「着物買取で値段がつかない…」売却不可の5つの理由!処分方法と高く売る秘訣
着物の買取では、状態・素材・証紙・需要など複数の条件がそろわないと値段はつきにくいのが現実です。
実際、経済産業省の報告でも、和装業界は洋装への転換で着物需要が長期的に減少しているという記述があり、業界そのものが縮小傾向にあることが裏付けられています。

編集部でも、状態に自信があった着物が無料引き取りになった経験があり、こうした産業構造の影響を目の当たりにしました。
この記事では、値段がつかない理由を具体的に分析し、値がつかなかった後の扱い方や査定前の対策をわかりやすく解説します。
値段をつけてもらうには、着物の価値を見極められる査定士と、再販ルートを持つ専門業者に依頼することが欠かせません。信頼できる着物専門の買取業者はこちらで詳しく紹介しています。
本記事は着物堂(運営:株式会社LIF)が制作・編集し、監修者(古物商許可証を持つ会員(奈良県公安委員会 第641180000388号))が内容を確認しています。記事内の情報は公開時点のものであり、十分な調査のもと掲載しておりますが、内容が最新の情報と異なる可能性があります。
着物を売って値段がつかない5つの理由


着物を査定に出してみたものの、「これはお値段がつきません」と言われてがっかりした経験がある人は少なくありません。とくに、かつて数十万円で購入した着物であれば、その落差に驚くのも無理はないでしょう。



編集部でも実際に査定を受けた際、状態の良さに自信があった着物が無料引き取り扱いになったことがあり、当時は納得できない気持ちになりました。
ですが、着物の買取価格は一般的なリサイクル品とは異なり、買い取れる条件が非常に限られているのが実情です。
ここでは、着物を売却しようと考えている方に向けて、なぜ値段がつかないのかという背景を整理しながら、具体的な理由をひとつずつ解説していきます。
1. 需要が大きく減っているから価値が下がる
現在の中古着物市場では、そもそも着物を着る人自体が大幅に減っているため、買取業者にとって着物は売れにくい商品のひとつになっています。
成人式や結婚式など特別な場面でもレンタルや写真館のセットプランが主流になり、日常的に着物を着る人はごく少数です。需要が小さくなれば、市場では在庫を抱えやすくなるため、査定額は自然と低く抑えられます。
業者側の視点で見ても、「買い取る=保管・クリーニング・販路確保まで責任を負う」というリスクがあるため、確実に売れると判断できない着物は慎重に査定されます。
編集部が査定を受けた際にも、担当者から、「着物そのものよりも、売れるルートがあるかどうかで判断することが多い」という正直な話を聞いたことがあります。
つまり、買取査定は着物の元値ではなく、今の需要に対して流通できるかどうかが基準になっているのです。
こうした市場背景を知らないまま査定に出すと、どうしてこんなに安いのかとか値段がつかないなんておかしいとか感じてしまいます。
2. 保存状態(シミ・カビ・汚れ)が悪いと査定対象外になる
着物の査定で最もシビアに見られるのが、保存状態です。とくにシミやカビ、強いにおいがついている場合は、それだけで「買取不可」または「無料引き取り」と判断されることもあります。
どれだけ高価な着物であっても、状態が悪ければ再販が難しくなるため、業者としては査定額をつけられません。
着物は長年タンスに眠っていることが多く、知らない間に湿気でカビが発生していたり、ヤケやシミが浮き出ていたりするケースが少なくありません。
編集部でも実際に、柄や素材は申し分ないにもかかわらず、裏地のうっすらとしたカビのせいで査定額ゼロとなった経験があります。表から見えにくい部分であっても、査定時にはしっかりチェックされます。
また、着物特有のにおいも評価に影響します。防虫剤や保管時の湿気臭が強いと、クリーニング費用がかかるうえ、販売時にクレームにつながる恐れもあるため、業者側は敬遠しがちです。
査定に出す前に、軽く陰干しをするだけでも印象が大きく変わるので、保存状態に自信がない場合は、ひと手間かけることをおすすめします。


3. 素材・織り・ブランド性が低いと評価されにくい
着物の価値は、見た目の華やかさだけでは決まりません。どんな素材を使っているか、どのような織り方か、有名産地や作家ものかどうかといった要素が、査定額に大きく影響します。
反対に、ポリエステルや木綿などのカジュアル素材、機械織りの量産品は、着物としての評価が低くなりがちです。
たとえば、正絹(しょうけん)は着物の中でも最も高く評価される素材ですが、見た目が似ている化繊(ポリエステル)と比べると、再販価格に数倍の差が出ることもあります。
また、結城紬・大島紬・牛首紬などの伝統的な織物や、人間国宝・有名作家の作品には高価買取の可能性があります。一方で、ブランド名や証紙が一切ない着物は再販価値が判断できないという理由で評価がつきにくく、価格に反映されません。


4. 証紙・落款がないと真贋や価値証明できず価格が下がる
着物の査定において「証紙(しょうし)」や「落款(らっかん)」の有無は、そのまま査定額に直結する重要なポイントです。
証紙とは、産地や作家名などを証明する鑑定書のようなものであり、その着物が本物であることを裏付ける唯一の情報源とされています。とくに伝統工芸品や有名作家の着物の場合、証紙がないだけで価値が大きく下がるケースが多いです。
査定担当者としても、証紙や落款がなければその着物が何であるかを判断する材料が不足し、万が一真贋に問題があった場合のリスクを避けるため、価格を抑えざるを得ません。
また、作家物の着物に見られる落款は、その作品が本当に作家の手によるものであるかを示す印です。これがあるかないかで、価値が作品として認められるかどうかが分かれます。



証紙や落款が付属していれば、業者側も安心して高く買い取ることができるため、保管している場合は必ず一緒に提出しましょう。
5. 業者の査定基準・販売ルートのコストが価格を圧縮する
着物の査定額が思ったよりも低い、あるいは値段がつかないと判断される背景には、業者側のビジネス構造も関係しています。
たとえ品質や状態に問題がなくても、売れるかどうか、どこで売るか、売るまでにどれだけコストがかかるかといった販売ルートの事情によって、査定額は大きく左右されます。
たとえば、出張査定を行っている業者であれば、人件費・交通費・広告費などが1件の訪問ごとに発生します。こうした費用を回収できるかどうかを見越して、利益が出ないと判断された着物には、どうしても厳しい査定が下されやすくなります。
業者が持つ販路によっても評価は異なります。
百貨店や高級呉服店向けの販路を持つ業者であれば、作家物や高級品には高値がつきやすくなりますが、逆にリサイクルショップやネットオークションが主な販路であれば、相場が低いため、査定額もそれに引きずられます。
つまり、査定額は着物そのものの価値だけでは決まらず、売る側の都合も大きく反映されるのです。そのため、同じ着物でも業者によって価格差が出ることは珍しくありません。
査定で「値段つかない」と言われた着物の扱い方


着物を査定に出して「こちらはお値段がつきません」と言われたとき、多くの人はその場で判断に迷ってしまいます。
長年大切にしてきた着物であればなおさら、処分するのはもったいないけど、このまま持ち続けても仕方がないと悩むのは自然なことです。
値段がつかなくても、着物にはリメイクや寄付、再利用といった別の活かし方があります。ここでは、査定でゼロ円と判断された着物をどう扱えばよいか、目的別にわかりやすく紹介していきます。
1. 引き取り・無料回収サービスの活用
査定で値段がつかない着物は、多くの買取業者で「無料引き取り」として対応してもらえることがあります。
これは、業者が再販できる可能性は低くても、着物の素材や柄によってはリメイク・海外輸出などの販路に回せるためです。処分に迷ったときの最もシンプルな選択肢として覚えておくとよいでしょう。
ただし、業者によっては引き取り自体を行っていない場合や、出張買取では引き取りのみの依頼を断られることもあるため、事前に買取対象外の着物はどうなるかを確認しておくことが大切です。
また、あまりにも状態が悪いものや、においが強いものは、引き取りすら断られるケースもあるので注意が必要です。
なお、引き取られた着物は多くの場合、業者側で古布としてリサイクルされたり、海外に輸出されたりするルートに乗ります。手元からはなくなってしまいますが、再活用されると考えれば、納得して手放せる人も多いはずです。
2. リメイクやリユース(帯・ハギレ利用など)
査定で値段がつかないと言われた着物でも、素材や柄の美しさが残っていれば、リメイクやリユースという形で活かすことができます。
とくに、絹や上質な木綿でできた着物は、布地として見れば非常に魅力的で、バッグ・ポーチ・クッションカバー・日傘・のれんなどにアレンジされるケースも増えています。
帯や裏地も含めて、着物は一枚で多くの布量が取れるため、ハンドメイドを趣味にしている人にとっては宝の山のような存在です。



最近では、着物リメイク専門の工房やネットショップも増えており、「自分では作れないけれどお願いしたい」という人向けのサービスも充実しています。
また、自分では使い道がないという場合でも、リメイク素材として欲しい人が見つかることもあります。フリマアプリや手芸の掲示板、地域のコミュニティなどを活用すれば、布として新たに価値を見出してくれる人に引き継げる可能性もあります。


3. 寄付・地域団体・文化施設への贈呈
査定で値段がつかなかった着物でも、処分ではなく誰かの役に立つ形で手放すという選択肢があります。そのひとつが、地域の福祉団体・文化団体・学校・NPO法人などへの寄付や贈呈です。
とくに、着物文化の継承や手芸素材として活用している団体では、無料での受け入れを行っているところもあります。たとえば、地域の公民館や着付け教室では、練習用の着物として提供を受け付けているケースがあります。
また、海外に日本文化を広める活動をしているNPO団体では、状態の良い着物をイベント用衣装として活用しているところもあり、不要な着物が文化交流の一助になることもあるのです。
寄付先を探す場合は、「着物 寄付」や「着物 無料 提供」、「NPO 着物 活用」などで検索すると、受け入れ団体が見つかりやすくなります
注意点としては、どのような状態の着物まで受け入れてくれるかを事前に確認すること。シミや汚れがあるものは断られる場合もあるため、問い合わせてから送付するのが安心です。
査定に出す前に値段がつく可能性を高める方法


着物を査定に出すとき、もう値段がつかないだろうと諦めてしまう方も多いですが、事前に少し工夫するだけで、評価が変わることがあります。
ここでは、今からできるお金をかけずに済む対策を中心に、査定前にやっておきたいポイントをご紹介します。
1. 軽いクリーニング・ホコリ除去だけで印象を改善する
着物を査定に出す前に、丁寧にクリーニングする必要はありませんが、軽いお手入れをしておくだけで印象が大きく変わることがあります。査定員は状態を重視するため、わずかなホコリや畳みジワ、においなども、価格に影響する判断材料となります。
とくに長年タンスに眠っていた着物は、気づかないうちに防虫剤のにおいや湿気を含んでいることがあります。
陰干しで風通しを良くし、においを和らげておくだけでも、受け取る側の印象が違ってきます。また、目立つホコリや細かなゴミは、やわらかいブラシや布で軽く払うだけで十分です。
念入りな手入れまでは必要ありませんが、ひと目見たときにきちんと扱われていたと感じさせることができれば、結果的に査定額にも良い影響を与えやすくなります。
2. たとう紙・桐箱・付属品を揃えて査定に出す
着物を査定に出す際は、着物そのものだけでなく、付属品も揃えておくことで評価が変わることがあります。
たとう紙や桐箱などの保管用のアイテムは、きちんと管理されていた証として査定員の印象を良くし、証紙や帯、草履などのセット品は再販時の価値を高める要素になります。
たとう紙は、黄ばみがひどいものは新しいものに入れ替えるか、着物だけを丁寧に畳み直すだけでも構いません。桐箱に入っている場合も、そのまま提出することで湿気対策や虫除けなど、保管環境の良さが伝わります。



加えて、証紙・タグ・共布(共生地)など、購入時に付いていたものが残っていれば、必ず一緒に用意しておきましょう。
見た目や状態が同じ着物でも、ちょっとした気配りで扱いが変わるケースは少なくありません。過剰な準備は不要ですが、手元にあるものはできるだけ揃えておくことで、より納得のいく査定につながります。


3. 複数枚まとめて出すことで査定基準を緩めてもらう
着物を単品で査定に出すよりも、複数枚をまとめて依頼した方が、全体として評価されやすくなる傾向があります。業者側としても、一点だけの査定では移動や人件費に見合わず赤字になる場合があるため、ある程度の点数が揃っている方が、価格をつけやすいのが実情です。
とくに出張買取では、1枚だけでは値段がつかないような品でも、他の着物や帯と合わせることで「まとめて◯円」として値段がつくケースがあります。



実際に編集部で査定を受けた際も、単品査定では評価されなかった色無地が、他の振袖や袋帯と一緒に出したことで「まとめてお引き取り+数千円」となったことがありました。
また、査定員としても、まとめて出されると一着ずつ細かく減点せず、全体として需要がありそうかで判断する傾向が強くなります。汚れが少しある着物でも、他に状態の良いものがあればトータルでバランスを取ることができるため、評価の幅が広がるのです。
そのため、1〜2枚しか売りたい着物がない場合でも、帯や羽織、和装小物など、一緒に査定に出せるものを探しておくのがおすすめです。
4. 信頼できる着物専門業者を選ぶチェックポイント
着物の査定額が思ったより安かったとか、値段がつかなかったと感じる原因のひとつに、業者選びの失敗があります。
特に、着物に詳しくないリサイクルショップや、相場を知らない査定員に当たった場合、本来の価値が正しく評価されないことも少なくありません。
だからこそ、査定を依頼する前に、専門性のある業者かどうかを見極めることが大切です。
まず注目すべきは、着物専門の買取を明言しているかどうかです。公式サイトなどで「着物専門の査定士が対応」や「和装品に特化」といった記載がある業者は、一定の知識と販路を持っている可能性が高く、安心して依頼しやすくなります。



次に、実際の利用者の口コミや体験談も参考になります。
編集部でも、買取業者を比較する中で「対応が丁寧で説明がわかりやすかった」といった声が多かった業者に依頼したところ、価格だけでなく接客面でも納得のいく結果になりました。
また、買取後の流通ルートも重要です。レンタル着物業者や海外バイヤーとのネットワークを持っている業者は、販路が多いため、幅広い種類の着物に値段をつけやすくなります。販路の強さは、そのまま査定額の余地につながります。
見た目の広告だけで選ぶのではなく、どれだけ着物という商品に向き合っているかを見て判断することが、結果的に損をしないコツです。
着物の正確な価値を知るなら、プロの査定員が自宅へ出張訪問してくれる買取専門業者「ザゴールド」に依頼してください。


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もちろん査定は無料ですので、とりあえず査定依頼して損がない買取業者です。





編集部が実際に利用したところ、近くのリサイクルショップでは数千円の査定だった着物が、ザゴールドでは数万円の査定額になりました。複数の業者と比較した中でも、最も信頼できる買取業者だと感じました。
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まとめ|値段がつかない着物も後悔ない手放し方ができる
ここまで解説してきたとおり、着物は状態や素材だけでなく、証紙の有無や業者側の事情によって査定額が大きく変わります。
思ったより安かった、あるいは値段がつかなかったと感じた場合でも、事前の工夫や査定後の対応次第で納得のいく判断ができるはずです。
着物の査定で「値段がつかない」と言われる主な理由、以下のようになります。
需要の低下 | 着物を着る機会が減り、中古市場の動きが鈍っている |
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保存状態の悪さ | シミ・カビ・においなどがあると査定対象外になりやすい |
素材や織りの評価が低い | ポリエステルや量産品などは再販が難しく評価されにくい |
証紙・落款がない | 本物かどうか証明できず、査定額に反映されない |
業者ごとの販売ルートの違い | 販路が狭い業者では、需要があっても値がつかないことがある |
値段がつかなくても着物をムダにしない3つの方法は次のとおりです。
- 無料引き取りサービスを活用して、処分コストをかけずに手放す
- リメイクやハギレ活用で、日常使いできるアイテムに再生する
- 寄付や文化団体への贈呈で、誰かの役に立つ形で活かしてもらう
査定前にできるひと工夫で評価が変わることもあります。
印象を良くするだけで査定対象になる可能性がある
真贋や保管状態の判断材料になりやすい
「まとめて◯円」として価格がつく可能性が高まる
販路や専門知識の有無が査定額に直結する



納得のいく手放し方を選ぶには、「なぜ値段がつかないのか」を知ったうえで、どう行動するかが大切です。