着物買取で【がっかりは当たり前】査定が安すぎる理由と納得できる業者選び
着物を査定に出したとき、「思っていたより安い」とがっかりした経験がある人は多くいます。
結論から言えば、その原因は「着物の購入価格と買取価格の仕組みがまったく別ものだから」です。中古市場では「今、買いたい人がいるかどうか」で価値が決まります。
全日本きもの振興会の報告でも、和装業界全体の市場縮小と着用機会の減少が続いていると記されています。
当編集部が着物買取サービスを利用した男女233人に行ったアンケート調査では、約41%の方が「想定より安くがっかりした」と回答しています。
この記事では、着物買取でがっかりしてしまう主な理由と、納得できる取引につなげるための具体的な対策をわかりやすく解説します。
本記事は着物堂(運営:株式会社LIF)が制作・編集し、監修者(古物商許可証を持つ会員(奈良県公安委員会 第641180000388号))が内容を確認しています。記事内の情報は公開時点のものであり、十分な調査のもと掲載しておりますが、内容が最新の情報と異なる可能性があります。
着物買取でがっかりする人が多い理由

着物を査定に出したとき、思った以上に低い金額を提示されてがっかりした経験がある人は少なくありません。
とくに親や祖母から受け継いだ着物に対して、ある程度の価値を期待していた場合、その落差は大きなショックにつながります。
ここでは、着物買取でがっかりしてしまう主な原因を4つに分けて解説します。

1. 購入価格との落差が想像以上に大きい
着物買取でよく聞くのが、「数十万円で買った着物なのに、査定は数百円だった」という声です。実際、編集部でも十数万円で仕立てた訪問着を査定に出したところ、価格は1,000円に届かず驚いた経験があります。
この落差が生じる一番の理由は、「着物の購入価格=買取価格」ではないという現実にあります。
新品購入時には反物代・仕立て代・加工費・販売手数料などが上乗せされており、その価格には新品としての価値が含まれています。しかし中古市場では、実際に再販できる価値、つまり「その着物を買いたい人がいるかどうか」が査定額を左右します。
さらに、着物は年齢や体型に合わせた寸法で仕立てられているため、リユースの幅が狭くなりやすい点も、価格が下がる要因のひとつです。

買ったときの金額を覚えているほど、査定額とのギャップに落胆しやすくなります。
2. 査定額を下げる要因が複数重なるケースが多い
着物の査定では、一つの理由だけで価格が下がることはほとんどありません。実際には、複数の小さな要因が重なって評価が下がっているケースが多く見られます。
たとえば、次のような条件が重なると、個々の減点は小さくても最終的な査定額は大きく下がります。
- 保管中の湿気でカビ臭がある
- サイズが小さく再販が難しい
- 証紙が見つからない
- 素材が化繊で需要が少ない
編集部が複数の業者で査定を受けた際も、1社目では「シミあり・証紙なし・丈が短め」と指摘され、2社目では「状態は良いが需要が低い柄」と言われるなど、評価の軸が業者によって微妙に異なっていました。
それでも共通していたのは、複数のマイナス要素が重なって総合的な価格が下がっているという点です。
着物を売る前に、汚れや臭い、付属品などを一度チェックしておくことが、納得できる取引につながります。
3. 着物市場の縮小で再販価格が安くなりやすい
着物の査定額が思ったよりも安くなる背景には、中古着物の市場規模そのものが縮小しているという大きな流れがあります。和装離れが進んだ今、日常的に着物を着る人は限られており、リユース品としての需要も年々減少しています。
経済産業省の統計でも、和装業界全体の出荷額は長期的に減少傾向にあり、中古市場もそれに比例する形で縮小しているのが実情です。特にフォーマル用の着物や派手な色柄のものは、現代の暮らしや好みに合わず、売れていないのが現場の声です。



編集部でも、成人式に着用した振袖を査定に出した際、「現在はレンタル利用が主流で、このタイプは買い手がつきにくい」と説明を受けました。
素材や状態以前に、需要の低さが価格に直結してしまうというのは、見落とされがちなポイントです。
たとえ高額で購入した着物でも、「今売れるかどうか」という視点で判断されるため、再販ルートの限られた品物はどうしても評価が伸びにくくなります。
4. リサイクルショップなど査定員の知識不足が影響する場合も
着物の価値は、見た目だけでは判断できない繊細な要素が多く、査定には専門的な知識が不可欠です。しかし、すべての査定員が和装に精通しているとは限らず、知識の浅い査定担当者に当たったことで、本来の価値が評価されなかったというケースも実際にあります。
着物は素材や産地、作家の落款、仕立て、保管状態など多角的に評価されるべきものですが、それらを正確に判断できる査定員は限られています。
特にリサイクルショップや総合買取業者では、着物の専門査定員が在籍していないことも少なくありません。
納得できる価格で売却するには、「誰が査定するか」まで意識して業者を選ぶことが大切です。
査定額が100円以下になる着物の特徴


「まさかの100円だった」とか「値段がつかないと言われた」といった声は、着物買取を利用した人の間で珍しくありません。
こうした査定額は、決して査定員の気まぐれではなく、きちんとした理由があって付けられています。
ここでは、実際の買取現場でよく見られる100円以下になる着物の特徴を4つに分けて整理していきます。
1. 素材がポリエステルなどの安価な着物
着物の素材は、査定額に大きく影響します。とくにポリエステル製の着物は、どれだけ状態が良くても100円以下の査定になることが多いのが実情です。
理由は単純で、仕入れても売れない、販売価格がそもそも安いからです。
ポリエステルの着物は、洗える着物やカジュアル用として気軽に使える一方で、需要も価格も限定的です。リユース市場ではすでに大量に流通しており、あえて中古で仕入れるメリットが業者側に少ないため、ほとんど値段がつかないという結果になります。
たとえ着用感がなくても、素材がポリエステルの場合は価格を期待しすぎない方が現実的です。


2. シミやほつれなど状態が悪いもの
着物の査定では、見た目の美しさや保管状態が大きな判断材料になります。とくにシミ・カビ・変色・臭い・ほつれといった「劣化のサイン」がある場合、たとえ元が高価な着物であっても査定額は一気に下がってしまいます。
これはリユース市場で再販する際、メンテナンスに費用がかかるだけでなく、買い手がつかない可能性が高いからです。着物のクリーニングや仕立て直しは専門技術が必要で、業者にとっては大きな負担となります。
そのため、少しでも修復が必要と判断された着物は、仕入れ自体を控えるか、100円以下の査定になるケースが多くなります。
3. 証紙やブランド性がなく再販が難しい
着物の査定において、証紙や作家名・産地を証明するものがない場合、再販の価値が判断しにくくなり、結果的に評価が大きく下がってしまうことがあります。
特に無銘の着物や、大量生産された既製品は、状態が良くても「どこの誰が作ったかわからない」というだけで買い手がつきにくく、100円以下の査定も珍しくありません。
証紙とは、たとえば「本場大島紬」や「結城紬」など、伝統的な産地の正規品であることを示す発行元の証明書であり、これがあるかないかで価格は大きく変わります。
また、着物作家の名前やブランド(千總、龍村美術織物など)が明記されているものは、美術的価値や希少性があるため、査定額が上がりやすくなります。
一方で、こうした情報がまったく残っていない着物は、どれほど状態が良くても「相場が判断できない品」として、リスク回避のために安く見積もられてしまいます。



証紙を保管していない場合でも、購入時の明細書やタグ、仕立ての記録が残っていれば、査定時に一緒に出すことで再販価値の裏付けにつながる可能性があります。


4. サイズ・柄・年代が需要と合っていない
着物は「仕立てられた人に合わせた一点もの」であることが多く、そのサイズや柄が現代の需要とずれていると、たとえ高品質であっても買い手がつかず、査定額は極端に低くなります。
特に身丈・裄丈が短い着物は、着られる人が限られるため、中古市場での流通が難しく、結果的に100円以下の査定になりやすい傾向があります。
具体的には、身丈が150cm前後・裄丈が60cm未満の着物は「小さすぎる」と判断されやすく、再販しても買い手が見つからない可能性が高くなります。業者によっては「寸法だけで仕入れ対象外」とするケースもあり、査定額がゼロになることも珍しくありません。
また、昔ながらの華やかすぎる柄や、年代を感じさせる色合いのものも、現代の好みに合わないことが多く、敬遠される要因となります。
さらに、礼装用の金銀の刺繍が入った着物や、花嫁衣装に近いものも、日常着やレンタル向きではないため、再販の難易度が高くなります。仮に高級素材であっても、「買う人がいない=売れない」という判断で、査定はかなりシビアになります。
評価されやすい着物の特徴


着物の査定で満足のいく金額を引き出すには、「どんな着物が評価されやすいのか」を知っておくことが大切です。
高価なもの=高く売れるとは限らず、市場での需要や再販のしやすさが価格を大きく左右します。
ここでは、実際に買取業者から高評価を受けやすい着物の特徴を紹介します。
1. 人気作家や有名産地の着物
着物の査定において、最も評価されやすい要素のひとつが「作り手や産地の信頼性」です。
特に、著名な作家による作品や、伝統的な織物産地で作られた着物は、中古市場でも需要が高く、高評価につながりやすい傾向にあります。
具体的には、本場大島紬・結城紬・牛首紬・加賀友禅・京友禅などが代表的で、これらの産地名が明記された証紙があると査定時にしっかり評価されます。
また、人間国宝や有名作家による着物は、美術的な価値も加味されるため、一般的な既製品とは一線を画す価格になることもあります。



編集部でも、祖母から譲り受けた本場結城紬を査定に出したところ、「希少な産地かつ状態が良い」として、他の訪問着や小紋とは別格の評価がついた経験があります。
証紙があったことで正規品として扱われ、納得のいく価格が提示されました。
一方で、同じような柄でも産地や作家の情報が不明な場合は、「量産品の可能性がある」として査定が控えめになる傾向があるため、証紙や購入時の記録が残っていれば、必ず一緒に出すことをおすすめします。
2. 丈が長く色柄が落ち着いたもの
現在の中古着物市場では、丈が十分にあり、落ち着いた色柄の着物がとくに高く評価される傾向があります。その理由は、再販しやすく、着る人の年齢層や用途を問わない汎用性の高さにあります。
丈が長い着物は、身長の高い人にも対応できるうえ、仕立て直しもしやすいため、買い手がつきやすいのが特徴です。
裄丈(ゆきたけ)が65cm以上、身丈が160cm前後あると、現代の標準体型にもフィットしやすく、買取業者でも再販しやすい商品として扱われます。
また、色柄が落ち着いている着物、たとえば地味すぎず派手すぎないグレーやベージュ、上品な小花柄などは、フォーマル・カジュアルを問わず幅広いシーンで使えるため、需要が安定しています。
3. 未使用品や状態が良いもの
着物買取では、「未使用に近い状態」や「保存状態が非常に良好なもの」が、他の条件よりも優先的に評価されることがあります。
たとえ有名作家の作品でなくても、使用感のない綺麗な着物であれば、「そのまま再販できる」と判断され、査定額が上がりやすくなります。
とくに高く評価されるのは、折りジワや変色がなく、裾や襟元に汚れが見られないもの。防虫剤やカビ臭といったにおいの残りもなく、梱包も丁寧であれば、業者側としても再販までの手間が少ないため、価格に反映されやすくなります。
素材や作家の価値がなくても、保存状態ひとつで見直されることは多くあります。売却を考えているなら、風通しや陰干しなどの簡単なメンテナンスをしてから査定に出すだけでも、結果は大きく変わる可能性があります。
二束三文で手放さないための注意点


「二束三文で買い取られてしまった」とか「ほとんどタダ同然だった」と感じる着物買取の失敗は、事前の知識があれば防げたケースも多くあります。
大切な着物を納得のいかない価格で手放してしまうのは、誰にとっても避けたいものです。
ここでは、二束三文にならないために最低限知っておきたい判断ポイントを整理して解説します。
1. 買取相場を確認する
着物を売る前に、相場感を持っておくことは非常に重要です。とくに思い入れのある着物であればあるほど、主観的な価値と市場での再販価格との間にギャップが生まれやすくなります。
そのギャップを埋めるには、「いま、この着物がいくらで売られているか」、「どのような着物が高く評価されているか」を知ることが欠かせません。
相場を知る方法としては、リユース着物を扱うネットショップやオークションサイトで、似たような着物の販売価格を確認するのが有効です。
また、複数の買取業者から見積もりを取ることで、自分の着物がどの程度の評価を受けているのか、より客観的に判断できます。
感覚ではなく、事実ベースで価値を把握しておくことで、「思ったより安かった」というがっかりを防ぐことができます。
2. 安く見積もられやすい業者に売らない
着物の査定額は、業者によって大きく異なることがあります。とくに注意したいのが、「着物の専門知識を持たない業者」や「再販ルートを持たない業者」に依頼してしまうケースです。
こうした業者では、着物の本来の価値が正しく評価されず、結果として二束三文での査定になることが少なくありません。
具体的には、総合リサイクルショップや骨董品を広く扱う業者の中には、着物の価値を見極めるノウハウが乏しく、状態や証紙の有無だけで判断してしまう担当者もいます。
また、店頭での販売しかルートを持っていない場合、売れる着物の基準が限られており、需要の幅が狭いために査定が厳しくなる傾向もあります。
安く見積もられるのは、着物に価値がないのではなく、業者側が価値を見抜けていない可能性があるという視点を忘れないことが大切です。


3. 値段がつかない場合の別の活かし方
着物を査定に出した際、「価格がつかない」や「無料引き取りになる」といった結果になることは珍しくありません。だからといって、がっかりしてそのまま処分してしまうのはもったいないケースもあります。価格がつかない着物にも、別の活かし方があるからです。
たとえば、地域のNPOや福祉団体、舞台衣装に使う団体などが着物の寄付を受け付けている場合があります。
とくに状態が良いものや珍しい柄の着物は、再利用や展示用として重宝されることもあるため、社会貢献につながる選択肢となります。
また、着物リメイクを行っている店舗や個人に譲ることで、バッグや洋服、雑貨に生まれ変わる道もあります。
4. 処分か売却かを見極めるポイント
着物を手放すとき、「売るべきか、それとも処分すべきか」で迷う人は多くいます。大切なのは、手元にある着物が売れる着物かどうかを客観的に見極める視点を持つことです。
無理に買取に出して納得できない金額になるくらいなら、別の方法を選んだ方が良い場合もあります。
見極めのひとつの基準となるのが、次の3点です。
- 正絹(しょうけん)かどうか
- 証紙があるか
- 状態が良好か
これらがそろっていれば、買取での価格もある程度期待できますが、逆にポリエステル素材・証紙なし・カビやシミが目立つ状態の場合は、価格がつかないことも多いのが現実です。
査定でがっかりしないための対策


ここまで見てきたように、着物の査定額は素材や状態だけでなく、市場の需要や業者の見極め方によっても大きく変わります。
だからこそ、事前にできる準備や工夫をしておくことで、思ったより安かった、もっと高く売れたかもしれないと後悔するのを防ぐことができます。
ここでは、査定で失敗しないために実際に効果があると感じた4つの対策を紹介します。
1. 売る前に付属品や証紙を揃えておく
着物を査定に出す際は、着物本体だけでなく、付属品や証紙類も一緒にそろえておくことで査定額が上がる可能性があります。
とくに証紙は、その着物が本物であることを示す重要な証明書であり、再販時の信頼性につながるため、査定する側にとっても評価しやすくなります。
また、共八掛・帯・帯締め・帯揚げなどの付属品がセットになっている場合、それぞれを単体で売るよりも「一式まとめて」のほうが再販価値が高まりやすく、査定額に上乗せされることがあります。
状態が良く、柄のバランスが合っていればなおさらです。
査定に出す前は、「着物本体+関連アイテム」を一度整理し、可能な範囲でそろえておくことが、がっかりしない売却への近道になります。
2. 査定時期や買取方法を見直す(出張・宅配・持ち込み)
着物を売るとき、いつ・どの方法で査定に出すかによって、買取価格に差が出ることがあります。つまり「どこに出すか」だけでなく、「いつ、どの手段で出すか」も大切な判断軸です。
まず時期については、七五三・成人式・卒業式・入学式など和装の需要が高まる時期の前は、買取価格も安定しやすい傾向があります。特に秋から年明けにかけては、訪問着や振袖の動きが活発になるため、再販しやすい=業者側も強気で仕入れるという構図が成り立ちます。
また、買取方法にも特徴があります。宅配買取は気軽に利用できる反面、着物の状態や質感が査定員に伝わりにくく、減額されるケースもあります。
一方で出張買取は、直接査定員が状態を確認できるため、証紙の価値や仕立ての良さなどが伝わりやすく、査定が適正に反映されやすい傾向にあります。
3. 着物専門業者を選ぶことで適正評価につながる
着物を正しく評価してもらうには、やはり着物に特化した専門業者に査定を依頼することが欠かせません。
総合リサイクルショップやブランド品の買取業者でも着物は扱っていますが、そういった業者では和装の知識が乏しい査定員が対応することもあり、本来の価値が見落とされるリスクがあります。
専門業者であれば、素材・産地・作家名・証紙・仕立ての質といった要素をきちんと評価する体制が整っており、たとえば「証紙の意味が伝わらなかった」や「落款を見落とされた」といったことが起こりにくくなります。
また、専門業者は再販ルートを豊富に持っているため、他社では値がつかないような着物でも用途を見出してくれることがあり、売れないとされがちな着物にもしっかり対応してくれるのが強みです。
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4. 複数業者の見積もりで価格の相場感をつかむ
着物を買取に出す際に「最初に見てもらった業者だけで決めてしまう」のは、非常にもったいない判断です。なぜなら、業者によって査定基準や再販ルートが異なるため、同じ着物でも提示される金額に差が出ることが珍しくないからです。
たとえば、着物専門業者Aでは「証紙付きの訪問着で評価できる」と言われても、総合買取業者Bでは「需要が読めないため控えめな金額に」と査定されることもあります。どちらが正しいというよりも、それぞれの業者が持つ販路や得意とするジャンルが異なるため、結果にばらつきが出るのです。
複数社に査定を依頼することで、相場の目安がわかり、安すぎる提示に対しても冷静に判断できるようになります。出張査定・宅配査定の両方をうまく活用すれば、自宅にいながらでも比較は可能です。



一度の査定で即決せず、最低でも2~3社は見積もりをとる。これが、がっかりを防ぐための現実的かつ効果的な方法です。


値段がつかない・断られる着物の扱い方


査定に出した着物が「値段がつかない」と言われたり、「買取対象外」として断られたりするケースは決して珍しくありません。
状態や素材、需要の問題など、理由はさまざまですが、そうしたときに「仕方ない」とあきらめる前に、別の選択肢を検討してみる価値は十分にあります。
ここでは、買取が難しい着物に対して考えられる対応策や、納得して手放すための視点を3つに分けて紹介します。


1. 処分・寄付・リメイク
着物に値段がつかなかったからといって、そのまま捨ててしまうのは惜しいことです。状態や素材によっては、処分以外にも「活かす方法」がいくつもあります。中でも代表的なのが、寄付とリメイクという選択肢です。
寄付の受け入れ先としては、地域の福祉施設やNPO団体、学校の和装体験イベントなどがあります。
たとえば、着付け教室の教材や、舞台衣装、撮影用の衣装として再活用されるケースもあり、「使い道がある」と判断されると、無料でも喜ばれることがあります。
一方、リメイクという方法も近年注目されています。着物の生地を使ってバッグや洋服、テーブルランナー、クッションカバーなどに生まれ変わらせることで、新たな価値を持たせることができます。
リメイクを専門とする店舗や作家に依頼すれば、自分では処分しにくい着物も、別の形で長く使い続けられる可能性があります。
2. 無料引き取り
着物の買取査定では、状態や需要によって「無料引き取り」と判断されることがあります。たしかに金額がつかないとがっかりしてしまうものですが、状況によっては引き取ってもらえるだけで助かるというケースも少なくありません。
たとえば、カビ臭やシミが強く、自宅での保管が難しい場合や、処分に手間がかかる大量の着物を一度に整理したい場合などは、無料引き取りが現実的かつ手間のかからない手段になります。
とくに出張買取の場合、自宅まで来てその場で査定・引き取りをしてもらえるため、高齢の方や遠方への発送が難しい人にとっては大きなメリットです。
もちろん、本来価値がある着物まで無料で引き取られてしまうのは避けたいですが、条件によっては「ただ捨てるよりも有意義な選択」になることもあります。
3. 買取に出すべきでない着物の見分け方
すべての着物が買取に適しているわけではありません。中には売ろうとしても値段がつかない、業者に断られてしまう、という着物も多く存在します。
無理に査定に出す前に、あらかじめ見極めておくことで、手間やがっかりを減らすことができます。
- ウールや化繊(特にポリエステル製)
- 丈が短すぎる、裄丈が狭い
- シミ・カビ・変色・破れなどのダメージ
こうした状態の着物は、リメイク素材や寄付、装飾用など別の用途を検討するほうが現実的です。
「売る価値がある着物」と「別の形で活かすべき着物」を見分ける視点を持っておくことで、無理に買取に出して失望するリスクを減らすことができます。
まとめ|着物買取でがっかりしないために知っておくべき5つのポイント
これまでの記事内容を整理すると、着物買取でがっかりしてしまう背景には、いくつかの共通した原因と対策が見えてきます。
主要な要因と対策を下の表にまとめました。
購入価格と買取価格の落差 | 中古市場では「需要」が基準。購入額との比較ではなく、今の再販価値を基準に考える。 |
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小さなマイナス要素の積み重ね | シミ・臭い・証紙の欠如など複数要因で減額されるため、事前に状態チェックを行う。 |
着物市場の縮小 | 和装需要そのものが減少傾向。売却タイミングや販路選びを慎重にする。 |
査定員の知識不足 | リサイクルショップではなく、着物専門の査定員がいる業者を選ぶ。 |
買取のがっかりを防ぐための実践ステップとして、次の流れを意識して準備すると、納得のいく取引につながります。
ネットのリユースショップやオークションで、似た着物の販売価格を確認し、事前に相場感を持つ。
帯や共八掛、証紙などをセットにして出すと再販価値が上がりやすい。
査定員の知識が結果を左右するため、和装専門の買取業者を選ぶ。編集部が体験したように、同じ着物でも専門業者では査定額が数倍になったケースもある。
最低でも2~3社を比較し、極端に低い査定を避ける。出張買取を活用すれば手間も少ない。
買取対象外の着物も、決して「無価値」ではありません。素材や状態によっては、次のような活かし方があります。
- 状態が悪いもの:リメイク素材(バッグ・洋服など)として再利用
- 着用困難なもの:福祉施設や学校への寄付
- 保管困難なもの:無料引き取りサービスを利用
着物を売るときに大切なのは、買った金額ではなく「今の市場で求められている価値」を正しく理解することです。
素材・寸法・証紙の有無を見直し、複数の着物買取専門業者へ比較査定を依頼すれば、想像以上の価格がつくこともあります。



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