着物で観劇に行くときに気を付けたいマナー!おすすめの着物&帯も!
観劇に着物を着ていきたいという方は少なくないでしょう。着物で観劇に行くこと自体は何の問題もありませんが、ただ慣れていないと着物を着ることでマナー違反になってしまうケースもあります。
また自分自身も落ち着いて観賞できない、なんてことにもなりかねません。
ここでは着物で観劇に行くときに気を付けるべきマナーやポイントを解説しています。また観劇に適したおすすめの着物&帯もありますので、参考にしてみるといいでしょう。
歌舞伎座などの観劇で着物を着ないのは迷惑?ドレスコードはない
歌舞伎座などの観劇に着物を着て行ってもいいのだろうか?一部ネットなどではマナー違反なのでは、という話もあります。逆に観劇なら着物を着ていくのが常識で着ないのは迷惑なのではという不安もあるでしょう。
結論から言うと、着物で観劇に行くのはまったく問題ありませんし、逆に洋服でも構いません。ドレスコードにも厳しそうなイメージがある歌舞伎座などもドレスコードはないので、極端な話TシャツにジーンズでもOKです。
ただし着物を着ることで起こりやすいマナー違反もありますから、そういった点には十分に注意が必要です。また基本的にドレスコードはないといっても、劇場によって決められているルールもありますので、そちらは守る必要があります。
着物を着て観劇するときに気を付けたいマナーは『4つ』
着物を着て観劇する事は問題がありませんが、着物ならではの気を付けたいマナーがあります。ここでは注意したいマナー違反4つを紹介しますのでチェックしてみてください。
【Check1】着物・帯などの匂いは事前に確認しておく
着物や帯は独特の匂いがあるもので、普段から着物に触れている方なら気にならない匂いでも人によってはその匂いが不快に感じてしまうこともあります。またタンスから出したばかりだと樟脳の匂いがする場合もあります。
観劇を楽しもうと思っていても、その匂いが気になって楽しめない人も出てくるかもしれません。ですので、着物・帯の匂いは事前に確認しておくことが大切です。
普段から着物を着ている方は2日から3日ほど陰干しをして湿気を取るといいです。また樟脳の匂いがある場合も数日間陰干ししておくことがおすすめです。
もし匂いが強くて取れない時にはクリーニングに出すのもいいでしょう。
【Check2】帽子や髪型で後ろの席の邪魔にならないか確認しておく
洋服と違って着物を着る場合は髪型にもこだわるものです。食事会などでは何の問題もありませんが、観劇に行くとなると髪型にも注意が必要です。
着物にはボリュームのある髪型をすることも多いですが、そういった髪型にすると後ろの席の人が見えづらくなってしまいます。
全く見えないということはないでしょうが、髪型が気になって観劇に集中できなくなってしまう事もあるので避けたほうがいいです。特に縦にボリュームが出るお団子などはしないようにしましょう。
これは髪型に限らず飾りや帽子なども同じことです。飾りをつけるにしても大きなものはつけずに、さらに下の方につけるのが望ましいです。帽子をかぶってきた人も当然脱いで鑑賞するようにしましょう。
【Check3】歩くと音が鳴る履物は避けておく
観劇に行く時には音を立てるのはマナー違反になります。私語はもちろん、スマホはマナーモードにするか電源を切るべきですし、カバンや袋をガサガサさせるのも避けるのが基本です。そして着物を着ていく場合に気を付けたいのは履物です。
着物を着た場合には下駄などの歩くと音が鳴る履物があるでしょう。こういった履物は歩いている時に音が鳴るだけでなく、着席している時でもちょっとした拍子で椅子にぶつけて音が出てしまうこともあります。
最近は裏にゴムを張るケースもありますが、それでも避けたほうがいいです。かといって着物を着ているのにスニーカーというわけにはいきませんので、その場合には布製もしくは革製の草履を履くようにしましょう。
【Check4】前のめりにならないように背中を座席につける
観劇では座席の背もたれに背をつけて観賞するのが基本です。座席はそのような姿勢で着席することを前提に設計されており、これにより後ろの座席の方も観劇が見えやすくなります。
逆に前のめりになると後ろの人が見えづらくなるのです。当たり前の事と思うかもしれませんが、着物を着ている場合には注意が必要になります。
着物を着ていると背中に帯がありますので、つい前のめりになってしまいがちなのです。食事会などでは椅子の背もたれにはつけないのが基本ですので、それに慣れていると観劇もそうしてしまうこともあります。
着物で観劇するとき背もたれが気になる…シワにしない座り方
着物で観劇するときには背もたれに背をつけるのが常識です。ですが、そうなると帯がシワになってしまうのではと不安になるものです。
当然ですが、洋服と同じように気にせず背もたれに背をつけて観賞するとシワになってしまう可能性が高いです。そんな時にはシワになりにくい座り方があるので知っておきましょう。
観劇では帯をお太鼓にするケースが多いので、そちらの方法を紹介します。
- お太鼓がまっすぐになっているか、タレが返っていないか確認する
- 静かに背もたれに寄りかかる
- 姿勢を変える時には一度背もたれから起こしてから変える
こういった動作は初めての方だと面倒に感じるかもしれませんが、慣れてくると自然にできるようになります。
着物で観劇するときは作り帯がおすすめ!作り帯の結び方
着物で観劇をする時には、どうしても帯の事が気になってしまいます。背もたれに背をつけても潰れにくい帯結びにするのが望ましいですが、そうもいかない場合もあるでしょう。
その結果、帯の事が気になって観劇を集中して楽しめないなんてことにもなりかねません。そんな時には作り帯を使用する方法があります。
作り帯は帯の形が最初から出来上がっており、簡単に取り付けができる帯の事です。胴に巻く帯と後ろの作り帯が分かれているので、観賞中は作り帯のみ外すこともできますので、ゆったりと背もたれに背をつけることができます。
観劇が終わったら素早く取り付ければいいだけです。作り帯の結び方も以下のように比較的簡単です。
- U字のワイヤーを背中の胴に差し込む
- 付いている紐を胸元でしっかり結ぶ
- 結んだ紐は帯の中に隠す
観劇の際に着ていくおすすめの着物&帯を紹介
観劇の際に着物を着ていくとしても、実際にどのような着物や帯が観賞に適しているのかわからないという方もいるでしょう。ここでは観劇に着ていく着物&帯でおすすめのものを紹介しますので、参考にしてみてください。
観劇に着ていくおすすめの着物
観劇にドレスコードはありませんので、基本的にどんな着物を着て行っても構いません。ですが、せっかく着物を着ていくのであればワンランク上のオシャレ着が似合います。
主に以下のような着物がおすすめです。
- 訪問着
- 付下げ
- 色無地
- 江戸小紋
これらの着物はカジュアルな場面でも着れますし、着物の素材や柄によっては格の高いシーンでも着ることができます。
着物を購入する予算が合わない方は、ポリエステルの着物などのような洗える着物でも基本的に問題ありません。ただし、観劇や座席によってはふさわしい着物が変わってくることもあるので、注意が必要になることもあります。
また華やかな雰囲気のある観劇では、暗めの着物よりも白っぽい華やかな印象がある着物がオススメです。
観劇に着ていくおすすめの帯
観劇は基本的にどんな着物でもOKですので、着物の種類よりも大切にしたいのはコーディネートです。つまりどのような着物にどのような帯を合わせるかが重要になってきます。
- 訪問着→織り・染めの袋帯
- 付下げ・江戸小紋・色無地→織り・染めの袋帯、織り・染めの九寸名古屋帯、綴れ織りの八寸名古屋帯
- 紬→おしゃれ袋帯、八寸か九寸の名古屋帯
- 木綿の着物→半幅帯、八寸名古屋帯
花道の脇や最前列などの良席に座るのであれば、訪問着に豪華な織りの袋帯などが似合います。
ちなみに観劇は長時間座っている事が多いため、着物の着付けも重要なポイントになります。着物はいつもより身幅を広くし、帯はちょっと低めに結ぶことで楽に観賞できるはずです。
まとめ
このように着物を着て観劇に行くときには、洋服と違って気を付けなければいけない点はいくつかあります。
着物に慣れていない方は、ちょっとハードルが高いなと思う方もいるかもしれませんが、慣れればそれほど苦になるようなことではありません。
また着物や帯のチョイスも大切になりますので、前もって準備をしておきましょう。そうすることで、憧れの着物での観劇に行くことができますし、楽しい観劇をより充実して楽しむことができるはずです。