【中村勝馬】買取価格はいくら?査定相場より高く売るコツ&業者選び
着物買取で高額の査定が出やすいのが、伝統工芸品と作家物の2つです。どちらも高額で販売されることが多いので、買取額も高くなって当然だと言えるかもしれません。ただ作家物はより人気のある人の着物ほど高くなります。
ここでは中村勝馬について詳しく見ていきましょう。人間国宝にも認定されている人物で、東京友禅の第一人者とも呼ばれています。そんな中村勝馬の着物について、買取額なども含めて詳しく調べてみました。
人間国宝である「中村勝馬」とはどんな作家?
中村勝馬とはどのような人物なのでしょうか。その来歴を確認してみます。明治28年に北海道の函館市で生まれています。その後両親とともに岩手へと引っ越すのですが、父親の死によって東京へと移ったそうです。
東京では川端画学校へ入学し、日本画を学びました。その後に増山隆方に指示して、友禅の技法や着物の図案などを学びます。
その後に結婚をきっかけに愛知県に移住し、独立して名古屋松坂屋の専属として着物の制作をスタートさせました。数々の作品を制作するだけではなく、戦後の工芸技術の復興にも積極的に参加したことでも知られる人物です。
1955年には重要無形文化財の認定を受け、人間国宝として認められました。その後も友禅の技法を発展・普及させることに尽力してきた人物です。新しい技法を確立させるのではなく、伝統的な友禅の技法をベースとしているのが魅力とされます。
東京友禅(江戸友禅)とは?
では東京友禅とはどういうものなのでしょうか。もともと友禅は京都にて行われた染色技術のことです。その後に京都で友禅を確立した人物が加賀へと渡り、加賀友禅が発展していきました。
江戸時代には参勤交代があったことから、これらの着物が江戸へも持ち込まれて作られるようになったのが江戸友禅です。京友禅・加賀友禅・江戸友禅の3つを合わせて三大友禅とも呼ばれています。
友禅は各地の特徴を上手く取り入れてローカライズされているのも特色です。特に江戸友禅は、江戸の町人文化にあった粋や、侘びといった概念の影響を受けているのが魅力だとされています。
- 色数が少ない
- すっきりしたデザイン
- 渋めで都会的
などのような特徴があるでしょう。京友禅や加賀友禅とも違う特色としては、白上がり技法も有名です。渋い色と合わせて糊を置き、色染めしなかった白い部分をデザインとして活かす技法になります。
京友禅との違い
では東京友禅と京友禅にはどんな違いがあるのかも確認します。京友禅には以下のような特徴があります。
- 着物全体にデザインがある
- 各工程が分業制である
- 有職文様や御所解模様など雅なものが多い
- 金箔や刺繍などを使った豪華なデザイン
といった形になっています。公家や豪商などが好んでいた着物であることも影響したデザインに特徴があるでしょう。他方で東京友禅とは以下のような違いがあります。
- デザインは比較的にシンプルである
- 着物全体ではなく、余白を活かす構成
東京友禅は比較的にシンプルなデザインが多いです。また着物全体に模様を入れるのではなく、一部にのみ留めたものが多く見られます。余白を活かすデザイン構成だと言えるでしょう。
加賀友禅との違い
次に加賀友禅と東京友禅の違いについても確認しましょう。先ずは加賀友禅の特徴をまとめてみます。
- 1人の職人が基本的に最後まで仕上げる
- 写実的なデザインである
- モチーフは動植物
- 加賀五彩が用いられる
- 金箔や刺繍はほとんど見られない
京友禅と違い、加賀友禅は1人の職人が最後まで仕上げるのが特徴です。またデザインされるのは動植物となり、それらが写実的に描かれています。また加賀五彩といって5色がベースなのもポイントでしょう。
では東京友禅との違いを見ていきます。
- 東京友禅には金箔や刺繍を使った豪華なものもある
- 色味が比較的に地味である
加賀友禅は加賀五彩を使った、彩りが豊かなデザインです。他方で東京友禅は渋めの色を使うことが多く、比較的に地味な印象のものが多いでしょう。ただ金箔や刺繍を使ったデザインもあるのがポイントです。
中村勝馬の着物の特徴
中村勝馬の着物にはどんな特徴があるのかも確認します。伝統的な友禅の技法をベースとして、氏自身の感性による独自の配色が見られるのです。独特な配色によって優雅な仕上がりになっています。
- デザインは左右非対称である
- 躍動感のある構図が使われる
- 着物に自身の落款を取り入れている
というのが特徴になるでしょう。中村勝馬のベースは東京友禅であるのは間違いありません。そこから逸脱するのではなく、無線伏せや叩き糊などの新しい技術を使うことで、現代的なデザインに仕上げるのが魅力でしょう。
その作品は美術館に所蔵されているほどで、芸術的な価値も高いと認められているのが特徴です。
中村勝馬の着物の買取査定はどれくらいか?買取価格平均相場と買取実績
次に中村勝馬の着物を買取してもらうのなら、どの程度が平均的な相場なのかも見ておきましょう。
- 一般的なものだと2万円~4万円程度
- 状態の良いもので10万円以上
というのが一般的な相場になります。主に昭和の半ばから終わりにかけて活躍していた作家だけに、美品の状態で残っている着物の数は多くありません。
それだけに希少性が高いので、もし美品の着物があれば10万円以上の高額買取に期待が持てます。
中村勝馬の着物どう売る?店頭(持ち込み)・宅配・出張買取メリットとデメリット
【方法①】注意!店頭(持ち込み)買取でリサイクルショップや古着屋はNG
着物買取ではリサイクルショップに持ち込む人も少なくありません。店頭に持ち込むだけなので気軽に利用できるのですが、実はおすすめの方法ではないのです。
なぜなら着物買取の知識を持つスタッフが在籍する可能性が低いため、適正価格での査定にはなりにくいからです。
【方法②】宅配買取は準備が大変?キャンセル時の返送料は自己負担か
最近では宅配買取を利用する人も増えました。コロナ禍の影響などもあるのでしょうが、こちらもおすすめはできません。
- キャンセル時の返送料がかかることがある
- 準備をするのが大変である
手間暇がかかるので、それを理解した上で利用しなくてはいけません。
【方法③】出張買取がおすすめ!着物買取専門業者が自宅で無料査定
着物買取で最もおすすめなのが出張買取です。しかも着物買取を専門とする業者を選ぶと良いでしょう。なぜ出張買取なのかは以下のような理由があるからです。
- 着物をダンボールに詰めなくても良い
- 着物買取の知識を持ったスタッフが鑑定してくれる
- キャンセルしても費用がかからない
仮にキャンセルしても費用がかからないケースがほとんどなので、もし買取額が気に入らないのなら遠慮なく断っても問題ありません。
中村勝馬の着物を高く売るなら口コミ評判の買取専門業者『バイセル』がおすすめ
中村勝馬の着物を実際に売却した方の口コミ評判&体験談
次に中村勝馬の着物を買取してもらった人の体験談を確認します。
中村勝馬の着物を売却した人の体験談を紹介してみました。
中村勝馬の着物を売る前に知るべき高価買取のコツと注意点
着物を売る前に知っておきたいポイントが2つあります。このポイントを知ることで、より中村勝馬の着物を高く買取してもらえるかもしれません。そこまで難しいことではないので、業者に連絡する前に確認しておきましょう。
【ポイント①】着物に精通した買取店・査定員に鑑定してもらう
中村勝馬の着物や帯というのは、素人が適正価格で買取できるものではありません。やはり適正価格で買取するには、相応の知識や経験が不可欠です。これは中村勝馬の着物に限った話ではありません。
いわゆる大量生産されたノーブランド品の着物以外の買取では、きちんとした知識がないと値段がつけられないのです。そのためリサイクルショップや古着屋でも、着物は買取しないという業者があります。
適正価格での買取を狙うのなら、着物に精通したスタッフがいる買取店を利用するのが必須です。もちろん地域によっては着物専門店があるかもしれません。
しかし店舗の絶対数が少ないので、無料で利用できる着物専門の出張査定がおすすめなのです。
【ポイント②】なるべくきれいな状態で査定に出す
中村勝馬の着物を売るとしても、注意したいのがその状態です。業者としても買取した着物は転売することになるので、着られないような着物は値段がつきません。作家物や伝統的工芸品であっても、それは同じです。
- 虫食いがある
- カビが生えている
- 目立つ汚れがある
などが代表的なものでしょう。これらは着用した後に適切な手入れをし、さらに定期的にメンテナンスをすることで防げます。しかし着物のメンテナンス方法を知らないという人も多いはずです。
そうした場合は状態が良い内に、売りに出すのも1つの方法でしょう。着物のメンテナンスには手間暇がかかるものですので、自信がないのなら選択肢として考慮する価値があります。
まとめ
中村勝馬の着物の買取情報などをまとめてみました。中村勝馬は昭和中期に活躍した友禅作家の1人です。
東京友禅の第一人者とも呼ばれていて、その独特な配色と左右非対称のデザインは現在でも高い人気があります。現在でも活発に中古着物市場で取引される作家ではあるのですが、その希少性は高まっています。
特に年代的に美品の状態のものは少なくなっていますので、もし手元にあるのならしっかりと保管するか、早めに売りに出すといいでしょう。