。
同じ縞大島でも、機械織りと手織りとでは反物の価格が大きく異なりますし、大島紬が見せてくれる雰囲気や表情なども異なります。
機械織り
伝統的な大島紬は手織りが基本なのですが、市場には大島紬の人気および時代の流れに伴って、機械織りのものも多く出回っています。
機械織りの大島紬が始まったのは、昭和39年頃と言われていて、このあたりから自動織機を使った無地や縞大島などが多く生産されるようになったのでしょう。
機械織りの大島紬でも、絣という大島紬の魅力はそのまま残っています。機械織りの織り方には、織り絣や縞大島、染大島など複数の織り方があり、それぞれ異なる雰囲気や表情、また生地の柔らかさとなります。
その中には、縞大島のように手織りでも織られている織り方もあります。同じ縞大島でも機械織りと手織りとでは雰囲気などが異なりますから、機会があれば比較してみるのも良いかもしれませんね。
緯絣(織絣)
大島紬の機械織りの一つである緯絣とは、模様を作る際に縦糸は使わずに、横糸だけを使うという特徴を持つ織り方です。
機械織りでも、地糸と絣糸を使うのが大島紬の魅力なのですが、緯絣の場合には、一色で染めた地糸には縦糸と横糸の両方が使われますが、模様を作り出す絣糸としては複数の色に染められた横絣糸のみが使われます。
つまり、織る際には縦糸1本、横糸2本で織るわけですね。
緯絣は機械織りだけではなく手織りでも織られている織り方ですが、縦糸と横糸の両方を使って模様を作り出す時よりも、よりバラエティ豊かなデザインを作ることができるというメリットや、色鮮やかなデザインに仕上げることができるというメリットがあります。
縞大島(しまおおしま)
大島紬の縞大島は、手織りでも織られている織り方ですが、機械織りで織ることも少なくありません。
同じ縞大島でも、手織りと機械織りとでは、織り方や絣の絞り方などが異なるため、手に持った時の感触や模様の出方などは異なりますし、反物の価格ももちろん大きく異なります。
しかし、手織りの縞大島が欲しいけれど価格的に難しいという人にとっては、機械織りのものなら購入出来るというのは、大きな魅力と言えるでしょう。
縞大島は、絣糸を使わずに地糸のみで織るという織り方です。模様を入れることができる絣糸を使わないため、反物に模様を作ることはできませんが、美しいグラデーションを作ることができます。
染め大島
大島紬の機械織りには、染め大島という織り方があります。これは、絣糸を使わずに無地で織り上げた反物を使い、そこに友禅染などの手法を用いて後染めする手法です。
従来の大島紬は、手織りかつ先染めが基本なので、そう考えると機械織りで後染めをする染め大島は、伝統的な大島紬とはかなり遠くなってしまっていますが、大島紬らしい美しさや生地の美しさを再現できるのは、やはり紬のレベルで最高品種の大島紬を使っているからなのでしょう。
染め大島は、織り方や染め方などがバラエティ豊かでアレンジしやすく、華やかなものや鮮やかな色合いのものも多いため、パーティなど華やかな場所にピッタリです。特に訪問着や付け下げを選べば、フォーマルな場所にも着ていけますね。
男性大島紬の代表的な柄と織り方
大島紬には、織り方や絣の絞り方によって、男性らしい柄にする事もできれば女性らしい柄を作ることもできます。
その中でも男性大島紬は人気が高いのですが、代表的な男性向けの柄と言えば亀甲柄や機械織りの緯絣、そしてチラシ柄ではないでしょうか。
緯絣は機械織りが主流ですが、亀甲柄などは手織りでつくることもできれば機械織りでも作ることができる柄で、とても人気が高い柄です。
手織りと機械織りとでは、柄の出方や絣の絞り方などが異なるため、全体的な雰囲気は大きく異なりますが、いずれも男性らしい柄が出せる織り方と言えるでしょう。
機械織りでもパーティなどに着ていくことはできるので、最高級の大島紬でパーティや二次会、フォーマルなシーンに出席したい時にも活躍してくれるのではないでしょうか。
亀甲(手織り・経緯絣)
男性向けの柄として人気が高い亀甲柄は、亀の甲羅をモチーフにした柄です。亀の甲羅を上から見ると、六角形の形に見えますよね。それを絣で表現したものが亀甲柄の特徴です。
亀甲の柄は他の織り方などでも表現することは可能ですが、大島紬の場合には、一つの亀甲の大きさは2㎜程度しかなく、かなり小さめです。そのため、目を凝らさなければ亀甲柄の詳細が見えません。
しかも、大島紬では世界に他に例を見ない特殊な絣織りという技術を使ってその亀甲を表現しているのが魅力です。
特に手織りで亀甲柄の大島紬は人気だけではなく価値も高く、締機を使って織る際には一つ一つの亀甲柄が緻密に計算されて絣糸を染め上げるなど、たくさんの工程を必要としています。
機械織り・緯絣
大島紬の男性向け柄の中でも、機械織りによって作り出される緯絣は人気が高い柄となっています。
幾何学的な模様の緯絣を織る際には、使用する横糸には地糸は使わず、縦糸は1色に染めた地糸を使い、横糸には複数の色に染めた絣糸のみを使います。
こうすることによって、従来の縦横絣と比べると、幅広いデザインや鮮やかな色合いを演出することができるという点が、この機械織り・緯絣の大きな魅力となっています。
大島紬の緯絣では、紬を織る際には縦糸と横糸を同数使うので、見た目はフラットな感じとなり、横から生地を見た時の凹凸感はありません。
ゴテゴテした雰囲気にならず、すっきりと着られる点などは、男性に人気の柄となっている理由なのかもしれませんね。
チラシ(機械織り・縞大島)
大島紬の柄には、織る時に絣糸はつかわず、縦糸と横糸のグラデーションによって美しい模様を作り出す縞大島の一つ、チラシという織り方があります。
大島紬のチラシはとても細かい柄なので、遠くから見ると無地のように見えますが、近くで見ると複数の色が地糸を染めているため、美しいグラデーションを作り出しているわけですね。
チラシの柄は基本的には機械織りを用いているため、場所によって柄が大きく変わるということは少なく、均一な模様を作り出すことができるという特徴があります。
伝統的な手織りの大島紬から見ると、機械織りのチラシでは大島紬の雰囲気が出せないのではないかと不安になるかもしれません。
しかし、織機がどんどん改良されているため、手織りとほぼ変わらない雰囲気や手触りのチラシを作ることができます。
大島紬に触れた・所有している人の感想
世界三大織物の一つと言われている大島紬には、手織りと機械織りとがあります。
伝統工芸品として国に認められていたり、世界三大織物の一つと認められているのは手織りの方ですが、機械織りでも近年では織機がかなり改良されているため、素晴らしい大島紬が作られています。
実際に大島紬に触れたことがある人や、所有している人は、どのような感想を持っているのでしょうか。いくつかご紹介しましょう。
口コミ1
「奄美大島に行った時に、大島紬の製造工場や泥染めをしているところなどを見学しました。大島紬に触れることもできたのですが、手織りというと柔らかくてソフトな印象があったのですが、大島紬は反物同士が触れるとカサカサと音を立てるぐらい、シャキシャキ感がありますね。」
口コミ2
「結婚した時に義母から、大島紬の着物をいただきました。フォーマル用ということだったので普段使いはしていませんが、年月を経ていても布地がシッカリしている点は感動しましたね。大島紬の模様ってとても細かいのですね。手織りで手間と時間をかけて作られたことを、着物を見ているだけではっきりと感じ取ることができます。」
大島紬の反物を購入するのは価格的にかなり高額になりますが、奄美大島に行くと、大島紬の織機を使ってみたり、泥染めの体験が出来たりします。大島紬について知りたい人は、奄美大島へ旅行してみるのも良いかもしれませんね。
大島紬は伝統工芸品として国に認められたもの
大島紬は、伝統工芸品として国に認められている紬というだけでなく、世界三大織物の一つとしても知られている紬です。奄美大島を発祥とするこの工芸品は、世界でも他に例を見ない難しい織技術が駆使されているのが特徴です。
伝統工芸品としての大島紬なら、手織りで先染めが基本なのですが、近年では機械織りで後染めの大島紬も多く、どちらも美しい仕上がりとなっているものばかりです。
もしも着物に興味がある人や、機会がある人は、ぜひ大島紬を肌で触ってみてください。着れば着るほど肌になじむ大島紬は、何回着ても着古した印象をあたえることなく、シャキッとした質感を保つ最高品質の紬です。
本場大島紬の買取価格は高くなる?
大島紬には、手織物ももあれば機械織もありますし、先染めで絣糸を染めてから織られたものもあれば、無地の生地を織り上げたうえで友禅染などの手法で後染めをしたものもあります。
どんな種類の大島紬で、どんな織り方や染め方がされたものかによって買取価格は異なりますが、伝統工芸品なので他の反物と比べると、買取価格は高くなるでしょう。
大島紬の中でも特に人気が高くて買取価格が高いのは、大島紬発祥の地、奄美大島でつくられた本場大島紬です。こちらは特別印が貼ってあるので、見分けることが可能です。
一般的な大島紬なら買取価格は3万円程度が目安となりますが、本場大島紬になると数十万円という単位での買取が可能です。
本場大島紬は高額査定になりえる
大島紬の中でも特に買取価格が高い本場大島紬は、経済産業省指定の伝統工芸品です。国の重要無形文化財に指定されているため、買取りの際には他の大島紬と比べると10倍もの買取価格がつくことがあります。
本場大島紬というのは、奄美大島でおられた大島紬で、特別な証紙が貼ってあることで見分けられます。
もしも証紙がはがされていたりすると、買取り価格が低くなるので注意してくださいね。
手織りか機械織りか、先染めか後染めか、などによっても買取価格は異なりますが、本場大島紬は従来の工法に則ったものが多いため、手織りの先染めが多くなっています。
紬の買取相場は証紙の有無(結マーク)で大きく変わる
大島紬といっても、織り方や染色方法、どこでおられたかによってさまざまな種類があります。そのため、大島紬の種類をはっきりさせるために、取引の際には証紙が貼られています。
mここにテキスト大島紬の買取を希望する際にも、この証紙がないと買取価格はガクンと低くなってしまうので注意してくださいね。
大島紬の証紙は、本場大島紬かどうかを見分けるだけでなく、手織りなのか機械織りなのか、という点なども細かく分別されて異なるマークが貼られています。
証紙の有無で買取価格が変わるだけでなく、この証紙の内容によっても買取価格は異なります。もしも現在大島紬を持っていて、買取りを希望する人は、証紙が貼られていることを確認することをおすすめします。
保管状況の良し悪しも大きく変わる原因に
大島紬に限らず、反物や着物の買取では、商品の状態によって買取価格は大きく異なります。
特に、絹100%の大島紬は、保管状態によってはシミやヤニなどがつきやすかったり、虫食いの害にもあいやすいものです。
具体的にチェックされる点は、汚れやほこり、破れ、穴、ヤニ、シミなどになります。
つまり商品として価値がないものだと買い取ってもらえたとしても買取額は低くなってしまいますし、場合によっては買取拒否ということにもなりかねません。
クリーニングすることが必要ですし、保管する際も虫などがつかないように最大限の対策を立てましょう。
紬の相場価格は3,000円から10万円以上
大島紬にはいろいろな種類があります。手織りなのか機械織りなのか、どんな織り方がされているのか、染め方は天然染料なのか化学染料なのか、先染めか後染めかなど、たくさんの要素によって大島紬の中でもいろいろな格付けがされています。
伝統工芸品として高く評価されるのは、手織りで先染めで織られた従来の大島紬で、本場大島紬の証紙もついていれば数十万円~の買取査定が期待できるでしょう。
大島紬でも、機械織りで後染めだったり、フォーマルな場所には着ていけないタイプ、また保管状況が良くなければ買取価格が3000円ということもあります。
証書の有無によっても買取価格は大きく変わるので、買取に出す際にはそうした点も注意したいですね。
本場大島紬&大島紬の買取の正しい業者選び
大島紬や本場大島紬は、伝統工芸品に指定されているほど価値が高いものですが、たくさんの種類があり、それぞれ買取価格は異なります。
そのため、買取り業者を探す際には、できるだけ大島紬について高い専門知識を持っている業者を選ぶことが必要です。
こうした知識がない業者だと、本場大島紬でも「反物」「着物」としてひとくくりの扱い方にされてしまうかもしれませんし、買取価格も大きくマイナスになってしまいます。
大島紬や本場大島紬は、その価値を理解して、正しく買取査定をしてくれる業者を選びましょう。
買取査定は、同じ状態の商品でも業者ごとに査定額は異なります。そのため、複数の業者に買取査定を依頼した上で、一番高く買取ってくれる業者を選ぶことが大切です。
近所のリサイクルショップやネットオークションでは高額査定になりにくい
近所にあるリサイクルショップやネットオークションは、取り扱う商品の分野が幅広く、手放したいものは何でもお金になるというメリットがあります。
しかし、大島紬や本場大島紬の場合には、その価値が分かる人や専門的な知識を持っている人でなければ高額査定をつけてもらうことは難しいでしょう。
近所のリサイクルショップの場合には、大島紬でも中古の着物や反物という扱いで格安査定になることがほとんどです。
また、ネットオークションでもそれなりの入札額はついても、高額にはなりにくいですね。本来査定してもらえる額の何十分の一で手放すことにもなりかねません。
質の低い業者だと高額な着物でも安く買い取られる可能性も・・・
大島紬や本場大島紬の買取を行っている業者では、専門的な知識がある査定マンが査定をしてくれるので、高く買取ってもらえることが多いでしょう。
しかし、業者の質が悪かったり詐欺まがいの業者だと、高額な着物だと知りながら「中古」「質が良くない」と言って激安に買いたたかれてしまう可能性があるので注意してください。
中には、伝統工芸士の称号を不正に使用している業者もあるので要注意です。
このようなトラブルを避けるためには、複数の業者から査定をとることが有効です。あらかじめ、ネットで口コミや評判をチェックしてから査定に持ち込むのもおすすめです。
本場大島紬でない「大島紬」の場合の査定額は安い?
大島紬は全般的に他の紬と比べると買取価格は高めなのですが、大島紬の中にも奄美大島で織られた本場大島紬と、その他の地域で織られた大島紬とがあります。
それに、それぞれ手織りか機械織りか、先染めか後染めか、などの特徴も異なるため、大島紬と大きな枠でひとくくりにする事はできません。
本場大島紬ではない大島紬の場合、査定額は本場大島紬よりも低くなります。その商品ごとに査定価格は異なるものの、大島紬の買取目安は3万円程度なのに対して、本場大島紬の場合には数十万円という値が付くことも多いのです。
ただし大島紬でも、状態が良ければ高めの査定額がつきますよ。
必ず信頼できる買取業者に依頼する
大島紬や本場大島紬を買い取ってもらう場合には、買取査定額を最高額にするためにも、信頼できる買取業者に査定を依頼することが必要です。
ある程度知名度があり、CMなどでもよく知られているスピード買取.jpなら、大島紬をはじめとする着物の買取にも高い専門知識を持つ専門の鑑定士がいるので、正しい査定額を出してもらえます。
スピード買取.jp(※現、バイセル)では、全国どこからでも買取査定に対応していますし、査定員は全員が女性という点も安心ですよね。
また、査定にかかる時間は30分程度と速いので、素早く買取してもらうかどうかを決断することができるでしょう。
大島紬では、出張買取やネットでの買取も受け付けています。
出張査定の場合には、住んでいるロケーションによっては査定員が来れないことはありますが、ネットでの買取なら、スピード買取.jpから安全に梱包できる梱包材が送られてきて、それを着払いで送ると、当日中に査定をして買取額を計算してくれます。
納得すれば契約成立となります。納得できない場合には、そのまま送り返してもらうことができるので安心です。
まとめ
鹿児島県の奄美大島を起源とする大島紬は、伝統工芸品という無形資産に指定されているほか、世界の中ではペルシャ絨毯と肩を並べる世界三大織物の一つにも認定されているほど、高い価値を持つ紬です。
大島紬が他の織物と大きく異なる点は、その織り方の技法が他に例を見ないほど難しく、そして完成度が高い美しさを作り出しているからという点があります。
従来の大島紬は、手織りで先染めが主流となっており、染料もテーチ木と泥の他にマングローブやウコンなど様々な天然の染料を使っていました。
しかし近年では、奄美大島でも機械織りの大島紬があったり、先染めではなく後染めのものがあったり、天然染料ではなく化学染料を使ったり、紬も本来の絹100%ではなく化学繊維が使われているものなど、バラエティ豊かな大島紬があります。
素人目にはこれらの違いをはっきり見分けることは難しいのですが、大島紬にはどこでどんな風に織られたかが明記されている証紙が貼られているので、それを見ながら判断することができます。
大島紬の買取は、ネットオークションやリサイクルショップなどでは高値査定がつきにくいため、かならず大島紬についての専門知識を持つ査定員がいる買取業者へ依頼しましょう。
低い査定額でだまされたりしないように、複数の査定業者に依頼するのがおすすめです。