入学式・卒業式に着ていくおすすめの着物!選ぶ時の3つのポイント!
入学式や卒業式で着物を着るという人が増えているそうです。特に女性の場合は華やかな場に合わせて、着物を着たいという人も少なくありません。ですが洋服が主流となっている現在では、全体から見ると着物の人は目立つでしょう。
また着物を着るのには、あまり知られていませんがルールがあります。着物にも格式があって、式典に着用するにはふさわしくない物もあるのです。そこで入学式や卒業式に着用できる着物について詳しく確認していきましょう。
入学式・卒業式に着物を着るのは変?着物の着用率
入学式や卒業式に着物で出席したいと考えていても、着ている人が少なくて浮くのが嫌だと考える人も多いでしょう。そこで入学式や卒業式に着物で出席する人の割合は、どのくらいなのかを調べてみました。
そもそも着物の着用率は、地域によって差が出ると考えてください。例えば大都市圏だと着物よりも、洋服の着用率の方が高くなるそうです。反対に地方だと着物の着用率が上がるというデータがあります。
最近着物を着たのはどんなシーンかという調査では、以下のような結果が出ているそうです。
- 結婚式が約34%
- 成人式は約20%
- お正月が約15%
入学式・卒業式に着ていくのにおすすめの着物はどれなのかチェック
では入学式や卒業式に着ていくのに、どんな着物がおすすめなのかを紹介します。先述したように着物には格式があるため、その場に合わせた物を選ぶ必要があるのです。そこでどんな着物が合うのかを確認しましょう。
【種類1】訪問着・色無地・付け下げ
入学式や卒業式というのは式典の1つになります。一般的にはフォーマルな場所なのですが、結婚式ほど格式が求められることはありません。つまりフォーマルではあっても、若干カジュアルな服装が求められるのです。
着物には以下のような格式があります。
- 礼装、準礼装、略礼装、平服といった順に格式が高い
- 訪問着は略礼装
- 色無地、付け下げも略礼装
入学式で着用するのなら、訪問着や色無地、付け下げのいずれかで良いでしょう。この3つの着物というのは略礼装にあたるものです。訪問着は紋のあるなしで格式が変わりますが、紋なしでも大丈夫です。
色無地というのは黒以外の1色で染められた着物になります。こちらも紋のあるなしで格式が変わるのですが、紋なしでも問題ありません。
付け下げも同じく紋があると格式が高くなります。ただ近年では紋なしが主流になっていると考えてください。
【種類2】黒留袖・色留袖
黒留袖や色留袖は、着物の格式で言えば礼装にあたるものです。
- 黒留袖は既婚女性が着用する最上位の着物
- 色留袖は既婚・未婚を問わずに着ることができる着物で、格式は黒留袖と同じ
このように黒留袖や色留袖を、入学式や卒業式に着ていくことはできます。ただし最上位の格式を持つ着物であるため、入学式や卒業式に着用するのは、格が高すぎると判断されるのです。
つまり黒留袖や色留袖に関しては、入学式や卒業式には向きません。
入学式や卒業式は式典としての格がさほど高くないため、逆に正装すぎて浮いてしまうからです。そのため式典の核に合わせるのなら、訪問着や色無地などが向いています。
【種類3】振袖・小紋
最後に振袖と小紋についても見ておきましょう。振袖は未婚女性の着物では最上位とされる礼装です。一般的には成人式などで着用するものだといって良いでしょう。ちなみに袖の長いものほど、格式が高いと現在では考えられます。
- 振袖は主に卒業生として出席する場合に着用するもの
- 入学式に着用することは少ない
振袖を着用するのなら卒業生として出席する場合です。入学式の時に振袖を着る人はほぼ居ないと言えるでしょう。小紋というのは小さな模様を型染めしたものですが、基本的にはカジュアルな着物に分類されます。
- 入学式や卒業式はフォーマルな場所なのでカジュアル過ぎる小紋は合わない
- 小紋でも紋付きの江戸小紋ならば準礼装扱いになるためフォーマルでも使える
入学式・卒業式で着る着物を選ぶ『3つのポイント』
次に入学式や卒業式で着る着物を選ぶ時のポイントを確認しましょう。主に3つほどポイントがあるので、こちらを押さえておくだけで失敗する確率は減ります。失敗できないイベントなので、選び方に迷った場合は参考にしてください。
【ポイント1】入学式・卒業式で浮く・目立つのを避けるなら”色無地”
入学式や卒業式にお子さんの付き添いとして参加する場合に、おすすめしたいのが色無地になります。その理由は以下の通りです。
- 主役はお子さんなので、目立たない色無地が良い
- 柄が入っている着物だと、その柄がふさわしいのか考えないといけない
- 色無地なら柄がないため、そうした余計なことを考えなくてすむ
着物を着用する時にはシーンに合わせた柄や、季節にあっているのかなどを考慮するのが粋な着こなしとされます。ですが着物に詳しい人ならまだしも、そうではない人にとっては難しいと言えるでしょう。
ですが色無地であれば柄が入っていませんので、そうした諸条件を考慮しなくてもすむのです。入学式と卒業式のどちらであっても春に分類される季節ですし、おめでたい場なのでパステルカラーの色無地なら問題ありません。
【ポイント2】入学式・卒業式にふさわしい”色・柄”を選ぶ
入学式や卒業式に訪問着を着ていくのなら、ふさわしい色や柄を選んでください。ここでポイントになるのが、派手ものはNGなのですが逆に地味すぎるのも良くないという点でしょう。入学式や卒業式は季節的には春にあたるので、それらを考慮します。
- 色としてはピンクや若草色、藤色などのパステルカラーがおすすめ
- 着物の柄としては春らしい季節感のあるものや、おめでたい絵柄である亀甲や松竹梅など
といった選び方が基本となります。色としては特に難しく考える必要はないでしょう。年齢的にパステルカラーが選びにくいのなら、明るめのグレーやクリーム色などを選ぶといいです。
着物の柄については原則として、季節感のある春らしい柄であったり、花が描かれたものなら問題ありません。またおめでたいシーンなので、亀甲や松竹梅などの図柄も好まれています。
【ポイント3】入学式・卒業式にふさわしい帯は”袋帯”
着用する着物が決まれば、次に選択しないといけないのは帯です。帯にも格式があり、最も格式が高いのが袋帯になります。背中部分を二重になるように結ぶ帯のことで、フォーマルなシーンで使うものです。
- デザインとしては有識模様や吉祥模様が基本
- 有識模様や吉祥模様は汎用性が高いので1つあって損はしない
- 卒業式や入学式では七宝文様がよく使われる
- 着物の色に合わせて帯の色も考える
といったような点に気をつけるといいでしょう。基本的に帯の模様としては有識模様か、吉祥模様を選んでおけば間違いありません。汎用性が高く、通年で使えるデザインなので1つあると便利に使えるでしょう。
着物の色に合わせて帯の色も考えてください。一般的には帯は着物とコントラストをつけることが多いです。
ですが着物と同系色か、淡い色で統一するのも1つの方法でしょう。この場合はアクセントに金糸や銀糸の入ったデザインにするといいです。
入学式・卒業式に着る着物に合わせるバッグについて
最後に入学式や卒業式の着物に合わせるバッグについても考えておきます。基本的に着物に合わせるバッグは、和装用の物があるのです。しかし必ずしも和装用バッグを用いる必要はありません。
和装用バッグは着物専用となるため、日常では使いにくい性質のものです。そのためお手持ちのバックから着物に合うものを選んでも良いでしょう。ポイントとしては以下の通りです。
- 大きさは小物と貴重品が入る程度の小ぶりなもの
- 荷物が増えた場合の対策としてサブバッグを入れておくと便利
- ブランドのロゴが入っているのは避けた方がいい
- 縦長よりも横長のバックがおすすめ
以上のようなポイントを確認しつつ、バックを選んでください。できれば着物を着用した状態で、鏡を見ながらバッグを選ぶといいです。実際に見ていないと、いざとなって似合わないというケースもあります。
まとめ
入学式や卒業式に着用する着物についてでした。着物には格式というものがあり、着用するシーンを選ばないと恥をかいてしまいます。
入学式や卒業式に合うのは、略礼装と呼ばれるもので、訪問着や色無地、付け下げなどが該当します。黒留袖や色留袖になると、少しかっちりとし過ぎてしまいますので、入学式や卒業式には合わないでしょう。
色や柄は式典が行われる時期に合わせるといいです。おめでたい場所なので、柄や色味などを明るめのものにするのが基本になります。