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色留袖と訪問着に違いはある?見分け方&それぞれの特徴・着用シーン

着物に馴染みがない人からすると、種類による違いも知らないという人がいます。その中でも最も間違えやすいのが、色留袖と訪問着の2つでしょう。どちらも似たようなデザインの着物なので、同じ物と思っても仕方がありません。

ですが実際には色留袖と訪問着には大きな違いがあるのです。ここではこの2つの着物について違いがどこにあるのか、また見分け方はどうすればいいのかなど、基本的な事柄から確認していきましょう。

目次

色留袖と訪問着の違いとは?見分け方について

着物

では色留袖と訪問着の違いから確認していきましょう。

  • 色留袖は礼装もしくは準礼装である
  • 訪問着は準礼装もしくは略礼装になる

といった違いがあります。着物にも実は格式の違いがあるのです。その中で比較すると色留袖の方が高く、訪問着の方が若干低いと考えて良いでしょう。

  • 色留袖には必ず紋をつける
  • 訪問着は紋なしでも良い

このような違いもあります。紋入りの方が格式が高くなっていて、紋なしだと格式が低くなると考えてください。

見分け方としては以下の通りです。

  • 訪問着は上半身にも模様が入っている
  • 色留袖は帯から下の部分である裾にしか模様がない

色留袖は礼装、もしくは準礼装となる着物であるため模様による違いが一般的です。色留袖には上半身部分に模様がありませんが、訪問着には上半身にも模様があるのです。

色留袖の特徴・着用シーン・小物の合わせ方

次に色留袖について詳しく確認していきましょう。

色留袖の特徴・着用シーン・小物の合わせ方

といった3つの点について、色留袖のことを詳しく確認していきます。

色留袖の特徴

和装とカバン

色留袖というのは留袖の1つになります。未婚女性は振袖といって、成人式などに着る袖の長い着物を着用するのです。対して既婚女性は振袖の長い袖を切って、短くするのですが、これを留袖と呼んでいます。

留袖には大きく2つの種類があります。

  • 色留袖
  • 黒留袖

黒留袖は布地が黒のもので、黒以外の布地が使われていると色留袖です。デザインとして先述したように、上半身には模様が入っておらず下半身部分のみに入っています。色合い的には、派手さがなく落ち着いた印象を与えるパステルカラーのものが多いでしょう。

基本的には既婚女性が着用するものですが、近年では既婚未婚を問わずに着用できるようになりました。色留袖の格式は紋によって違いがあり、五つ紋の場合は最も格式が高いとされる黒留袖と同じ礼装になります。

色留袖の着用シーン

着物の着付け

色留袖の着用シーンについても考えておきましょう。色留袖は紋の数でも格式が違ってくるのですが、一般的には礼装~準礼装という格式になります。そのためおめでたい場合に使われると考えて良いです。

  • 親族側で参加する結婚式だと五つ紋
  • 親族側で参加する披露宴だと三つ紋
  • 入学式や卒業式に参加するのなら一つ紋

といったようなシーンで利用するものです。結婚式や披露宴に参加する時は、親族側である場合に限るので注意してください。これは着物の格式によるもので、ゲスト側で参加するときに礼装を着用すると失礼にあたるためです。

またゲスト側で参加する時には、色留袖のデザインや色味なども考慮してください。あまり派手な色留袖だと主役である新郎新婦を引き立てることができません。飽くまでも引き立て役になるため、目立たない着こなしを意識しましょう。

色留袖の小物の合わせ方

たとう紙

最後に色留袖と小物の合わせ方を考えてみましょう。先ず色留袖に合わせる帯なのですが、以下のようになります。

  • 金糸や銀糸が施されたもの
  • 袋帯を二重太鼓でしめる

この2つが基本になります。他の小物についても挙げておきましょう。

  • 帯揚げや帯締めは白を使う
  • 白地に金か銀入のものが良い
  • バックは草履とセットになっているもの
  • 金や銀などを使った華やかなモノが良い
  • 唐織や錦織などの高級感のあるもの

といった小物を合わせるようにするといいでしょう。基本的にフォーマルな場所で着用する着物なので、その場に合わせた重厚感のある小物を合わせるといいでしょう。

訪問着の特徴・着用シーン・小物の合わせ方

色留袖の特徴などを解説しましたので、次に訪問着の特徴や着用するシーンなどを確認していきます。小物の合わせ方なども紹介しますので、どんな合わせ方をすればいいのか分からない時には参考にしてください。

訪問着の特徴・着用シーン・小物の合わせ方

訪問着の特徴

着物無地

訪問着の特徴ですが、大きなポイントとしては肩から裾にかけて絵羽模様が入っている点でしょう。色留袖は裾のみとなるので、上半身にも模様が入っているのが特徴になります。

訪問着は全般的に明るい印象の着物が多いので、着る人の年齢を選びません。

  • 既婚・未婚問わずに着用できる
  • 若者から高齢者まで幅広い年代の人に似合う
  • 訪問着は紋の数で格式が決まる
  • 汎用性が高い着物なので、あえて紋なしを選ぶ人が多い

などのような特徴があります。ここでポイントにしておきたいのが、紋を入れるか入れないかです。近年では訪問着に紋を入れない方が主流になっています。

礼装用には別の着物を着用し、訪問着は幅広く使いたいと考える人が多いためです。

訪問着の着用シーン

訪問中の着物女性

次に訪問着を着用するシーンについても確認します。訪問着は準礼装、もしくは略礼装として利用できる着物です。そのため幅広いシーンで活用できます。

  • 結婚式や披露宴でゲストとして参加する
  • 入学式や卒業式
  • お茶会やパーティー
  • 同窓会

などのように様々な場面で活用できます。そのため一着持っていると、便利に使える着物だと言えるでしょう。ゲストとして招かれるときに着ていく着物ですので、場を華やかにするような明るい雰囲気の着物を選ぶと良いでしょう。

ただし入学式や卒業式のように、お子さんが主役となるようなシーンでは、逆に派手な柄は控えた方がいいです。モダン調などの落ち着いた雰囲気のデザインの方が、その場にはふさわしいでしょう。

訪問着の小物の合わせ方

着物の小道具

では訪問着の小物の合わせ方を確認してみましょう。最初に帯から見ていきます。

  • フォーマルな場所で訪問着を使う場合は金糸や銀糸を使った礼装用の袋帯
  • セミフォーマルなシーンだと白地をベースにした帯を利用
  • カジュアルなシーンでは特に決まり事はない

基本的に訪問着でも色留袖と同じように帯を選ぶといいです。カジュアルなシーンの場合は、半帯などを利用するのも良いでしょう。他の小物としては次のようなものがあります。

  • 草履やバックは訪問着の地色と合わせる
  • カジュアルなシーンでも同じように小物を合わせる

小物を合わせる場合ですが、考え方としては訪問着の地色に合わせます。見た目に統一感が出ますので、着物そのものを映えさせる効果も期待できるでしょう。

黒留袖も間違いに注意が必要!黒留袖の特徴について

最後に間違えやすい黒留袖にも言及しておきます。前段で軽く触れましたが、留袖には2つの種類があるのです。一方が色留袖で、もう一方が黒留袖になります。この黒留袖について詳しく見ておきましょう。

黒留袖の着用シーン

黒留袖ですが、布の地色が黒の留袖を指します。生地は正絹といって混じりけのない絹を使った着物が一般的でしょう。地模様がないため、上品で高級感があるというのが特徴になります。

  • 親族側として結婚式や披露宴に参加する場合
  • 仲人として結婚式や披露宴に参加する
  • 格式の高い表彰式や授与式などの式典に参加する場合

基本的に黒留袖は慶事のときに着用するものです。そのため結婚式や披露宴の主催者側として参加する時に使われるのが一般的でしょう。他にも格式の高い式典に参加する時にも着用されます。

第一礼装といって最も格式の高い着物であるため、使い所がある意味では限られていると言えるでしょう。ちなみに合わせる肌襦袢は白色で、帯は金糸や銀糸が使われたものが一般的です。

色留袖と訪問着の間違いに注意してシーンに合わせて着よう

ポイント

色留袖と訪問着はどちらも絵羽模様がデザインされているという点では同じです。ですが色留袖は礼装に使われることもある格式があります。他方で訪問着は準礼装や略礼装といったように使われるものです。

似たような着物ではあるのですが、明確に違う部分があります。そのため間違いに注意をして着用するシーンを合わせなくてはいけません。あまり難しく考えることではないので、単純に色留袖の方が格式が上だと考えておきましょう。

最近では着物をレンタルするといったケースも増えています。その場合はスタッフに必ず確認を取るようにしてください。こうした場面での着物を選んで欲しいというと、そのシーンに合わせた着物を用意してくれます。

まとめ

訪問着

色留袖と訪問着の違いについてでした。色留袖は礼装にもできる格式の高い着物で、上半身に模様は入っていません。対して訪問着は準礼装から略礼装に該当する着物で、上半身にも模様が入っています。

似たようなデザインとなるため混同しがちですが、この点にだけ注意しておくと間違うことはありません。色留袖にも訪問着にも着用できるシーンがあるので、間違えないように選んでください。

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