着物にはいろいろな種類のものがありますが、その中でも似ているといわれるのが付け下げと訪問着です。似ているからといって同じような使い道でいいというわけではありません。まずは付け下げと訪問着の違いを知っておきましょう。
ここでは付け下げと訪問着の違いについて、見分ける3つのコツを解説しています。また付け下げと訪問着それぞれがどのような場面に着用するのが適しているのかも紹介しているので、参考にしてみてください。
着物にはいろいろな種類のものがありますが、その中でも似ているといわれるのが付け下げと訪問着です。似ているからといって同じような使い道でいいというわけではありません。まずは付け下げと訪問着の違いを知っておきましょう。
ここでは付け下げと訪問着の違いについて、見分ける3つのコツを解説しています。また付け下げと訪問着それぞれがどのような場面に着用するのが適しているのかも紹介しているので、参考にしてみてください。
着物にはいろいろな種類のものがありますが、その中でも似ているといわれるのが付け下げと訪問着です。似ているからといって同じような使い道でいいというわけではありません。まずは付け下げと訪問着の違いを知っておきましょう。
ここでは付け下げと訪問着の違いについて、見分ける3つのコツを解説しています。また付け下げと訪問着それぞれがどのような場面に着用するのが適しているのかも紹介しているので、参考にしてみてください。
着物の付け下げと訪問着は非常に似ているのですが、詳しい人が見ればすぐにわかるもので間違った場面で着ていかないようにしましょう。まずは、付け下げと訪問着はどのように違うのかしっかり知識として覚えておきましょう。
着物の付け下げは太平洋戦争中に誕生したオシャレ着の和服です。戦時中は贅沢が禁止されていましたので、金糸や銀糸で彩られた高級な訪問着も使用が禁じられました。その代用品として訪問着を模した染めの着物として誕生したのが付け下げです。
見た目の豪華さは訪問着の方が上ですが、それを模して作られた着物ですから付け下げもそれなりの豪華さがあるよそ行き着物になります。そのため小紋よりは格が高くなり、訪問着と小紋の中間に位置する着物です。
付け下げは模様や帯などによっても着ていく場面は変わってきますが、主に以下のような場面に適した着物になります。
訪問着とは大正時代初期に三越百貨店が名付けて売り出した着物で、黒留袖、色留袖に次ぐ格の女性の正装になります。正装の一つですので、フォーマルなシーンで席はもちろんややフォーマルな席でも着ていけます。ただし結婚式での親族は避けたほうがいいでしょう。
同じ正装である留袖は裾周りにのみ柄が入っているのが特徴ですが、訪問着は肩や胸のあたりまで柄が入っており、非常に華やかな印象を与えられる特徴があります。
もちろんデザインや柄もいろいろあるので、それによって用途は若干異なりますが、主に以下のような場面に適した着物になります。
付け下げは訪問着を模した着物ですので、似ている部分は多いです。ですがその中でも大きな違いがあります。それが着物の模様の入り方です。着物模様の入り方として以下の違いがあります。
訪問着 | 模様がつながった絵羽模様 |
---|---|
付け下げ | つながった模様がない |
絵羽模様とは着物を仕立てる際に仮縫いをして不自然がないように模様をつけ、その後にほどいてから染色し本縫いをして仕立てています。
そのため柄が裾部分と衿元から袖にかけて一つに繋がった柄が広がっており、非常に豪華で華やかな印象があるのです。
一方、付け下げは反物のままそめているので、模様は繋がっていないのです。そのため訪問着と比べると華やかさも抑えられた印象があります。
訪問着と付け下げでは格が違う、そして付け下げは訪問着を模したもので柄が控えめということもあり、値段や価格にも差が表れています。
とはいっても付け下げでも高価なものもありますし、訪問着でも安価なものもあるので、一概にどちらが高価とも言い切れない部分もあります。
一般的な訪問着と付け下げの値段は以下の通りです。
訪問着 | 15万円から200万円以上 |
---|---|
付け下げ | 10万円から100万円 |
訪問着は仕立てる時点での手間もかかっていますし、柄の豪華さもあるので、もし同じ素材で同じような柄で仕立てたとしたら、一般的には訪問着は付け下げの2倍くらいの価格になるようです。
付け下げは訪問着を模したものということもあり、非常に見分けが難しい時もあります。ただそんな時には訪問着と付け下げを見分けるポイントがあります。以下の3つのコツを覚えておけばきっと見極められるはずです。
訪問着と付け下げを見極めるポイントの1つが着物の柄です。訪問着は絵羽模様という着物全体に繋がった柄があるのが特徴で、着物を広げると一枚の絵のようになっています。そのため付け下げに比べると非常に豪華でダイナミックに見えます。
その一方で付け下げは反物の段階で染めていくので、柄が縫い目にかからないのが特徴です。そのため付け下げは柄が飛び飛びでつけられたり、訪問着に比べると柄がこじんまりとしている印象があります。
とはいえ最近では裾の部分の柄がつながった付け下げ訪問着といった付け下げだけど訪問着に似ている見えるものもあります。ただそんな時でも縫い目に確認して柄がまたがっているかを見れば判断できるでしょう。
訪問着と付け下げでは着物の格が違います。訪問着は準礼装と呼ばれるもので黒留袖、色留袖に次ぐ正装になります。一方で付け下げは訪問着に似ているといっても、あくまでもオシャレ着扱いになります。
普段着として着用する小紋よりは格が上になるでしょうが、訪問着と比べれば格は下がってしまいます。ただ付け下げでも訪問着に近い柄で袋帯や格の高い名古屋帯を合わせれば準礼装として用いることもあります。
それでもあくまでオシャレ着ですから訪問着と比べれば格は下がってしまいます。そのため結婚式のような華やかな場面に着ていくならやはり訪問着で、フォーマルよりもカジュアル寄りのパーティーなどには付け下げといった使い分けをするといいでしょう。
訪問着と付け下げを見極めるコツとしては見た目や形で判断する方法があります。まず着物を購入する際ですが、付け下げの場合は仕立て前の状態、つまり反物のまま売られていれば付け下げと判断していいでしょう。
なぜなら訪問着はある程度仕立て上がった状態、つまり着物として出来上がった状態で衣桁と呼ばれる家具に掛けられて飾ってあることがほとんどだからです。ただ付け下げも仕立てられた状態で飾られている場合もあります。
その時には仕立てられているから訪問着である、とは断定できません。ただその場合にも柄に注目すると比較的見極めやすいです。
付け下げには裾周りがつながった柄が入っている付け下げ訪問着というものもありますが、その場合でも衿や胸までは繋がっていないケースが多いので、そこで判断もできます。
このように付け下げと訪問着は格が違いますし、着ていく場面も異なるので、しっかりとその違いを把握して着用しないと失礼になってしまうこともあります。今は付け下げ訪問着といった訪問着のより近い付け下げもあるので注意が必要です。
ただぱっと見似ている付け下げと訪問着ですが、見分けるポイントやコツを知っていれば判断するのはそれほど難しいことではありません。価格だけでは判断できませんので、間違って購入したり着用したりしないようにしましょう。
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