レトロ着物は他の着物と違う？レトロ着物の特徴･色･柄《まとめ》

最近はレトロ着物が若い方を中心に人気があります。レトロ着物というと、文字通り古い着物、着古した着物というイメージがあるかもしれませんが、決してそういう古くなった着物ということではありません。

あくまでレトロを感じさせる色や柄の着物という事であり、あえてそういった着物を作る方もいますし、販売している業者もあります。

ここではレトロ着物とはどんな着物のことなのか、また種類やコーディネートについてもまとめています。

レトロ着物とは？他の着物との違い

レトロ着物とは単純に古い着物という意味ではありません。レトロとは懐古的なという意味があり、レトロ着物とはすなわち昔から使われている伝統的なデザインをあえて使って作った着物のことです。

レトロ着物に似た着物としては以下のようなものがあり、レトロ着物との違いをまとめてみました。

レトロ着物	椿や金魚、紫陽花など伝統的な柄を使った着物
古典柄着物	松竹梅・鳳凰などの吉祥模様や唐草紋や花菱などの有識文様をあしらった着物
モダン着物	ドット柄などオシャレを重視した現代的な柄の着物
レトロモダン着物	ドット柄などの現代的な柄と椿などの伝統的な柄を組み合わせた着物
アンティーク着物	大正から昭和初期に作られた着物

大正レトロ･大正ロマンの着物の特徴

大正レトロ・大正ロマンの着物とは、まさに大正時代に着られていたアンティーク着物もしくはそのデザインを模して作られた着物です。

大正時代はどんどんと西洋文化が日本に入ってきた頃で、着物の柄やデザインにも西洋の花やデザインが取り入れられてきました。つまり伝統的な和柄に洋風の柄が合わさっているのが特徴です。

また女学生などは袴にブーツを履き、髪飾りには大きなリボンといった、いわゆるはいからさんが通るのイメージです。近代的な雰囲気の中に懐かしさも感じさせるのが大正レトロ・大正ロマンの着物となります。

和洋折衷の大正レトロ・大正ロマンの着物は大正時代のファッションの中心であり、このスタイルは昭和初期まで続いていきます。

昭和レトロの着物の特徴

昭和レトロの着物とは主に昭和初期から戦前までと、戦後から平成までの時代の着物に分けられます。

昭和初期の着物は大正レトロの着物を継承しつつ、さらにモダンを強く感じさせるものとなっており、色鮮やかで大胆の着物が増えてきます。

この時代は普段着として着物を着用していたので、普段着やおしゃれ着などいろいろなデザインの着物があります。

そのため現在のデザインと比べると逆に新鮮に感じられて、改めてその良さが人気の理由となっています。戦後になると安価で鮮やかな色合いがあるウールの着物も人気になります。

ただ徐々に着物を普段着として着る文化は少なくなってきます。そのため昭和レトロを感じさせる着物とすると、昭和初期から戦前に着られていた着物という見方が多いです。

レトロ着物の色と柄

レトロ着物の特徴がその色と柄です。その色と柄の組み合わせによって人気が分かれています。ここではレトロ着物を代表とする色と柄についてまとめていますので、その特徴や意味合いなども知っておくといいでしょう。

レトロ着物の色

レトロ着物は色も特徴的で、またその色によって雰囲気や意味合いが異なります。

主なレトロ着物の色としては以下のようなものがあります。

赤	華やかなイメージを醸し出し振袖などの定番の色です。 紺や緑と組み合わせると日本人らしいモダンな印象を与えます。
白	清楚なイメージがありますが、組み合わせる色や柄によって雰囲気が変わってきます。
紺	レトロ着物の中で最も人気がある色です。落ち着いた雰囲気があり、懐かしさも感じさせます。
黄色	色の濃さでイメージは変わり、濃い黄色は大正ロマンのイメージ、淡い黄色はよりレトロなイメージになります。
黒	落ち着いた雰囲気がありますが、赤や緑と組み合わせることでよりレトロな印象になります。
緑	大正ロマン・昭和レトロな雰囲気になり、赤やオレンジならポップな印象に、薄い緑と合わせるとモダンな感じが出せます。

レトロ着物の柄

レトロ着物の大きな特徴がその柄であり、柄によって込められた意味が異なります。

以下ではレトロ着物の代表的な柄と意味を紹介します。

椿	レトロ着物で最も代表的な柄で、永遠の美という意味があり可憐な印象を与えます。
金魚	金魚は裕福・豊かさの象徴です。夏の浴衣によく似合う柄で、大人っぽくも可愛らしくもなります。
朝顔	朝顔は愛情や固いきずなという意味があります。涼しいイメージがあり夏の着物や浴衣に多いです。
紫陽花	辛抱強い愛情という意味があります。カラフルな色だと可愛らしく、モノトーンなら上品になります。
桜	新しい門出という意味があり、明るく華やかなイメージがあり振袖などに使われます。
菊	不老長寿の意味があり、日本では最も格式がある柄です。フォーマルな場面で多く使用されます。

レトロ着物のコーデに使えるおすすめの小物

レトロ着物はそれだけでも十分個性的でおしゃれではありますが、やはり着物を着る時にはコーディネートする小物も大事になってきます。

ちょっと小物を考えるだけで、よりレトロ着物の良さを引き出すこともできます。

レトロ着物に似合う小物のコーデとしては以下のようなものがおすすめです。

兵児帯	ちりめんや木綿で作られた帯で、リボン結びや花結びにするのがお似合いです。
パールアクセサリー	帯締めやカチューシャ、ピアスなどにパールをつけることでモダンになります。
レース	リボン、グローブ、足袋などをレースにすることで上品かつガーリーになります。
ベレー帽	着物や帯の色にあわせたベレー帽をかぶると、レトロ勝モダンな雰囲気になります。

レトロ着物のおすすめのアレンジ

レトロ着物を着るなら、いろいろと自分なりのアレンジも楽しみたいところです。まずは髪型です。髪型としてはレトロ着物にはガーリーでモダンな髪型がお似合いです。

例えば以下のような髪型がオススメです。

シニヨンヘアー	髪全体を後ろでまとめたヘアスタイルで、きれいすぎないラフな印象があります。
三つ編み	束を大きくとった三つ編みがよりレトロ感を出せます。またショートヘアでもOKです。
ガーリーおだんご	手ぐしでまとめたヘアで、おくれ毛をカールさせるとよりガーリーなイメージに。

また髪型以外にもレトロバッグや帽子、アクセサリー、レースなどを用いるとよりレトロにモダンな雰囲気をアレンジできますので、いろいろと試してみるといいでしょう。

レトロ着物のレンタル平均費用･相場

レトロ着物を着てお出かけしたい、もしくはSNSに載せたいという方も少なくないでしょう。

そんな方にはレトロ着物をレンタルするという方法もあります。そういったニーズに合わせて今はレトロ着物をレンタルできるショップが増えてきています。

気になるレンタル費用ですが、平均的には以下の料金が相場のようです。

レンタル+着付け	4,000円から
レンタル+着付け+ヘアセット+髪飾りや小物付き	6,000円から
カップル2名プラン、女性はヘアセット＋髪飾り・小物付き	10,000円から

レトロ着物を購入するとなると着物だけでなく帯や足袋、長襦袢などいろいろなアイテムも必要となるので、そういう費用も考えるとレンタルの方がかなりお得です。

大正レトロの着物のレンタル費用･相場

レトロ着物の中でも人気なのが大正ロマンを感じさせる大正レトロ着物です。大正レトロの着物は一般的な着物に加えて、はいからさんが通るのイメージの袴スタイルもあり今人気のスタイルとなっています。

大正レトロの着物の気になるレンタル費用ですが、平均的には以下の料金が相場のようです。

着物プラン	レンタル+着付け+ヘアセット＋髪飾り・小物付き…5,000円から
袴プラン	レンタル+着付け+ヘアセット＋髪飾り・小物付き…6,000円から
カップル2名プラン 女性はヘアセット＋髪飾り・小物付き	10,000円から

大正レトロの着物にはブーツも似合いますが、ブーツに関しては別途ご自分で用意する必要があります。この他にショップによっては人力車付きのプランなども用意しているところもあります。

まとめ

レトロ着物はそれだけでもオシャレな雰囲気がありますが、さらに柄や色、小物などのアクセサリーを組み合わせることでより個性的な印象に仕上がります。

普段着として気軽に来てもいいでしょうし、何かの記念にレトロ着物を着てみるのもいいでしょう。また最近ではSNSに載せるのも人気があります。

このようにレトロ着物は若い人たちに非常に人気があり、それに伴い着物屋さんでもレトロ着物を多く取り揃えているところも増えているので、興味がある方は利用してみるといいでしょう。