浴衣の種類はいろいろありますが、どれがいいかはその人の直感で「これ!」というものを選んでかまいません。ただ、初めてとなるとどれを選べばいいのか迷ってしまいます。
生地、色、柄ともに種類が多く、自分には何が似合うかわからないことも多いと思いますが、浴衣は意外と似合わないと思っていた色や柄が似合うこともあるのです。
浴衣は洋服よりはるかに色彩豊かなので、これまで敬遠していた色でも明暗や濃淡などちょっとトーンが違うだけでしっくりくることもあります。
ただ、背の高い人・低い人、太めの人・細めの人、色白・色黒など、顔立ちや体型などで似合いやすい浴衣の傾向はあるので、初めての人はそれを参考に始めてみましょう。
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目次
浴衣とは?特徴や歴史、最近の傾向など。
浴衣とは、薄手の木綿生地を染めて単位仕立てにした着物のことをいいます。今では夏の着物というイメージがありますが、由来は平安時代の湯帷子にさかのぼるそうです。
湯帷子とは、そもそも貴族階級が用いていた入浴時にまとう薄手の麻の単衣でしたが、時代とともに湯上りや寝る時にも着られるようになりました。
素材も麻から木綿へと変わり、江戸時代には庶民にも広く普及します。下着やバスローブのような役割だった浴衣も、そのころになるとそのまま外出できる普段着になり、歌舞伎役者の着る派手な柄や大胆な構図も流行しました。
今の浴衣は大きく分けると2種類あります。一つは旅館などでよく着る部屋着用としての浴衣で、もう一つは夏祭りなどの際に外で着る浴衣です。
お出かけの際に着るのは夏場が多いことでもわかるように、浴衣といえば夏の着物です。それ以外の着物のように長襦袢を下に着たりせず、基本的には素肌に直接まといます。
また、昔は白地か紺地と決まっていた浴衣でしたが、今の浴衣は色柄が非常に豊富です。
生地も木綿以外に綿麻、綿絹、ポリエステルなど多彩です。最近では、長襦袢と合わせて見た目の格を上げるコーディネートも浸透しています。
基本的な知識!浴衣と着物の構造の違い
浴衣と着物はよく似ています。浴衣も着物の一種なので当然なのですが、浴衣とそれ以外の着物にはよく似ていながらも決定的な違いがあります。
浴衣は湯上りに着る寝間着として用いられてきたもので、素材は薄手の木綿で白地か紺地ばかりでした。今では夏場の外出着としておしゃれになり、バリエーションも増えていますが、基本的には今も木綿が主体です。
一方、着物には裏地のあるものとないものがあります。素材は木綿、ウール、絹、化学繊維などさまざまで、生地の織り方や染め方も種類が豊富です。浴衣のように部屋着に近いものから、披露宴で着るような振袖までいろんなタイプがあります。
形状は浴衣も着物も違いがありませんが、決定的に違うのが、素肌に直接まとう浴衣に対して、着物は長襦袢や半襦袢を必ず下に着るところです。また、浴衣の時は裸足、着物の時は足袋を履くという違いもあります。
今では浴衣で外出するのに素肌に浴衣だけということはないですが、基本的には湯上りにまとってそのまま寝るための着物です。それに対して、着物は下に襦袢を着用し、半襟、帯揚げ、帯締め、帯留めなども身に付けて装うところが違います。(参照:女性の浴衣の描き方講座 〜浴衣と着物の違い・特徴を解説!〜|お絵かき講座パルミー)
女性の浴衣の種類!生地別に解説
浴衣の生地には木綿が用いられてきましたが、今ではいろんな種類があります。色や柄が同じ浴衣でも、生地の織り方が違うだけで雰囲気はがらりと変わります。ちょっと高級感のある素材を選べば、浴衣の品位がアップしてフォーマルに近い場所にも着て行けるでしょう。
素材によって値段は大きく違いますが、画像などで見るだけでは違いはわかりません。ぜひ、いろいろな素材を手に取ってみてその感触を確かめてみてください。
綿紅梅(めんこうばい)
高級浴衣の一つが綿紅梅です。薄手の生地に太い木綿糸を格子状に織り込み型染めしたものです。異なる太さの糸を組み合わせ、格子状に織ることにより、生地がでこぼこになります。そのでこぼこ、つまり生地に勾配があることから転じて「紅梅」という名前が付けられたそうです。
綿紅梅の特徴は、太い糸で格子状に織られたでこぼこの生地表面のおかげで、汗をかいた肌にも生地が貼り付かず、夏場でもさらりとした着心地があることです。半襟を付けて、名古屋帯や博多帯なで装うと、普段着だけでなくおしゃれな外出用としても着られます。
格子以外の部分を絹糸で織り込んだものは絹紅梅と呼ばれ、さらに高級感が高まります。
綿絽(めんろ)
綿絽という生地には、綿素材の生地全体にポツポツと横線のように等間隔の穴が空いています。横糸を飛ばしたみたいに織った生地を絽と言い、その生地に対して絽目が入っているなどとも言います。綿100%の素材なので綿絽というわけです。これも高級浴衣の一種です。
ポツポツと空いた小さな穴が上品な雰囲気を醸し出し、見た目も着心地も涼しげな風合いがあります。透け感がほかの織り方よりも強く、それゆえ涼やかさと高級感があるのですが、着る時は下着が透けやすいので注意です。
ほかの素材なら下着だけでも大丈夫ですが、綿絽は日が照っている時に着て外出すると確実に下着が透けます。浴衣用スリップを併せて着用しましょう。
綿縮(めんちぢみ)
(画像出典:http://www.okimono.jp/info/story_detail/index/12.html)
先染めした糸を使って織った木綿の平織物が綿縮です。縮、しぼ、綿しぼなどとも呼ばれます。
経糸にふつうの撚りの綿糸を用い、横糸に強い撚りをかけた綿糸を用いて織り、精錬して生地の表面に小さなしわを作ります。このしわを「しぼ」と言い、生地の表面に細かいちぢれが生まれます。このしぼがあるおかげで、生地と肌の間に隙間ができ、着心地が涼しくなるのが特徴です。触り心地は紬独特のでこぼこした感じでさらりとしています。
綿縮は通気性や吸湿性に優れているので、高温多湿の夏場にぴったりの生地です。綿縮は浴衣だけでなく、寝具や肌着にも用いられるほか、高島縮、岩国縮、相馬縮など着物にも用いられます。
コーマ地
(画像出典:http://www.okimono.jp/info/story_detail/index/12.html)
コーマ糸を用いて織り上げられたシンプルな木綿織物がコーマ地の浴衣です。コーマ糸とは高度に精錬した木綿糸です。
木綿は、綿の木になる実から綿毛を収穫して糸を紡ぎます。その際に種の周囲にある短い繊維を除去し、長い繊維だけ残して平行にそろえるために櫛を通します。櫛、英語で言うとコームを通すことからコーマというのです。ふつうの糸より繊維が非常に細かくなっており、この糸で生地を織るとすべすべした触り心地がします。染めにも向いている生地なので、夏らしい柄に染める浴衣には標準的に用いられます。
コーマ地の浴衣は、襦袢と重ねても見栄えが良くなく滑りも悪いので高級感を出すには向いていませんが、張りとしなやかな風合いが出るのが特徴です。
縮(ちぢみ)
(画像出典:http://www.okimono.jp/info/story_detail/index/12.html)
縮とは縮織を省略した言い方です。緯糸に撚りの強い糸を打ち込んで織り、精錬して布の表面全体に細かいしわを出します。綿縮のところでした「しぼ」のことです。木綿、麻、絹など縮織にはさまざまな種類があり、特に木綿と麻は通気性に優れて肌触りも良いので、浴衣によく用いられています。「縮」とだけ言う場合は一般的に綿縮のことを指します。
しぼが入っているため伸縮性に優れ、薄くて軽いので吸水性や速乾性も高いのが特徴です。縮織には小千谷縮、越後縮、能登縮などが有名ですが、いずれも夏の着物に用いられています。
縮織は木綿でも麻でも自宅で手洗いが可能で、もともとしぼがあるためアイロンの必要もありません。お手入れが楽なのが縮織の浴衣のメリットです。
ポリエステル
最近はポリエステル素材の浴衣も増えました。ポリエステルは価格が安く、衣類や寝具を始め産業用資材など至るところに用いられています。
高級素材ではありませんが、ポリエステルはナイロンに次ぐほどの強度があり、摩耗に強く折り目も取れにくいので洗濯機で洗っても平気です。また、虫、カビ、油にも強い丈夫な素材ですし、吸汗性や速乾性にも優れているので暑くありません。普段着としての浴衣ならぴったりの素材でしょう。
また、ポリエステルには光沢やハリがあるので、着物のように浴衣を着るのにも向いています。コーディネートを楽しむにもお手軽ですし、安い素材だからとバカにはできない機能性があります。
体型別で浴衣を選ぶ
浴衣は日本人が着るために作られたものなので、どんな体型の人でもある程度は着こなせるものです。とはいえ、人より背が高い・低い、太っている・痩せているということでふだんの洋服選びにも困っている人の場合、初めて浴衣を選ぶ際に何をポイントにすればよいかもわからないと思います。
そこで、体型別に着こなしやすく似合って見えると言われる浴衣の選び方を紹介します。ただ、人と体型が違うことをチャームポイントと捉えるかコンプレックスと捉えるか、それを生かすのかカバーするのかなど、自分をどう見せたいかによっても変わってくるものです。
必ずこうするべきという選び方はないので、あくまで一例と捉えてください。
背が高い人の場合の選び方と注意点
最近は背の高い女性もたくさんいるので、昔ほど背が高いことにコンプレックスを抱いている人は少なくなってきているでしょう。
逆に、人より身長があることは、柄や色など比較的自由に選べる恵まれた体型なんだと捉えられます。多様なコーディネートが楽しめるのが背の高い人の有利な点です。
ただし、浴衣を選ぶ際は着丈に注意してください。既製品の浴衣だとフリーサイズというものも多いですが、浴衣のすそが短くてツンツルテンになってしまうとせっかくのデザインも台無しです。
試着できる場合は試着してから、そうでなくても着丈や袖丈、おはしょりの調整可否など確認してからの方がよいでしょう。
「浴衣」の柄は大きいのを粋に着こなす、または柔らかいピンクやオレンジの暖色系で柔らかい印象の着こなしもあり。浴衣の字の色がネイビーなど濃い色もおすすめ。無地、縦じま、よろけ柄は避ける。
背が高い人に似合う浴衣は模様や柄が大きなものです。背が高いということは、浴衣の柄の見える面積も大きくなります。ですから、模様や柄が多少大きくてもきれいに見えるものです。
逆に、柄が小さい浴衣だとメリハリがなくなってしまうため、背の高いことが目立ってしまいます。また、無地も同じく体型の大きさを目立たせるので、全体的に大きくて濃いめの柄が入っている方がおすすめです。
また、縦じまも背の高さを際立たせるので背の高さがコンプレックスの人には横じまの方がいいでしょう。しまが湾曲してよろけて見えるよろけ柄も同じです。
色はオレンジやピンクなど暖色系を選ぶと、着こなした姿が全体的に柔らかい印象を与えます。
「帯」は下に柄があるもの。少し下の位置で結ぶのもポイント
背の高さを目立たせたくないのであれば、見る人の目線を下げることがポイントです。
柄のある帯なら柄が下にあるものを選んだり、結ぶ位置を少し低くしたりして、見る人の目線を下に惹き付けるようにすると全体的なバランスがよく見えます。
ただし、あまり下にし過ぎてもだらしなく見えるので注意しましょう。
帯の柄や色はどんなものがよいかわからないという場合は、浴衣の柄に使われているのと同じ色を選べば間違いはありません。
浴衣が紫の柄なら帯も紫にすると大人っぽく見えます。浴衣が黄色なら帯も黄色やオレンジなど暖色系にすると爽やかです。
いろんな色の柄が入った浴衣なら、合わせやすい色がそれだけたくさんあるということですので、自由度が高くなります。
ただ、柄に柄を重ねるのは洋服でも上級のおしゃれですので、迷った時はなるべくシンプルな柄のものを選ぶと、すっきりしたコーディネートになりやすいです。
背が低い人の場合の選び方と注意点
背が低い人の場合、浴衣を着ると子どもっぽく見えてしまうのが悩みです。体型が細いと貧弱に見えてしまうこともあります。まずは体にぴったりくるサイズの浴衣を選んでください。
背が高い人の場合と同じですが、既製品を買う時は試着して着丈やおはしょりの調整を確かめましょう。柄や色については背の低さを強調しないものを選ぶことが大切です。
詳しくは以下で触れますが、浴衣の柄がおはしょりの中に入り込むほど柄の大きいものはNGですし、色は全体的に同系色でまとめる方がすっきり見えるなどの注意点があります。
背が高いと帯で上下のメリハリが付くのですが、背が低い場合は上下に分断されているような印象を与えるからです。
「浴衣」は小柄模様、縦に模様が入っているものを可愛く着る。色は涼やかな色が大人っぽく見える。黒などのダーク系カラーは避ける
背が低い人に似合う浴衣は、柄が小さめのものです。大きな柄のものを選ぶと、柄が詰まって見えてしまいますし、おはしょりの中にも入ってしまいます。小柄模様をかわいく合わせる意識で選んでみましょう。
ただし、小さすぎる柄だと無地っぽく見えてしまうので、見た目が地味になってしまいます。ある程度の大きさは必要なので、試着の際に鏡から2~3メートル離れて確認しましょう。
また、全体的にすらりとした印象を与えるなら、模様は縦に入っている方がいいです。縦長ラインの方が上下にすらりとしたバランスに映ります。
色は、背を高く見せるには寒色系の涼やかなものが適していますが、背が低くて細い人の場合、貧弱に見えることもあるので、そういう時はクリーム色など淡色系がよいでしょう。黒などダーク系は細さを強調してしまうので避けた方がよいです。
「帯」はやや上あたりで結んだり、帯の上に柄があるものや、帯を折り返すのがおすすめ。色は浴衣と同色系で合わせると高く見える
帯の選び方では、あまり幅広のものは避ける方がよいでしょう。背を高く見せるには幅の狭い方がいいです。
結び方は、見た人の視線を高く持って行くために、帯の位置をやや上あたりにするか、折り返すとよいでしょう。柄は上側が目立つものを選びましょう。
帯の色は、浴衣の色と同じ色か同系色の方がすっきりとした印象を与えます。浴衣と帯のコントラストが強いと、帯を境に全体が上下に分断されるため、身長が低い人は低さが目立ってしまいます。配色がはっきりしていないものの方がいいです。
痩せ気味の場合の選び方と注意点
浴衣は基本的にどんな体型でもカバーできるものです。いわゆる標準体型より多少太っていても大きな問題はありません。ところが、標準よりかなり痩せている場合はなかなか苦労すると思います。痩せ気味程度でも多少の注意は必要です。
痩せている人は着物を購入する時も小さめのサイズのものを購入することになってしまいますが、それでもウェストの部分にバスタオルを巻いて膨らませるなどしないと、貧弱に見えて浴衣が似合っているように見えないことがあります。
既製品のサイズでよいのがない場合はオーダーメイドというのも一つの方法です。長く着るつもりなら思い切って仕立ててもらうのもありでしょう。
「浴衣」はパステル系などの淡い色で柔らかい雰囲気がおすすめ。浴衣全体に柄が入っているものもおすすめ。縦を強調したラインは避ける。
痩せている人は見た目が貧弱にならないように、柔らかい淡い色の浴衣を選ぶとよいでしょう。濃いはっきりした色よりも、パステル系などの膨張色の方が全体的に柔らかい雰囲気が出て女性らしさが演出できます。
柄はボリュームを出したいなら大きめがいいですが、あまり大きくてはっきりした柄だと、脇の方に柄が回り込んだり細さが強調されたりするので、大きめの柄を選ぶとしたらぼかしのあるような柄の方が視線を分散させるのにいいでしょう。
その意味では、浴衣全体に柄のあるものが華やかな印象を与えやすいのでおすすめです。
また、縦じまなど縦のラインを強調するものは細さを強調します。痩せていて背の高い人は特にそうです。絞り柄など立体感が出るものの方がボリュームが出る感じになって貧弱な印象を与えません。
「帯」はボリュームやハリのある兵児帯がおすすめ。ウエストにタオルを巻いて補正するのもあり。
痩せている人の場合、体の薄さをカバーするのにハリやボリュームのある兵児帯でふんわり結ぶのがおすすめです。前後左右から見て胴回りにボリュームが出るので、華やかな印象を与えます。
帯だけではボリュームが足りなく感じる場合は、ウエストにバスタオルなどを巻いて補正するという方法もあります。浴衣では寸胴の方がきれいな着こなしに見えるので、体型のメリハリをなくすための方法です。
帯の色は浴衣と同色系で合わせるとすらっと見えてしまいます。痩せているのを強調しないようにするには、淡色系の浴衣に対して濃いめの帯をコーディネートするのがおすすめです。
ぽっちゃり系の方の選び方と注意点
浴衣の場合、多少ぽっちゃりしている方がきれいに着こなせるものです。太って見えてしまうのは着方に問題があります。たとえば、おはしょりがお尻にかかるとお尻の大きさが強調されてしまいますし、帯の上に胸が乗っかるような形になると太った印象を与えてしまいます。
細い人でも胸が大きくてウエストの細い人だと太く見えてしまうほどですので、ぽっちゃり系の人は正しい浴衣の着付けを学んでください。
そうすれば実際より太って見えるなんてことはなく、逆に体型を生かしてきれいな着こなしになりやすいです。正しい着付けがわかったら、浴衣の色・柄、帯などスラッと見える小技で工夫してみましょう。
「浴衣」は縦に柄が入ってるもの、黒や紺、藍色などのダークカラー(寒色系)でシャープに着こなすのがおすすめ
ぽっちゃり系の人が少しでも細く見せるなら、縦じまの浴衣がおすすめです。洋服でも縦のストライプが細く見せる効果があることは知られていますが、浴衣でも縦のラインが強調されれば全体的にスラっと見えます。
また、同じ縦じまでも、しまの幅は一定でないものの方がすっきり見えやすいのが特徴です。格子柄や矢羽柄も縦のラインを強調して着痩せして見せてくれます。
ぽっちゃりで背も低いという人は、黒や紺、藍色などのダークカラーがおすすめです。
ただ、浴衣の色はダークカラーが体のラインをシャープに見せてくれますが、ぽっちゃりで背も高いという人の場合は、黒よりも、紺や藍色などに水色やゴールドの柄が入ったものの方がおすすめできます。その方が、柄がはっきりして柔らかさとすっきりした感じを与えてくれるからです。
「帯」は引き締め色として、黒や赤、紺、紫などを選ぶことで着やせして見える。帯の結びを大きくし、お尻を隠す帯結びもおすすめ。
帯を選ぶ際も、すっきりした印象を崩さないようにします。浴衣と同系色でコーディネートするのがポイントです。黒、赤、紺、紫など濃い色の方が着痩せして見えます。
なお、浴衣の柄は大きい方が背を低く見せるのによいですが、ぽっちゃりの場合は柄より小物や帯にポイントを持ってきた方がよいでしょう。
帯を結ぶ時は、蝶結びや文小結などで結び目を大きくしてお尻が隠れるようにするとよいでしょう。その方がウエストが締まって見えます。
なお、帯を結ぶ時は帯が体のいちばん前に来るようにします。胸の方が前に出ていると太って見えやすいものです。
肌の色で選ぶ
自分に似合う浴衣を選ぶには、自分の肌の色に合わせて選ぶことがとても大切です。浴衣にははっきりした色が多いため、顔の色に映える色かどうかで他人から見た顔の印象はかなり変わってしまいます。
ちょっと色白・色黒に見えるというようなレベルではなく、見た目年齢が5歳以上違って見えるほど影響が大きいので、自分の肌の色に合った色を選ぶことは非常に重要なのです。
自分の肌色にふさわしい浴衣を選ぶのにいちばんいい方法は、鏡に向かって実物を顔に合わせてみて顔映りを確かめることです。自分できれいに見える色柄があなたを引き立たせてくれる浴衣です。
ただ、色白・色黒によって似合う色の傾向はあるので、ある程度の知識は入れておきましょう。
肌の色が白い方
色白の人ははっきり言ってどんな浴衣を着ても似合うと思います。特に悩むことなく自分の好きな色柄を選んでみてください。お店に行っていろいろ試着してみると、自分にぴったりのものがわかるでしょう。
ただ、同じ色白でも肌質によってより似合う色とそうでもない色というものもあります。基本は自分で顔映りを確かめることですが、以下に挙げることも参考にしてみてください。
「浴衣&帯」は明るい色調のもの、淡い色の浴衣が見た目も涼やかな印象になる
ふんわり上品によりかわいらしく見せたいなら、パステルカラーや白っぽい色など明るいタイプの色調がいいです。
ただ、黒や紺などダークカラーでも色白の顔を引き立たせてすっきり締まって見せてくれるでしょう。かわいらしさを演出するなら淡色系、大人っぽさを演出するならダーク系という感じです。
色白は色白でもほっぺに赤みがかかっている血色の良いタイプの人は、それを生かすためにラベンダーやライトブルーなど全体的に柔らかい淡い色がおすすめです。涼しげでエレガントな雰囲気が出ます。
ほっぺに赤みがなくマットな肌質の人は、クールなイメージがあるので、ベースには黒や紺などダークカラーを選びキリっと引き締めるのもいいでしょう。
正直、肌の白い人はどんな色でも比較的似合いやすいですから、気になったものを試着してみて直感で選んでみてください。あまり迷い過ぎない方がいいです。
褐色、小麦肌の方
色白の人はどんな浴衣でもわりと似合って見えますが、褐色や小麦色の肌の人だと、浴衣の色柄によってはギャルっぽいような印象を与えることがあるので注意です。また、肌がどの程度日焼けしているかによっても違いますが、色黒なのを気にしているのであれば、あまり暗めの色はおすすめしません。
ただ、これもどんな雰囲気を演出したいかによるので、自分に似合うものが見つかるまでいろいろ試してみてください。
「浴衣&帯」は黒や紺などの濃い目の色地、原色系やエキゾチック柄、個性的な色柄ものの浴衣もおすすめ
一般的に色黒の人は黒や紺などダークカラーは避けた方がよいと言われます。暗い色やぼんやりした色だと、全体的に沈んだイメージを与えやすいのであまりおすすめできません。
無難にいくなら全体的に白っぽいものがいいですが、逆に色鮮やかな浴衣もエキゾチックな雰囲気が演出できます。白地や黄色地に朝顔など花柄の浴衣と、赤やグリーンなどの帯の組み合わせも似合うでしょう。
濃いめの色地を選ぶ場合は、思い切って大柄でビビッドなひまわり柄など強いインパクトを与えるのもありです。ただ、個性が出せるものの、やり過ぎはギャルっぽくなるので注意してください。
ただ、全体的な印象としては濃淡のはっきりした色柄にすると褐色や小麦色の肌が生えるので、帯や小物を印象的なものにしてアクセントを付けるのがよいでしょう。
暗めの色を着る時は顔まで暗く映りやすいので、ファンデーションをいつもより白めにして、頬紅も付けて健康的に見せるのがおすすめです。
顔立ちで浴衣を選ぶ場合
身長や体型、肌の色によって似合う浴衣と似合わない浴衣があるように、顔立ちの違いによっても似合いやすい浴衣とそうでない浴衣があります。
たとえば、同じ身長で体型も同じくらい、肌の白さも似たような人が二人いても、同じ浴衣を着るとAさんはきれいに着こなしているように見えるのに、Bさんはまったく似合っていない感じを与えるなんてこともあるぐらいです。それは二人の顔立ちの特徴の違いにあります。
顔立ちにもいろいろありますが、彫りの深い目鼻立ちのはっきりした顔立ち、はんなりすっきり優しい感じの顔立ち、涼しげで古典的な顔立ちと3つのタイプに分けて似合う浴衣を見ていきましょう。
目鼻立ちがハッキリした顔立ちの方
目がぱっちり二重だったり、鼻が高くて顔の凹凸がはっきりしている顔立ちの方に似合う浴衣を考えてみましょう。
目鼻立ちのはっきりした顔立ちだと洋服はわりと何でも似合うものですが、浴衣の場合、おとなしい色柄の浴衣では顔立ちに負けてしまいます。
逆に、地味な顔立ちの人ではちょっと派手かなと思うような色柄でも似合って見えるので、それを生かした選び方をしましょう。
「浴衣&帯」は濃い色や彩度の高い色、原色系や個性的な柄もOK!コントラストがはっきりしているものもおすすめ。
目鼻立ちのはっきりした顔立ちの人は、色鮮やかな彩度の高い色や、原色など濃い色の浴衣がよく似合います。
コントラストのはっきりした浴衣が似合う傾向にあり、大胆な構図の個性的な柄でも、浴衣の強い印象に負けることなく着こなせるでしょう。
色味や柄の個性が強くて目を惹く浴衣でも艶やかに装うことができるのが、顔立ちのはっきりした人の強みです。ちょっと大胆に冒険してみるのもよいでしょう。顔立ちが華やかなほど、原色系など個性の強い色柄の浴衣が女性らしい魅力を引き出してくれるものです。
たとえば、ベージュ地にオレンジドットの柄、ライトウォームアクアに黄色の柄などコントラストのはっきりしたものや、現代的な柄や太めの縦じまなどのデザインがおすすめです。帯も浴衣とコントラストを付けることで格好よくまとまります。
はんなりとした、優しい顔立ちの人
「はんなり」とは有名な京言葉ですが、その言葉の響きから柔らかくてたおやかで優しげな印象を抱く人も多いと思います。はんなりの本当の意味には、ふんわりしたかわいらしさだけでなく、洗練された美や品も含まれています。
そんなはんなりした顔立ちの方には、その個性を生かすべく、かわいさのなかにも上品な雰囲気を感じさせる浴衣を選ぶと良さが引き立つでしょう。具体的な色柄を以下に紹介します。
「浴衣&帯」は淡い色調で優しい色合いの花柄やぼかしなどがおすすめ
はんなりした優しい顔立ちの方には、浴衣も優しい色合いのものが似合います。基本的には淡い色調で花柄やぼかしなどがおすすめです。
浴衣の柄がかわいらしいと顔立ちのかわいらしさも引き立ち、また、女性らしい上品な雰囲気も醸し出してくれるでしょう。たとえば、ライトグリーンなどは色合いが爽やかで清潔感を与えると同時に、女性らしさでもある優美さを演出してくれます。
色は淡いパステルカラー系が基本ですが、個性を出したいならもう少しビビッドな色合いをワンポイントに取り入れて活発な印象を与えられるものもおすすめできます。
淡い色よりもっと派手なものが着たいという場合も、浴衣の色を全体的に派手にするより、足元に目立つ柄が入っているものを選んだり、華やかな帯を合わせたりするのがいいと思います。
古典的な顔立ちの方
古典的な顔立ちと聞くと、昔ながらの日本的美人をイメージします。目はぱっちりというより切れ長で涼やかな印象を与え、鼻筋が通りくちびるは薄め、全体的にはすっきりした感じの顔立ちです。
こういう顔立ちの人は、古典的な浴衣の柄が似合います。流行のキラキラゴージャスな浴衣より、昔からあるような伝統的な浴衣こそよく似合うでしょう。
では、具体的なコーディネートを以下に紹介しましょう。
「浴衣&帯」は深みのある落ち着いた色、古典柄がおすすめ。レトロな柄やモノトーンのものをシックに着こなすことができる。
古典的な顔立ちの人に似合うのは、深みがあって落ち着きを感じさせる色です。黒、紺、藍色、白地などモノトーンな印象の浴衣もシックに着こなせるでしょう。
特に、紺地で古典的な柄が白抜きされた浴衣は、顔の造作で着る人を選ばず、誰でも比較的簡単に着こなせます。落ち着いた印象を与えるので男性からの好感度は総じて高いです。迷った時は紺地がおすすめです。
白地も暑い夏にはよく映えますが、汚れが目立ちやすいのが難点です。また、着こなし方がまずいと寝間着っぽく見えてしまうこともあります。
白地を上手に着こなせるのはどちらかというと上級者で、初心者を含め万人向けとしておすすめできるのはやはり紺地です。ただ、古典柄の浴衣といっても今ではおしゃれなものがいっぱいあるので、お気に入りの色を選んでみてください。
浴衣と帯には様々な柄があり、それぞれ持っている意味が異なる。
浴衣と帯にはたくさんの柄があります。古典的な浴衣の柄には朝顔、百合、牡丹、桜など花柄がほとんどでしたが、最近ではそういう古典的な花柄だけでなく、ストライプやドット、チェックなど西洋からのモダン柄も増えています。
いろんな柄がありますが、古くからあるものもモダンなものも、それぞれ特別な意味を持つことをご存知でしょうか。たとえば、朝顔柄なら、巻き付くツルから連想して固い絆を表します。牡丹は気品と美しさの象徴です。
浴衣や帯の柄の意味を知れば、浴衣選びの楽しみが増えます。着て行く場所や目的によって浴衣を着替え、特別な意味を持たせるのも楽しいです。
とにかく長く愛用したい方は古典柄の紺が無難
10~20代の若い女性はビビッドな色や派手なデザインの浴衣を着ていても年齢的に許されるところがありますが、30代以上になるとあまり奇抜な浴衣は無理している感が出てしまいます。
無理に地味にする必要はありませんが、派手さよりも大人の女性にしか出せないかわいさや色気を出していきたいものです。
そんな人におすすめなのが古典柄の浴衣です。色は原色などのビビッドなものより紺、藍色、白など淡色系がおすすめです。
古典柄や絞りの浴衣なら一時的な流行に左右されず、長く愛用していけます。地がシンプルでも、帯や小物に派手な色使いをして華やかさをさりげなく演出することも可能です。
ゆかたキレイコンテスト 自信がある方は出てみよう!
第20回ゆかたキレイコンテスト全国大会 2017全国グランプリ決定!! | 参加したい -イベントやレポート- | 一般財団法人 民族衣裳文化普及協会
浴衣の着こなしや立ち居振る舞いの美しさを競う「ゆかたキレイコンテスト」というイベントが毎夏開催されています。これは一般財団法人民族衣裳文化普及協会の主催するイベントで、日本の民族衣装である着物を国内外の人に親しんでもらう目的で開催されています。
2017年には第20回大会が行われ、全国から約500名の浴衣自慢の女性が予選に参加したそうです。浴衣姿に自信のある方はぜひ出場してみてください。
「私は美人じゃないから…」という人も大丈夫です。このコンテストは容姿の美しさではなく、浴衣の着こなしや浴衣を着ての立ち居振る舞いやしぐさの美しさを競うものですから、誰にでもチャンスがあります。
必ず花火大会やお祭り、彼とのデートなどの本番前に一度着付けましょう。
浴衣の選び方を学び、あなたにふさわしい色柄の浴衣と帯や小物、下駄を用意できたら、花火大会やお祭りなどの本番前にぜひ浴衣を着る練習をしておきましょう。
着てみたら実は下着が透けていたなんてこともあるので、実際に着てみて着こなしを確かめるのは必須です。
一人で着られる自信がないという人でも、浴衣の着付けは今ではネットでも解説しているサイトがありますし、土日に通える着付け教室や駅前のワンコインレッスンなど教えてくれるところもあります。
着付けを覚えたらできればそれでご近所などを散歩してみてください。一度浴衣を着て歩く経験をしておけば、本番での安心感が違います。
まとめ
浴衣は着物より簡単に着られるので和装が初めてという方にはぴったりです。もともとバスローブや寝間着として着られていた浴衣ですので、用意するものも少なくて済みます。
ただ、女性の場合、男性の浴衣に比べて選べる色や柄が圧倒的に多く、生地の種類もたくさんあるので、何が自分に似合うだろうと迷うことも多いでしょう。
基本的には好きな色柄を選べばいいのですが、洋服よりはるかに色彩が多彩なのでふだん似合わないと思っていた色が似合うこともあります。
身長、体型、肌の色など人によって違うので、実際に顔映りなどを確かめて選んでください。一般的には、かわいい感じの人なら花柄やぼかしなどかわいい系の浴衣が、大人の雰囲気がある人なら落ち着いた色柄の浴衣が似合います。
それでも迷うという場合は、最初は紺や藍地のシンプルなベースに、花柄などの古典柄や縞模様などシックな雰囲気の浴衣がおすすめです。帯は、浴衣が派手目ならシンプルに、浴衣がシンプルなら派手目にするとよいでしょう。
浴衣を選んだら、実際に着てお出かけする前に、必ず着付けてみて着こなしを確かめてください。何度か着ているうちに不安もなくなり、浴衣にふさわしい立ち居振る舞いができるようになるでしょう。