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【男性着物】羽織は『全4種類』メンズ羽織の着るシーン&着こなし術

和服は日本古来の伝統的な衣装であり、最近ではそれが少しずつ見直されてきてファッションとして取り入れられてきている風潮があります。正装としてはもちろんですが、普段着としても羽織姿の男性は粋で女性からもカッコよく見られます。

ここでは男性の羽織の種類について詳しくご説明すると同時に、場面に応じたそれぞれの羽織の着こなし方についてご紹介してまいります。ぜひ参考にして、うまく羽織を生活に取り入れて仲間に差をつけてくださいね。

目次

【男性着物】メンズが着る羽織について

着物着た男性

羽織はいわば上着のようなものであり、出かける時などにちょっと寒いな、という場合に便利なのですが、例えば結婚式など正装の場合には家紋が付いた紋付羽織を選ぶ必要があります。

もし、そうでない普段着用として着るのであれば家紋のないカジュアルなものを選ぶなど、目的に応じて使い分けるようにします。

羽織は冬は防寒着としての役割がありますが、夏の暑い時期には羽織を着ていると当然暑くなりますから、生地が薄くて通気性が良いものにするなどの工夫をするといいでしょう。

男性が羽織を着る時は必ず羽織紐を使います。これは現代で例えればスーツの時に着用するネクタイのような役割をするものです。羽織紐もその人によってオシャレをアピールする大切なポイントとなります。

男性が羽織を着るシーン

着物の着付け

現代では洋服の上にジャケットやコートを着るのが当たり前で、普段羽織を着て街を歩いている人を見かけることなどめったにありませんよね。確かに羽織は着こなしが難しいですし、その場にふさわしくない羽織を着ているとかえってマイナスのイメージを与えてしまいます。

今でも男性が羽織を着るシーンとしては冠婚葬祭や七五三、成人式やその他お祭りごとなどの場合に限られることが多いようですが、そのようなフォーマルな場面でなくても普段着として着用する人も少なくありません。

日本の古き良き伝統着なのですから、うまく着こなしさえすれば羽織を着る男性はむしろカッコよく見られるものです。高価な羽織でなくとも、例えばウールなどの生地であればお手入れも簡単で、初心者でも普段着として十分活用できます。

メンズ用の羽織着物は『4種類』

男性が使用する羽織はおもに紋付羽織、中羽織、茶羽織、十徳の4種類があるのですが、それぞれ果たしてどのような羽織でありのか、そしてどういう目的や場面で着こなす必要があるのでしょうか。以下に詳しく述べてまいります。

メンズ用の羽織着物は『4種類』

【種類1】紋付羽織

和式結婚式

結婚式など格式の高い場で男性が和服を着用する場合、単に着物に羽織というカジュアルな姿ではなく、やはり正装にすべきです。

最も格式の高い男性の第一礼装として使われる和装として用いられるのが「黒五つ紋付き羽織袴」で、ここで着用されるのが「紋付羽織」です。羽織は黒の無地で家紋が施されているもので数に決まりはありませんが色紋付は多い方が格が高くなります。

最も格調の高い「黒五つ紋付き羽織」では左右の胸の部分と両袖の後ろ側、それに背中の五か所に紋を付けたものとなっています。本来は家紋がつくのですが、レンタルで使用する場合には家紋の代わりに通紋となっています。

羽織の色は個性的なものもありますが、やはりフォーマルな場面で着用する以上黒が無難です。また羽織と長着は正絹の黒羽二重を用いるのが一般的であり、羽織紐は白の平打ち、あるいは丸紐を使用します。

【種類2】中羽織

普通、羽織といえば中羽織のことを呼ぶことが多く、袖にマチが付いていて丈は膝の上まであるのが特徴です。つまり丈が本羽織に比べると短めの丈に仕上げられていて、外出の時に気軽に着る羽織として用いられます。男性だけでなく女性も着用します。

普段着としてはもちろん、正装用としても用いられ、その場合は着物の見栄えを損なわないような落ち着きのある仕上がりのものが多いようです。とはいえ特に男性用の羽織は、正装以外でも多く着用されます。

着るときの場面に応じて色や柄を合わせなければならないのは現代も同じですが、今で言えば服装の上に着るジャケットなどのようなものであり、普段着、あるいはちょっとしたおしゃれ着としても着用することが多いです。

一般には中羽織として色や柄はこうでなければならない、という決まりは特になく自由に決めることができますし、紋もほとんどの場合つけません。

【種類3】茶羽織

着物用のコートと雨具

中羽織よりもさらに丈が短く、お尻の辺りまでの長さしかない羽織で、おもに女性が普段着用として用いられることが多いのが茶羽織です。1反の半分の生地で作ることができるため半反羽織とも呼ばれます。

もともとは茶人が着用していたことから茶羽織といわれるようになったとされていますが、実際にお茶の席で着ることはありません。見た目は中羽織と同じで単に大きさや長さが違うだけですが、さすがにこれを着て外出したりすることは少なかったようです。

あくまでも家庭内での普段着、あるいは冬に寒さをしのぐために婦人用の着衣として用いられていたようです。

外見にこだわる必要がないので家にある生地を用いて作るだけですから色や柄も地味であり、見栄えはしません。現在では、例えば温泉旅館などに宿泊する際に、浴衣などの上に着ることがあるくらいでしょう。

【種類4】十徳

茶道で男性が着用する正装が十徳であり、しかも茶道の師範など一部の限られた人だけが着ることができる由緒正しい衣類です。江戸時代には茶道だけでなく医師や僧侶、絵師なども着用していたといわれています。

いずれにしても一般庶民には縁の薄い着衣であり、その流れは今日にも受け継がれているようです。色は通常黒ですが、白い生地で織った後に黒く染めた後染と、あらかじめ黒く染めた糸で織った先染の2種類があり、後染の方が格調高い仕上がりであり好まれます。

形は羽織に似ていますが、胸の部分で紐が縫い付けられています。羽織よりもその歴史は古く、後の羽織の原型になったともいわれています。他の羽織と比べれば、何か特別の機会でもなければ、私達が着ることはほとんどないと思われます。

メンズ羽織の着こなし術!かっこよく着るなら『額裏』も考える

ポイント

羽織の表側だけでなく、裏面にもオシャレを施してかっこよく着こなす方法として、額裏にも工夫をこなした仕立てをすることがあります。羽織の裏面でも特に人目に付きやすい部分に奇麗な布を使うのですが、単に色合いだけではありません。

花、風景、動物、人物などの美しい絵柄を見事にあしらった派手な生地を用いることで、一層高級感が増すと同時にオリジナリティが溢れて自己アピールできる羽織となります。このような絵柄は一般に生地に染めたり織ったりすることで表現されます。

羽織の形や表の色や柄などはそれほど派手にすることはかえって安っぽくなってしまいますが、このように裏の部分にさりげなく、しかも思いっきり鮮やかに絵柄を表現することでむしろ高級感さえ生まれて、男性にとっては格好のアピールとなります。

まとめ

羽織はうまく着こなせば男性にとってとてもオリジナリティをアピールできます。

単に冠婚葬祭においてきちんと正装しなければならない場面はもちろんですが、カジュアルなシーンにおいても、普段着としてうまく羽織を着用して街を歩いても周囲からも一目置かれることは間違いないでしょう。

羽織姿は日本の古式ゆかしい伝統です。ぜひその場に応じた羽織を正しく選び、そして個性あふれるファッションとして自分のものにしてください。

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