兵児帯(へこおび)とは?男性の結び方&女の子の結び方!選び方も解説
着物というのは奥の深い世界です。何故なら着物だけではなく、帯や小物などに様々な種類があるからです。そうした帯の中でも、ここでは兵児帯について詳しく解説をしていきましょう。
そもそも兵児帯は男性や子供用の帯として使われていましたが、最近では身軽な感じやオシャレな見た目から女性でも使われるようになっています。
つまり兵児帯を上手に使いこなすことで、ワンランク上の和装ができるようになると考えてください。
兵児帯(へこおび)とは?男性用と子供用の帯として作られたもの
では兵児帯について確認していきます。先程も軽く触れましたが、兵児帯は男性用や子ども用の帯として作られた経緯があるものです。
- しごき帯
- 三尺帯
大きく分けると兵児帯には、この2つの種類があります。しごき帯は明治時代に流行したもので、広幅や並幅の布をしごいて作られているものです。三尺帯は名称の通りに、三尺の長さがあります。こちらは木綿をしごいて作られたものです。
三尺帯は子供用として使われることが多いのですが、そもそもは職人の手ぬぐいとして使われていた歴史があります。他の帯と比較すると、以下のような特徴を持っています。
- 生地がやわらかい
- 幅が広い
- 縮緬や木綿、羽二重などが用いられる
やわらかい生地と幅が広い帯なので、手軽にまけるのがポイントです。基本的にカジュアルな普段着用として使われています。
兵児帯の結び方
では最初に兵児帯を使った男性用の結び方から確認します。最初に前提となる帯の織り方から確認しましょう。
- 兵児帯の裏側が上にくるようにする(絞りの凸になっている方が表側)
- 帯の中心に両端が重なるように、両側から折る
- もう一度同じように両側から折る
- 折った中心線から二つ折りにする
これで幅の広い兵児帯が四つ折りになります。ここまでが前提なので、以下で実際の織り方を解説していきましょう。
- 折った帯を結ぶ位置にあてて、両端が膝の高さになるように持つ
- 手先が下にくるようにして腰に2周巻く
- タレ先で手先と腰に巻いた帯をまとめて下からくるむ
- ちょうちょう結びで締める
- 長く残った方の先を結び目を隠すようにして下から通す
- 余った部分を垂らして形を整える
- 形を崩さないように時計回りに帯をずらしていく
- 裏に回した結び目は背骨から少しずらしたて斜めにするのが粋
- 前の帯幅を整えて完成
以上が男性用の結び方になります。
女の子の兵児帯の結び方
次に女の子用の兵児帯の結び方を見ていきましょう。女の子といっても、まだ女児である場合の結び方になります。2歳~5歳くらいの女の子向けです。
この場合は一般的な兵児帯では長すぎるため、プチ兵児帯を使ってください。
- 幅広で結ぶのが難しい場合は、男性用と同じく四つ折りにする
- 腰に2周、長い場合は3周巻く
- 背中でひと結びして、左右の帯の長さを同じにする
- 下にある帯の方を使って結び目の近くで輪っかを作る
- 上の帯をおろして隙間に通してちょうちょう結びにする
- 形を整えて完成
特に難しいことはない結び方です。
兵児帯の『2つの選び方』
兵児帯について解説してきましたが、実際に選ぶとなると種類も多くて悩んでしまう人も少なくありません。そこで最後に兵児帯の選び方についても見ておきましょう。
大きくわけると、この2つになりますので1つずつ詳しく確認していきます。
【選び方1】長さや幅の広さで選ぶ
最も代表的なのが長さや幅の広さで選ぶことです。こちらは実用面での選び方だと考えて良いでしょう。帯がながければアレンジもしやすいですし、コーディネートの幅も広がります。
- 目安としては4m
- 幅がある帯だと着物が着崩れしにくい
- 腰への負担が減る
といったことを目安にするといいです。4m程度の長さがあると、太鼓結びもできるのでおすすめです。
幅の広さがあると着物が着崩れしにくいメリットもあります。腰への締付け負担も減るため、良いことづくめであると考えて良いでしょう。
基本的にカジュアルなシーンで使う帯ですので、自分の使い勝手が良いように調整していくといいです。ある程度帯の扱いになれている人なら、実用面を優先して選ぶ方が良いかもしれません。
【選び方2】生地で選ぶ
兵児帯はおしゃれ着として利用するものです。オシャレにこだわる人であれば、実用面よりも生地にこだわりたいという人も多いでしょう。使われている生地によって、デザイン的には似ていても結んだ時の見た目が大きく変わるからです。
- ポリエステル
- 綿
兵児帯でオシャレをしたいのなら、この2つの生地がおすすめになります。なぜなら生地に張りがあるからです。張りがあると帯を結んだ時にボリュームが出やすいので、それだけでオシャレが楽しめるでしょう。
いつもと同じ着物であっても、帯1つで大きく印象が変わるのも着物の特徴です。そのためボリュームの出しやすい、張りのある素材を選ぶのがおすすめになります。
まとめ
兵児帯についてまとめてみました。兵児帯とはもともと男性用・子供用として使われていたものです。
ただ扱いが簡単ですし、オシャレにも向いているとのことから、最近では女性がカジュアルなシーンで利用することも増えています。兵児帯を選ぶのなら実用面で優先するのか、デザインを重視するのかで違ってくるでしょう。
どちらを重視しても良く、気軽にオシャレを楽しめるはずです。男性だけではなく、女性も使えるものなので、カップルや夫婦で合わせて見るのもおすすめだと言えます。