新潟県で作られており国の伝統工芸品にも指定されている着物に越後上布があります。越後上布は絹織物ができる前までは織物の最高級品とされており、昔から上納品としても使われていたほどの上等な着物です。
ここでは越後上布はどこで生産されているのか、詳しい歴史についてもまとめています。
また越後上布が人気の理由についてもまとめていますので、現在の買取平均相場や高く売るコツなどと合わせてチェックしてみるといいでしょう。
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越後上布は新潟県魚沼市、小千谷市・十日町市などで作られている平織の麻織物です。
1,300年近くの古い歴史があり、西暦750年頃に朝廷に献上された越後上布が正倉院に収められていますし、その後も幕府や征夷大将軍など日本の権力者への上納品として用いられました。
越後上布は数ある丈夫の中でも最高級品とされており、東の越後上布、西の宮古上布と呼ばれる日本を代表とする織物となっています。
越後上布は苧麻という植物の茎にある内皮を裂いて糸にし、それを丁寧に織り込んでいくという伝統的な技術が駆使されています。
そんな越後上布は薄くて軽く、通気性も高いため夏の着物の着物として人気です。1955年には国の需要無形文化財に、2007年にはユネスコの世界無形文化遺産にも登録されています。
上布は越後上布以外にも日本各地で生産されています。以下のように越後上布以外に有名な上布がいろいろあります。
宮古上布は沖縄県宮古島市の宮古島で作られている麻織物です。琉球王国時代の16世紀頃には王朝への上納品として宮古上布が使われたという歴史があります。
経糸・緯糸どちらにも手紡ぎ糸を用い、手括りと締機を用いた織り締めをおこない仕上げに砧打ちがおこなわれます。これにより宮古上布独特のツヤが生まれます。
宮古上布は東の越後上布、西の宮古上布と称されており、国の重要無形文化財にも指定されています。一反織るのに2ヶ月から3ヶ月かかると言われる織物で希少価値が高いです。
八重山上布は沖縄県八重山諸島で生産されている麻織物です。正確な起源はわかっていませんが、琉球王国時代から王族への上納品として八重山上布が使われており、誕生は1,300年代ではないかとされています。
独特の多種多様なデザインと落ち着いた絣模様、軽くて通気性がよく、速乾性にも優れているのが八重山上布の大きな特徴で、年中暑い沖縄に適した着物と言えるでしょう。
また八重山上布は経済産業大臣指定の伝統工芸品にもなっています。
近江上布は滋賀県湖東地域の愛知郡・神崎郡周辺で織られている麻織物です。経糸絣、緯糸絣、経緯併用絣模様があり、緯糸絣では近江で開発されたと言われる型紙捺染という技法を用いて染め上げられています。
また経緯併用絣では櫛押捺染という技法で染められます。こういった技法で染められる近江上布は爽やかで上品な印象があります。
また丁寧に経糸と緯糸を合わせて織られており、麻織物の最高級品として経済産業大臣指定の伝統工芸品にもなっています。
会津上布は福島県会津地方にある大沼郡昭和村で作られている麻織物です。いろいろな地方に上布はあり、それぞれに古い歴史があるのですが、会津上布はわずか30年ほど前から生産が始まった新しい織物です。
この地域では上質の苧麻が栽培されており、これらは越後上布の原料として昔から供給していました。会津上布は今は会津からむし織とも呼ばれています。
通気性や吸湿性に優れ、軽くてしなやかで涼しい着心地があり、2017年には国の伝統工芸品にも指定されています。
能登上布は石川県の能登半島にある羽咋地方で織られている麻織物です。麻織物独特のさらりとした手触りが特徴で、薄くて軽く透き通るような生地は蝉の羽にも例えられています。
また織り上げた布の糊を落とすためにおこなう海晒という手法を繰り返すことで独自の清涼感も生み出されています。
1960年委は石川県の無形文化財にも指定され、ピーク時には能登上布を製作する織元も120軒以上ありました。ですがその後は徐々に数が減っていき、現在は1軒でのみ生産しています。そのため生産量も少なく幻の上布とも呼ばれています。
越後上布は昔から最高級の織物として上納品としても使われてきたものです。そんな越後上布ですが、当然買取額も非常に高くなっています。
もちろん作者やデザインによっても変わりますが、以前は新品での購入価格の10分の1程度とされ、買取価格平均相場は3万円から5万円ほどでした。
ですが、近年は原料となる苧麻の生産量が激減したこと、後継者不足などもあり作られる数も少なくなったことで希少価値がより高まっています。
そのため、現在の買取平均相場は5万円から7万円、高いものでは10万円以上の価値がつくこともあります。
越後上布を売る方法としてはネットオークションがありますが、おすすめできません。
その理由としては、買い手がいなければ相場よりも安くなることもありますし、知らない人が相手ですので、入金されないクレームがあるなどのトラブルも多いからです。
リサイクルショップは近くにあるでしょうから手軽に越後上布を買取してもらえます。
ですが、越後上布についての知識がない店舗やスタッフも少なくないので、価値がわからずにただの着物・反物として処理され高額査定の期待はできません。
越後上布を売る時におすすめなのが、着物買取専門業者に買取してもらうことです。リサイクルショップや古着屋と違って着物の知識は豊富で、越後上布についても知っているでしょう。
相場通りの鑑定もおこなってくれますし、着物の販売ルートも確立しているので高額売却の可能性も十分あります。
近くに着物買取専門業者がないという方も少なくないでしょうが、業者の中には出張買取を行っているところもあります。出張買取なら自宅にいながら査定してもらえるので手間もかからず安心です。
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【補足】越後上布は希少価値が高く買取額も高額になることが必須です。ただそれでも状態が悪いと買取額は下がってしまいますし、業者によっても差があるので業者選びも慎重に行いましょう。
越後上布は高級な着物の1つで、基本的には高価買取が期待できます。ですが、より高く買取してもらうためには以下のようなコツと注意点をチェックしてみてください。
着物を売る時にポイントとなる1つが証紙も一緒に出すということです。証紙は着物の価値と品質を表す証明書で、以下のような項目が記されています。
国の伝統工芸品である越後上布を新品で購入した際には、当然証紙も付いてきます。
買取査定の際にこの証紙を一緒に出すことで、正真正銘の越後上布であること、織元の情報まで明確にわかるので、より高く買取される可能性があります。
新品で越後上布を購入した際には付いてきますが、実際は買取時以外には使わないものです。ですので、つい捨ててしまう事もありますが、大切に保管しておきましょう。
越後上布は東の越後上布、西の宮古上布とも称され、ユネスコ世界無形文化遺産にも登録されるほどの貴重な織物です。
とはいうものの、実際はこういった情報も知らない、越後上布も聞いたことがないという方も少なくありません。それは買取店・査定員も同じですので、そういった買取店に査定してもらうと当然買取額は相場よりもはるかに安くなります。
そうならないためには、着物に精通した買取店・査定員に鑑定してもらうのが重要です。着物の知識が豊富にあれば、越後上布はもちろん知っていますし、現在の買取相場についても知っています。
また着物を専門に取り扱いしているので、高く取引できる販売ルートもあるかもしれませんので、相場以上での買取も期待できます。
上布はかつては上納品としても用いられていた最高級品の麻織物です。現在では通気性が良くて軽く、夏用の和服として使われています。
つまり上布は夏時期の着用される着物であり、越後上布もゴールデンウィーク頃になると需要が高まります。
新品の上布、特に越後上布は高価で手が出ないという方も少なくないでしょうから、状態が良ければ中古でも構わないと思う方もいます。
そのため越後上布の需要も高まってきます。買取業者や着物専門店からすると、その前には数多くの上布を入手しておく必要があります。
そのため越後上布は春先に需要が高まるために、買取額も高くなります。月で言えば毎年3月から4月頃で、この時期に売ればより高く買取してもらえる可能性があるのです。
このように越後上布は数ある着物の中でも非常に貴重な着物の1つです。状態が良ければ10万円以上での買取も期待できるほどです。
ですので、もし着る機会がないのであればタンスのこやしにせずに売ってしまうのもいいでしょう。とりあえず売らずに残しておくなら正しい保管方法で大切にしまっておきましょう。
またこれほど貴重な着物ですから、買取店によって数万円もの差が付くこともあるので、焦らずに複数の店舗で査定してもらうことをおすすめします。
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