着物をいつまでも綺麗な状態で着るためには、「保管方法」が重要になります。大切に保管することができれば三代に渡って着ることもできます。
では、どうすればいつまでも綺麗な状態で着ることができるのでしょうか?ポイントは、「ひと晩陰干しをする」「シワができないようにたたむ」「たとう紙を利用する」などが挙げられます。
そもそも着物は、きちんと保管しなければカビが生えたり、シワができたり、型崩れしたりとすぐボロボロになってしまいます。
価格はさまざまですが、安いものではありません。ですから着物を持っている方、買おうと考えている方は正しい保管方法について学んでおきましょう。
目次
正しい保管方法で着物を収納しないと大変なことに
他の衣類でもそうですが、特に着物は正しい方法で保管しないと大変なことになります。それは、たとえ立派なたんすに保管していても同じです。
もっとも多いのが、カビ・型崩れ・シワです。たとう紙に入れて保管される方が多いと思いますが、たとう紙も交換せずにいると着物の状態は悪くなります。
どんなに上質な着物でも、保管方法が間違っているとカビやシワの原因になり次のシーズンで着られなくなりますので、着物を買ったらしっかり手入れをしてあげましょう。
もちろん、「収納環境」も大切です。着物の大敵は湿気といわれていますから、先にも述べたように保管してそのままにしておくことは絶対に避けるようにしてください。
実際に着物の保管方法を間違えてダメにしてしまった体験談
母と祖母が着物好きで、実家にはたくさんの着物があります。私はそれほど興味がなかったのですが、1枚くらいきちんとした着物が欲しいと思い購入しました。
母や祖母から譲り受けるのも良かったのですが、「あなたに譲るとボロボロにする」といって譲ってもらえませんでした。決して高価な着物ではありませんが、デザインが気に入っていましたので買って正解です。
でも、残念なことに1年で処分するはめに。その理由は、“カビ”です。正しい保管方法を聞いていれば良かったのですが、面倒だったので自己流で保管していました。
母に相談すると、「たとう紙を交換していない」「こまめに手入れしていない」ことが関係していたようです。
あと、防虫剤や防湿剤なども保管してからそのままにしていました。次のシーズンでたんすから出したときにこれらの残骸が散らばっていたからです。たとう紙も黄色く汚れていた気がします。
全体的にカビが広がっていましたが、特にひどかったのが胴裏です。カビが集中していて気持ち悪い状態になっていました。
結局捨てることになりましたが、デザインが気に入っていただけにとても残念です。それ以来着物はレンタルしかしていないのですが、もしこの先買うことがあれば母や祖母に正しい保管方法を教えてもらおうと思います。
着物に良い保管環境を整える
着物の保管は、「収納環境」が重要になります。ただたんすにしまうのではなく、湿気に注意して保管することで次のシーズンもその次のシーズンも綺麗な状態を維持することができます。
特にマンションは気密性が高いので、戸建てよりも湿気が溜まりやすいといわれています。
前述のようにただたんすにしまっているだけでは収納環境は良いとはいえませんから気をつけましょう。また時折陰干しして湿気を取り除いてあげることも大切です。
「桐のタンス」を最もおすすめする理由とは?
着物を保管するのにもっとも適している場所は、「桐のタンス」です。その名のとおり「桐」を使用したタンスのことで、湿気で伸縮することで湿度を一定に保つことができます。
そのため、着物を長期間保管していても虫を寄せ付けず綺麗な状態を維持できるのです。
また、桐タンスのおもしろいところは「外気の湿度が高くなるほどキリが膨張する」「外気の湿度が低くなると収縮する」ことです。
こういった仕組みが中の湿度を一定に保ってくれるのでしょう。とはいえ、桐タンスは値段が安くありません。
着物をたくさん持っている方は桐タンスなどを利用したほうが良いですが、1、2枚程度しか持っていない方はわざわざ桐タンスを買うのは躊躇するでしょう。ただプラスチック製のケースでは通気性が劣ります。
そこでおすすめしたいのが桐の衣装ケースです。プラスチック製に比べると高めですが、タンスに比べると安いので手を出しやすいでしょう。
また1、2枚程度の着物の収納にも最適です。ちなみに、桐タンスは湿度を調整するだけでなく「虫を寄せ付けない」効果もあります。着物を確実に保管するなら、やはり一番は桐タンス(または桐の衣装ケース)といえるでしょう。
保管環境の注意点
何度も述べていますが、着物は“ただ保管すれば良い”わけではありません。どんなにきちんと保管しているつもりでも、環境が悪いと着物はボロボロになってしまいます。
実際、たんすにしまったまま何年もそのままにしていた着物が、カビや虫などでボロボロになっているケースは少なくありません。
ですから、ただ保管するのではなく保管環境を整えてあげることも大切です。特に気をつけたい注意点は以下の3つになります。
- プラスチックケースや衣装箱に入れている
- 湿気取りをしていない
- たとう紙を交換していない
陰干しをして綺麗にたたんで保管していても、これらができていない着物はボロボロになるので注意してください。
プラスチックやスチール製の衣装箱は注意
着物の保管は桐たんすが良いといわれていますが、すべての人が桐たんすを持っているわけではありません。そもそも桐たんすは高価なものですから、簡単に購入することはできません。
そこでプラスチックやスチール製の衣装箱に保管される方が多いと思いますが、この2つはいくつかの注意点があります。
それは、“調湿性に劣る”ことです。通気性が悪いので、どうしてもカビや虫の発生に影響します。ですから、これらで保管する場合は、下にすのこを引くなどして通気性を良くしてあげましょう。
頻繁に風通しを良くしてあげることで湿気が溜まる心配がなくカビや虫の発生を防ぐことができます。
プラスチックやスチール製のケースは着物が収納しやすいので、保管方法を工夫してあげることで綺麗な状態で着物を保管することができるでしょう。
年に2回くらい外に出して湿気を取る
時々陰干しをして湿気を取り除いてあげましょう。頻繁に行う必要はありませんが、年に2回は陰干しを。
着物はとても繊細なものですから、乱暴に扱うと型崩れやシワの原因になります。干すときは必ず和装ハンガーにかけて裏返して干すようにしましょう。
また陰干しが良いのは着物の日焼けを防ぐためです。一番良いのは着てあげることですが、なかなか着る機会がない方は最低でも年2回は陰干しをするようにしてください。
干す場所がない方は、晴れた日に引き出しを開けたままにするのもおすすめです。
風通しを良くしてあげるだけでも溜まった湿気が取り除かれ綺麗な状態を維持できるようになります。
ちなみに、干すときは裾を地につけること。そのような環境がない場合は、裾をテーブルにかかるようにしてあげるのでもかまいません。
たとう紙も交換する
たとう紙は着物を保管するのに欠かせないアイテムですが、交換をしてあげないと着物にも悪影響を及ぼします。
着物を大切にされている方で間違った保管方法をしている方はいないと思いますが、ヨレヨレになったものやシミがあるたとう紙は着物に色移りするので注意しなければいけません。
では、どのタイミングで交換するべきでしょうか?ポイントは、“毛羽立つ”“変色している”ときです。
たとう紙は着物の湿気を吸収しますから、和紙がふにゃふにゃしている場合は陰干しし、湿気を取り除いてから新しいたとう紙に包んであげましょう。
たとう紙は、安いもので1枚200円程度で購入できます。年に数回確認し、状態が悪くなっていたらすぐに交換するようにしましょう。
保管方法
大切な着物は、正しい方法で保管したいものです。桐たんすが一番良いといわれていますが、高価なものですから持っていない方もたくさんいます。では、桐たんす以外ではどのような方法がベストなのでしょうか?
ポイントは2つ。「正しくたたみ1枚ずつたとう紙に包む」「無理に詰め込まない」ことです。また着物を複数持っている方は、包んでいるたとう紙にメモしておくと行方不明にならずに済みます。
たとう紙は、以前も説明したとおり和服を包むための和紙です。比較的安い価格で売っているので、買いやすいでしょう。
もちろん「たたみ方」も重要です。シワになるようなたたみ方はしていませんか?型崩れやシワの原因にならないように保管することも大切です。
着物を正しくたたみ1枚ずつ和服用のたとう紙につつむ
着物をきちんと保管するには、「正しくたたむ」ことも大切です。1枚ずつたとう紙に包んでしまいますが、その前に一晩陰干しをし、湿気を取り除きましょう。
湿気が残っている状態でしまうと、カビや虫の発生の原因になりますから、必ず風通しの良いところで干してからしまいます。
そのあと、正しいたたみ方の通りに丁寧にたたんでいきましょう。着物は本だたみが基本です。このたたみ方は浴衣でも応用でき、シワができにくいので綺麗に保管することができます。
着物は少しのズレでも型崩れやシワの原因になりますので、端と端をしっかり整えてからたたむようにしてください。たとう紙も毛羽立ちや水分を吸収している場合は交換が必要です。
保管方法の注意点
保管方法で注意しなければいけないのは、たとう紙を交換することです。先ほども述べましたが、たとう紙は永久的なものではありません。
湿気を防ぐために使用するものですが、交換せずにいるとどんどん水分を吸収して効果がなくなってしまいます。
安いものから高級なものまで幅広い種類がありますが、安いものほど頻繁に交換したほうが安心です。もちろん高級だからといって交換しなくて良いわけではありません。品質に関わらず、2~3年で交換するのがベストでしょう。
無理に詰め込まない
無理に詰め込まないことも重要です。着物は、“ただしまえば良い”ものではありません。
間違ったたたみ方をしていればシワの原因になりますし、型崩れをして次のシーズンには着られなくなってしまいます。
1、2枚程度であれば良いですが、複数持っている場合は上からどんどん重ねてしまうとやはり型崩れ・シワができます。
どんなに綺麗にたたんでいても、しまい方で失敗する方が少なくありません。そんなことのないように、無理に詰め込むことは絶対に避けましょう。
1枚1枚たとう紙に丁寧に包み、5枚くらい重ねたら次の引き出しまたはケースにしまうようにしてください。これらに気をつけるだけで、着物の状態はずいぶん違ってきます。
たとう紙にはどんな着物が入っているのか後でわかるようにメモしておく
着物の数が多いと、「どこに何をしまったのかな?」と分からなくなってしまいます。たとう紙に包むと中身が分かりませんから、余計にどんな着物が保管されているのか分からなくなるでしょう。
ですから、包んだたとう紙には「どんな着物が入っているのか」メモをしておくことをおすすめします。
着物の種類はもちろんのこと、色や柄なども書いておくと中身が分かりやすく探す必要がありません。一番良いのは着物の写真を貼っておくことです。
どんな着物が入っているか一目で分かるでしょう。特にたくさんの着物を所持している方は、きちんとメモしておくと探しやすいですし部屋が散乱する心配もありません。
防虫剤と防湿剤
基本的に、着物は虫にやられることはほとんどないといわれています。カビは生えやすいので十分な対策が必要ですが、防虫剤をしていないからといって絶対に虫にやられるというわけではありません。
とはいえ、絶対に虫にやられない補償はありませんから、対策をしておいて損することはありません。
mここ一方で防湿剤ですが、湿気を取るために取り入れるのは良いことです。しかし防虫剤や防湿剤の併用は化学反応を起こしてしまいますので使用時は注意が必要です。ト
防湿剤と防虫剤はそれぞれ1種類だけ使う
防湿剤と防虫剤は使用しても問題ないことが分かりました。しかし、使用するときは注意が必要です。それは、先にも述べたように併用することで化学反応を起こしてしまうからです。
化学反応を起こすと、せっかくきちんと保管していても着物を変色させシミなどができてしまう恐れがあります。
ですから、どちらか1種類だけを使うようにしましょう。どうしても防湿剤と防虫剤を使いたい場合は、シリカゲルがおすすめです。
なぜシリカゲルは併用しても問題ないのかについては後述します。また、着物の種類によっては化学反応を起こしてしまう種類の防湿剤と防虫剤がありますので、その辺も注意しておきましょう。
シリカゲル(乾燥剤)は防虫剤とも化学反応を起こさないのでおすすめ
シリカゲルは、ご存知のとおり「乾燥剤」です。食品などに使用されていることが多いですが、着物を湿気から守るのにも役立つといわれています。
また、防虫剤との相性も良く、化学反応を起こさないともいわれており安全に使用できます。
湿気と虫から着物を守るために防湿剤と防虫剤を併用して化学反応を起こしてしまったケースは少なくありませんから、どちらも利用したい方はシリカゲルを使いましょう。
ただし、シリカゲルも永久的に使えるものではありませんので、中身の粒が黄色く変色してきたら交換時です。
もちろん時々風通しの良いところで虫干ししてあげることも湿気を防ぐためには必要になります。
防虫剤を入れておく
着物はあまり虫にやられません。それでも、念のために防虫剤を使用しても良いでしょう。特に長期間保管する場合は、防虫剤を入れておいたほうが安心です。
しかし入れ方にもポイントがあります。それは、“着物に触れないようにする”ことです。
というのも、防虫剤によって着物が変色、シミができる場合があります。そうなるとせっかく綺麗に保管しても台無しです。
防虫剤を入れるときは衣装箱の四隅に包んで置くようにすると良いでしょう。
ちなみに、防虫剤にもいろんな種類があります。ニオイ移りなどが気になる方も多いと思いますので、なるべくは無臭性タイプのもの(エンペントリン)をおすすめします。
虫干し(陰干しする時期の一つ)
着物は、風通しの良いところで干してから保管します。
これを「虫干し」といいますが、虫干しは保管前だけでなく湿気やカビを防止するために定期的に行うことが大切です。また、「虫干しをする時期」もポイントになります。
着物も、干して良い時期とそうでない時期があります。せっかく虫干しをしても時期が悪いと着物を傷めてしまうので気をつけましょう。また1日のうち、「虫干しをする時間」も重要になります。
虫干しとは?
着物は、風通しの良いところで干してから保管します。
これを「虫干し」といいますが、虫干しは保管前だけでなく湿気やカビを防止するために定期的に行うことが大切です。また、「虫干しをする時期」もポイントになります。
着物も、干して良い時期とそうでない時期があります。せっかく虫干しをしても時期が悪いと着物を傷めてしまうので気をつけましょう。また1日のうち、「虫干しをする時間」も重要になります。
陰干しの適切な時期3つ
陰干しには“適切な時期”があります。まず、梅雨は避けなければいけません。
梅雨の時期は湿度が高く、陰干しをしても湿気を取り除くことは難しいでしょう。ですから、梅雨明けの7月末~8月がベストです。
次に秋晴れの10月頃、最後に2月頃です。最もベストな時期は2月頃でしょう。
湿度も低く十分な陰干しができます。また先にも述べたように、“干す時間帯”も重要です。時期と時間を守ってしっかり陰干しするようにしましょう。
土用干し
土用干しとは、7月末~8月上旬を指します。いわゆる梅雨明けです。この時期は気温も上昇し、虫干しにベストだといわれています。
当然着物を着る機会もないですし、たんすの肥やしになる前に十分な虫干しをしてあげましょう。
もともと、日本ではこの時期に着物を干すのが習慣になっています。もちろん、着物以外でも衣類や喪服など、普段あまり着ない服は土用干しを行うことで次の年も綺麗な状態で着ることができるでしょう。
土用干しをするときのポイントは、“光に当てないように”“広げて干す(傷みや虫食いの確認)”“衣装ケースも掃除する”です。着物を干すときは陰干しが基本ですから、陽に直接あてるのはNGです。
虫干し
虫干しは、10月下旬から11月頃を指します。虫干しは陰干しともいわれていますが、正しくは時期を指します。
10月下旬から11月はちょうど秋ですから、湿気も少なく着物が干しやすいでしょう。天気が良い日に、和装ハンガーに掛けて十分に乾燥させてあげます。
たとえ虫干しの時期でも雨の日は避けたほうが良いでしょう。また、着物が複数ある方は一度に出すのは5枚までにしましょう。
1、2枚程度ならまとめて干しても良いですが、場所を取るので少しずつ干していくほうがしっかり虫干しできます。
もし忙しくてこの時期に干せない場合は、着物をしまっている引き出しやケースを開けておくだけでも効果があります。年に3回が理想ですが、年に1回でも問題ありません。
寒干し
寒干しは、1年でもっとも寒い時期になります。2月頃を指しますが、湿気もなく空気が乾燥しているので着物を干すのに適しています。
そのため、土用干しよりも適した時期といえるでしょう。ただ寒いので、すべての着物を干すのは大変です。2月下旬頃までを寒干しとしますから、寒くて動けないという方は下旬に行っても問題ありません。
もちろん、寒干しでも雨が降っているときはNGですから、必ず2日間くらい晴天が続く日を選んでください。
乾燥している時期なので雨の日でもそれほど湿度は上がりませんが、湿気取りのために行うものなのでやはり雨の日は避けたほうが良いでしょう。
着物を干している間に衣装ケースの掃除、たとう紙や防虫剤などの交換も行ってください。
虫干しは晴天の日がおすすめ
マンションは気密性が高く、湿気がこもりやすいといわれています。ですから、たんすの中に着物をしまいっぱなしにしておくとカビや虫がわきやすくなります。天気が良い日は年に数回陰干しをしてあげることが大切です。
これならマンションでも安心して着物を保管することができます。時間帯は、先にも述べたとおり午前10時から午後3時頃までに行い、正午を挟んだ4時間程度がベストです。
ただし時期によっては日差しが厳しいですから、直射日光に注意してください。
窓を開け換気を良くしたら、通気性の良い部屋で着物を広げて十分乾燥させてあげましょう。虫干しは外に干す必要はありませんから、マンションでも安心して干すことができます。
衣紋掛けや着物ハンガーが無理な場合
着物を掛けるのに欠かせないのが衣紋掛けや着物ハンガーです。衣紋掛けは衣服の袖に棒を通し、紐を使って干します。
大きいので狭い部屋では邪魔になりますが、その場合は着物ハンガーもあるのでこちらを使うと良いでしょう。
では、着物ハンガーもない場合はどうしたら良いのでしょうか?洗濯ロープや配管用パイプなどを使って代用できます。それでも難しい場合は、折りたたんだまま掛けることも可能です。
このとき、洗濯ロープを張ってから干しましょう。袖にロープを通し、広げて干すことで衣紋掛けや着物ハンガーと同じような方法で干すことができます。ただしロープは頑丈ではないのでしっかり固定する必要があります。
桐のタンスがダメならおすすめは「タッパーウェア」
着物の保管は桐のタンスがもっとも適していますが、高価なので簡単に購入することはできません。そこでおすすめしたいのが「タッパーウェア」です。タッパーウェアとは、ポリエチレン製の密閉容器のことで、気密性が高いのが特徴です。
いろんなタッパーウェアがありますが、縦80.9×横38.2×高さ15.8が丁度良いサイズでしょう。スーパーケースがこれくらいのサイズになります。ただたとう紙が83cmからなので、タッパーウェアではたとう紙に包んで入れることはできません。
そのまま入れるか、着物を三つ折りにしたとう紙に包んでから入れるなど工夫してください。たとう紙は湿気を吸収してくれるので、ないよりあるほうが安心です。
保管方法に自信がない方は「着物専用保存袋」を使えば簡単
着物専用保存袋も着物の保管に適しています。桐のタンスもない、タッパーウェアを置くスペースもない場合はこの方法を試してみてください。
着物専用ということで、臭いや湿気、カビや虫からしっかり守ってくれます。
ひと袋に3枚まで収納でき、着物だけでなく長襦袢や帯も入れることができます。セットで保管しておけば次のシーズンで着るときも探さずに済むでしょう。
また保存袋なので場所も取りません。タンスがなくても、押し入れでも安心して保管することができます。
いろんな保存袋があり、価格もさまざまです。しかし、桐のタンスに比べると断然安いですから保管方法に悩んでいる方はぜひ利用してみてください。
まとめ
着物は非常に繊細で、湿気やカビに弱いといわれています。ですから、保管方法や保管環境は重視しなければなりません。
もし保管してそのままにしている方は、一度取り出して陰干ししてあげてください。これだけでも、着物の状態は良くなります。
きちんと保管できていれば親子三代まで着られるといわれていますので、それくらい正しい保管方法は大切なことなのです。
どうしても桐たんすがない方は、桐の衣装ケースやプラスチックやスチール製の衣装ケース、着物専用保存袋などでもかまいません。
一番安いのは保存袋でしょうか。これだけで臭いや湿気、カビや虫から着物を守ってくれるので安心です。また保管するスペースがない方でも利用しやすいのがメリットでしょう。そして、年に3回の虫干しが必要になります。
きちんとたたんで保管していても、虫干しができていないとカビや虫の原因になりますので、最低でも年に1回は天気の良い日に干すようにしましょう。
これらを守って保管していれば、いつまでも綺麗な状態で着物を着続けることができます。
着物は十分に保管できる場所や干せるスペースが必要だと思われがちですが、マンションでも十分に保管することができます。「大切にしたい」という気持ちがあれば、着物を丁寧に扱うことができるでしょう。