【郡上紬】高額買取の可能性大?査定相場より高く売るコツ&業者選び
郡上紬は岐阜県郡上市八幡町で生産されている絹織物です、あまり知名度は高くありませんが希少価値が高く高額買取が期待できる着物です。ここでは郡上紬の歴史や特徴、そして買取相場などをまとめています。
ただ買取額については作家や状態によっても異なりますので、どのような着物が高く売れるのか、さらにはどうすれば高く買取できるのかを紹介します。
また買取してもらう際の注意点もありますので、郡上紬を売りたいと思っている方はチェックしてみてください。
郡上紬の着物はどんな着物?(歴史・産地など)
郡上紬は岐阜県郡上市八幡町で作られている紬織物です。この地域では昔から農家が絹糸にできないいわゆるクズ繭を用いて手織りで着物を作っていました。
明治時代になると着物を着る習慣も減ってきたことにより生産も減ってきたのです。
それを第二次世界大戦後に復興させたのが宗廣力三で、昔からの製造方法に独自の方法も加えて郡上紬として広めたのです。
歴史的には浅い紬着物ではありますが、素朴で温かみのあるデザインが人気となっています。
郡上紬の着物の特徴
郡上紬は藍や茜、ヤマモモといった天然草木染を使ったどぼんこ染めという染色技術が特徴です。
どぼんこ染めは糸に染料がしっかりと染まるまで何度も繰り返して染め上げており、色褪せしにくく、逆に時間の経過とともに色が深くなっていくのも魅力の1つです。
またどぼんこ染めにより作られる平面的ではない美しいぼかしも特徴です。さらに紬縞織や絣織などの技法を用いたことによる複雑で独特なデザインに仕上がり、それも人気の1つとなっています。
郡上紬は国産の春に浮かした春繭のみを使って織り、それにより着心地が滑らかで肌触りがとても良く、また染め上げから織りまで丁寧に仕上げられており、長く着続けられるのも大きな特徴となっています。
有名な紬の種類
全国には郡上紬の他にもさまざまな紬着物があります。ここでは有名な紬5つについてまとめていますので、それぞれの特徴をチェックしてみてください。
①大島紬
大島紬は鹿児島県奄美大島を発祥とする絹織物で、今は奄美大島の他にも鹿児島市周辺や宮崎県などでも作られています。1300年の歴史がある着物で、日本三大紬の一つでもあり、さらに世界三大織物にも数えられるほどです。
大島紬は軽くて暖かく着崩れしにくい、シワになりにくいという特徴があります。また泥染めという独特の染色技法を用いており、独特の黒く渋い色合いも魅力の1つになっています。
最高級な絹織物ですので、安いものでも一反30万円前後、高いものでは数百万円もするものもあります。
②牛首紬
牛首紬は石川県白山市にある旧白峰村、白峰地区周辺で生産されている絹織物です。一つの繭に二頭の蚕が入った特別な玉繭を緯糸に、経糸に通常の絹を使用しているのが特徴で、品のある光沢が大きな特徴です。
また釘が引っかかっても破れずに釘が抜けてしまうほど丈夫な着物とされ、釘抜紬という別名もあります。
昔ながらの技法を用いて作られており、その製造技術は石川県の無形文化財に指定され、1988年には国の伝統工芸品にも指定されたほどです。
③結城紬
結城紬は茨城県結城市を中心に、栃木県小山市など周辺の地域で作られている絹織物です。繭をお湯で煮だして柔らかくし手作業で紡いで作られた糸を用いており、さらに職人の手による作業工程が多く織り上げるまでに20以上のステップを要します。
それにより仕上がるまでに数ヶ月、長いものでは1年近くかかることもあります。こういった製造工程で作られる本場結城紬は2010年にユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
丁寧に仕上げられた結城紬は暖かく着心地の良さが評判です。
④塩沢紬
塩沢紬は新潟県南魚沼市周辺で生産されている絹織物です。この地域では奈良時代から越後上布という麻布が織られていましたが、その技術を用いて江戸時代中期に作られるようになったのが塩沢紬です。
細かい蚊絣や十字絣、亀甲絣などの絣模様が特徴で、白や黒、紺などの渋い色合いが多く上品で落ち着いた雰囲気があります。
塩沢紬は日本三大紬にも数えられ、紬の最高級品とも言われています。2009年にはユネスコ世界文化遺産にも登録されています。
⑤絵絣紬
紬は絣模様も人気ですが、絵絣も絣模様の一種で吉祥模様や草花、鳥、山海の産物などいろいろな柄のことを言います。
そして絵絣紬とは、絵絣の技法を用いてそれを紬織りに取り入れた着物で、優しく落ち着いた風合いを感じさせます。そしてデザインの種類も豊富にあり、それによって紬の印象が大きく変わってきます。
絵絣紬のデザイナーで有名なのが佐々木苑子さんで、数多くの素敵な絵絣紬を作り上げています。また佐々木苑子さんは人間国宝にも選ばれています。
郡上紬の着物の買取査定はどれくらいか?買取価格平均相場と買取実績
郡上紬は現在も手織りでのみ作られており、生産数も極めて少ないです。手間もかかる着物であるため入手しにくく幻の着物ともされています。そのため郡上紬の着物の買取査定は非常に高めとされています。
そのため一般的な郡上紬は1万円から5万円くらいが買取相場です。ですが、郡上紬の中には人間国宝に認定された宗廣力三が手掛けたものもあり、その郡上紬だと数十万円もの買取価格がつくことも少なくありません。
いずれにせよ郡上紬はあまり市場にも出回らない貴重な着物ですから、状態が良ければ高額での買取が期待できます。
郡上紬の着物が買取可能な店舗(リサイクル・オークション・買取専門業者)
【売却方法①】リサイクルショップ・古着屋に持込買取
リサイクルショップや古着屋に着物を持ち込んで買取してもらう方法があります。近くに店舗があれば気軽に持ち込めるというメリットがあります。
ただ着物の知識があるスタッフが少ないため、郡上紬を正しく鑑定されないケースが多いです。
【売却方法②】ネットオークション(ヤフオク・メルカリ)
ネットオークションだと郡上紬が欲しい人と直接売買できるので高く買取される可能性があります。ただ逆に欲しい人がいなければ買い手が付かない、もしくは安く手放すことになります。
またそれ以上に相手がわからないのでトラブルになることも少なくありません。
【売却方法③】おすすめは着物買取専門業者(ネットで依頼可能)
郡上紬のおすすめの売却方法は着物買取専門業者に買取してもらうことです。郡上紬は幻の着物とも呼ばれる希少な着物ではありますが、大島紬や結城紬などに比べると一般的に名の知れた紬というわけではありません。
ですので、価値がわからないと安く買取される恐れもあります。その点着物買取専門店であれば郡上紬の価値も分かっていますので正しく鑑定し、高価買取も期待できます。
また多くの着物買取専門業者は、出張買取や宅配買取も利用できるので、近くに店舗がなくても依頼できるのもメリットです。
郡上紬を高く売るなら口コミ評判の買取専門業者『バイセル』がおすすめ
郡上紬を実際に売却した方の口コミ評判&体験談
【補足】郡上紬は高額買取が期待できる希少な着物ですが、やはりデザインによっても買取額には差があるようです。また一般的に大島紬ほど名が売れているわけではないため、買取業者によっては知らずに低査定になることもあります。
郡上紬を売る前に知るべき高価買取のコツと注意点
郡上紬を少しでも高く売りたいという方は、まず売る前に知っておくべき高価買取のコツと注意点があります。少なくとも以下の2点は知っておくといいでしょう。
【ポイント①】郡上紬の証紙があれば必ず一緒に出す
証紙とは新品で着物を購入した際に、着物の端切れに貼り付けられている証明書のようなものです。証紙には大きく分けて以下の3つのことを記載しています。
- 伝統工芸品であること
- 産地
- 生地の品質
これがあることで、その着物が郡上紬であることを証明してくれます。そのため買取の際に証紙も一緒に出すことで、買取額アップの期待が持てますし、証明されることで高価買取される可能性が高くなります。
また郡上紬を復活させた人物である人間国宝の宗廣力三の証紙があれば、それだけで買取額大幅にアップされるはずです。
もちろん、証紙がないから郡上紬である証明にはならず買取額が大幅ダウンするというわけではなく、しっかりと鑑定できる業者なら高価買取は可能です。
【ポイント②】郡上紬の着物を状態良くキープする保管方法をする
郡上紬は希少価値が高い着物で高価買取が期待できます。
今すぐ売るという方は、今の状態でそのまま売却となるので問題ありませんが、急いで売るわけではないという方は、着物の状態をキープできるように正しく保管する事が大切です。
いくら貴重な着物といっても、カビたり虫食いになったりすると買取額は大幅にダウンしてしまいます。正しい保管方法については以下を参考にしてください。
- 着用後はハンガーにかけて半日から一晩ほど陰干し
- 汚れがある場合には落とすもしくはクリーニングに出す
- シワにならないよう正しくたたむ
- 新しいたとう紙に包んで保管する
- 通気性のよいタンスに収納する、できれば桐のタンスに
- 定期的にタンスの換気をする
- 定期的にたとう紙の交換をする
まとめ
郡上紬は幻の着物とも呼ばれるほど入手困難な希少価値が高い着物です。そのため状態にもよりますが、着物だけでなく反物の状態でも高価買取が期待できます。
さらに有名作家のものだと特に驚くほどの高額で取引されることもあります。ただそんな郡上紬でも状態が悪いと価値が下がってしまうので適切な方法で保管しておきましょう。
また希少な着物ですが一般的な知名度はそれほど高くないため、買取業者によっては査定額が低めになるので、妥協せず他の業者でも査定してもらいましょう。