着物を売るなら、季節や需要のタイミングを見極めることで価格が変わることがあります。
結論から言うと、訪問着や付下げは入学式や卒業式の1～2か月前、夏着物は春先が売り時です。
とはいえ「成人式シーズンを外したら損するのか」「夏物は夏に売ればいいのか」など迷うこともあるはずです。
この記事では着物の種類ごとにおすすめの売却時期を詳しく整理しながら、状態や証紙、小物の有無によって査定額がどう変わるかも具体的に解説します。
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現在では、日常的に着物を着る人は限られており、多くの場合、成人式や卒業式、結婚式など特別な行事のために一度袖を通しただけという方がほとんどです。
そうした背景から、いざ手放そうと考えても「着物はいつ売れば高くなるのか」「タイミングを間違えると損をしないか」と迷う人も多いのではないでしょうか。
ここでは、着物の種類や需要の高まるシーズンを踏まえて、売却に適した時期を具体的に解説していきます。
未婚女性が着る着物の中でも、特に格式が高いとされるのが振袖です。成人式での着用が定番ですが、結婚式や卒業式など、さまざまなフォーマルな場面でも着られる着物です。
では、この振袖を売るのに最適なタイミングはいつなのでしょうか。
このように、振袖は特定のシーズンに限らず通年で需要がありますが、デザインや流行の変化には注意が必要です。
特に流行に左右されやすい現代柄や派手な色味のものは、早めに売ることで価値が落ちる前に手放せます。
着物全般にいえることですが、保管期間が長くなるほど状態が劣化しやすく、価値も下がっていきます。
編集部高く売りたいと考えているなら、着なくなった時点で早めに査定を受けることをおすすめします。
入学式や七五三など、子どもの成長を祝う節目の行事では、親が着物を着る機会も少なくありません。
とくにこうした場面でよく選ばれるのが、訪問着や付下げといったセミフォーマルな着物です。
これらの着物は、イベントの直前になると中古市場での需要が高まりやすく、それに伴って買取価格が上がる傾向があります。
たとえば、4月の入学式に向けては2〜3月、11月の七五三に向けては9〜10月頃が、ちょうど買取の狙い目といえます。
ちなみに、子ども自身が着る七五三用の着物については、中古での需要が非常に少なく、買取額はあまり期待できません。多くの家庭がレンタルで済ませるのが主流となっているためです。
親が着用する着物に関しては、こうしたイベント直前の「タイミング」を意識するだけで、査定額に差が出ることがあります。手放す予定があるなら、スケジュールを逆算して時期を選ぶことがポイントです。
子どもの卒業式に合わせて着物を着る人は少なくありません。この時期によく選ばれるのが、訪問着や道中着といったセミフォーマルな着物です。
とくに卒業式シーズンに近づくと、これらの着物に対する需要が高まり、それに伴い買取価格も上がる傾向があります。
買取に適した時期を具体的に挙げると、以下のようになります。
また、大学や短大、専門学校の卒業式では袴を着用する人も多く、袴の上に着る小振袖や道行コートなども需要が伸びる傾向にあります。
こうした動きをふまえても、1月は全体的にフォーマル系着物の買取に向いたタイミングといえます。
編集部ただし、時期に合わせただけで確実に高価買取になるとは限りません。
着物の状態や付属品の有無など、総合的な要素が価格に影響します。需要が高まる時期を活かすためにも、できるだけ良好な状態で早めに査定を受けることが大切です。
卒業式に続く春の大きな行事といえば、入学式です。とくに子どもの入学式に合わせて、自分も着物を着るという方は少なくありません。こうしたタイミングを見越して、訪問着や付下げなどを売るのは、非常に理にかなった判断といえます。
入学式は例年4月初旬に行われるため、その1か月ほど前にあたる3月が、中古市場での需要がもっとも高まる時期です。買取額を少しでも上げたい場合は、この時期に合わせて売却を進めるとよいでしょう。
入学式では、訪問着や明るめの色合いの付下げなどが人気で、なかでも淡いピンクや水色、クリーム色など、やさしい色調の着物が高く評価されやすい傾向にあります。
逆に、黒や濃紺といった落ち着きすぎた色味のものは、入学式向けとしては需要がやや限定的です。
こうした需要の特徴を意識しながら、手元の着物が「春の式典に合った装いかどうか」を確認し、該当するものがあれば、タイミングを逃さずに3月中に査定を依頼するのが得策です。
七五三の際に、子どもに着物を着せる家庭も多く見られます。ただ、その際に「購入すべきか、それともレンタルで済ませるべきか」と迷う人もいるかもしれません。
現在は、ほとんどの家庭が子ども用の着物をレンタルで対応しています。というのも、子どもは成長が早いため、購入しても着られる期間が非常に短く、複数回使えるケースは限られます。
その結果、中古市場における子ども用着物の需要はきわめて低く、実際には買取対象外となることも少なくありません。
兄弟がいれば使い回す可能性もありますが、それも数年単位での保管が必要となり、保管中に状態が悪化するリスクも高まります。
こうした理由から、子ども用の着物については「売る前提」で考えるよりも、必要な時期にレンタルを活用するという考え方が主流になっています。買取目的ではなく、使い切る前提で扱うことをおすすめします。
「夏の着物」と聞くと、浴衣を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実際にはそれだけに限らず、夏用の薄手素材で仕立てられた着物全般を指します。
代表的なものとしては、以下のような種類があります。
これらは、経糸と緯糸の密度をあえて下げ、織り目を粗くすることで、通気性を高めた生地が特徴です。見た目にも涼やかで、盛夏でも快適に着用できるよう工夫された素材です。
このような夏着物は、まさに暖かくなる春先から需要が伸び始めます。購入を検討する人が動き出すのもこの時期のため、買取に出すタイミングとしては、春〜初夏にかけてがもっとも適しています。
とくに、絽や紗などのフォーマル寄りの夏着物は市場流通が限られているため、状態が良ければ適正に評価されやすくなります。逆に、真夏に近づくと需要のピークを過ぎてしまうため、タイミングを逃さないようにすることが大切です。
ちなみに、夏になると浴衣の需要も高まりますが、化学繊維や量販品が主流であることから、買取対象外となるケースがほとんどです。
売却できる可能性があるのは、綿絽や麻素材など品質の高い浴衣に限られるため、事前に確認しておくと安心です。
着ないままタンスに眠っている着物がある場合は、できるだけ早めに売却を検討するのがおすすめです。着物は保管状態によって価値が大きく変わる繊細な品であり、「今は着ないけれど、いつか着るかも」と保留にしておくことで、かえって状態が悪くなってしまうことも少なくありません。
とくに正絹などの素材は湿気や虫に弱く、カビや変色、シミが生じやすいため、定期的な陰干しや防湿・防虫対策などのメンテナンスが欠かせません。
こうしたケアを継続して行える人であれば、一定期間の保管も問題ありませんが、メンテナンスに手が回らない、もしくは保管方法に自信がないという場合は、状態が良いうちに手放すのが賢明です。
買取では、新品に近い状態の着物ほど高い評価を得やすく、シワや変色、ニオイなどのダメージが目立つものは査定額が大きく下がる傾向があります。
そのため、着物を売るタイミングを見極める際には、「もう着る予定がない」と感じた時点で、できるだけ早めに動くことが重要です。
また、年数が経過すると流行の柄や色合いが古く見られてしまうこともあり、需要そのものが下がるケースもあります。状態と市場価値の両方を考えると、「今のうちに売る」という選択が、結果的に最も納得のいく売却につながりやすくなります。
着物の買取では「いつ売るか」も重要な要素ですが、それ以上に、どんな状態で、どのように査定に出すかといった「売り方」の工夫が査定額に大きく影響します。
たとえシーズンを押さえていても、保管状態や付属品の有無、売却先によっては期待した価格にならないこともあるため注意が必要です。
ここでは、着物を少しでも高く売るために意識しておきたい5つの具体的なポイントをご紹介します。
着物は繊細な素材で作られており、状態が良いものほど高価で買い取られやすくなります。とくに正絹（しょうけん）などの高級素材は湿気やカビに弱く、日々の保管状態が査定額に大きく影響します。
そのため、劣化が進む前に売却を検討することもひとつの判断ですが、しばらく保管する予定がある場合は、適切な手入れを行うことが欠かせません。
では、着物を良い状態で保つためには、どのような方法が効果的なのでしょうか。
| 保管方法 | ポイント |
|---|---|
| 年に2回〜4回は陰干しをして風を通す | 直射日光を避けて陰干しすることで、湿気を飛ばし、カビや虫食いを防ぎやすくなります。 |
| 湿気を飛ばした後は、たとう紙で丁寧に包む | 着物専用の和紙「たとう紙」で包むと、通気性を保ちつつホコリや虫から守ることができます。 |
| 桐タンスがない場合は、防虫剤や除湿剤を一緒に入れる | 通気性に優れた桐製の収納が理想ですが、ない場合でも、市販の除湿剤や防虫剤を活用することで状態を保ちやすくなります。 |
これらのケアを定期的に続けることで、着物のコンディションを長く良好に保つことができ、売却時にも納得の価格につながりやすくなります。
大量生産された安価な着物には付いていませんが、伝統工芸品や作家物と呼ばれる着物を購入した際には、証紙が付属しています。これは生産地や製作者などを示す紙で、新品であれば必ず付いてくるものです。
この証紙の有無によって、買取額は大きく変わります。なぜかというと、証紙はその着物が本物の伝統工芸品や作家物であることを証明する材料になるためです。
証紙がない場合、着物の価値を証明しにくくなり、査定額が下がってしまいます。そのため、売却の時期を見極めるだけでなく、証紙が残っていないかも事前に確認しておきましょう。売却の際は、着物と一緒に証紙を業者へ渡すことが重要です。
とくに伝統工芸品や作家物の着物は、高価で買取されやすいため、証紙の有無が価格に大きな影響を与える要素となります。
着物を売却する際は、手元にあるバッグや帯締め・草履などの和装小物も、まとめて査定に出すことをおすすめします。
業者によっては査定点数が多いほど評価が上がるケースもあり、結果的に買取額が高くなることもあります。
そもそも着物を購入したときに、これらの小物類もセットで揃えていることが多く、単体で使用する機会はあまりありません。そのため、着物だけを売るのではなく、関連する小物も一緒に査定に出すほうが効率的です。
査定を依頼する前に、一度タンスの中を確認し、使っていない和装小物が残っていないか探してみるとよいでしょう。
着物はとても繊細で、保管状態によって価値が大きく変わる品物です。なかでも湿気には特に弱く、きちんと手入れをしていないとカビやシミの原因になってしまいます。
とくに正絹（しょうけん）の着物はデリケートで、保管環境が整っていないとすぐに傷んでしまいます。
購入時から管理している場合は問題ありませんが、親や祖父母から譲り受けた着物など、自分で管理方法がわからない場合は、なるべく早く査定に出すのが安心です。
着物をタンスにしまったまま傷めてしまうよりも、状態が良いうちに手放して、必要とする人に使ってもらう方が着物にとっても良い形といえます。
とくに作家物や伝統工芸品の着物を売る場合は、必ず着物買取に精通した専門店を利用するようにしましょう。なぜなら、こうした着物の価値を正しく判断するには、高い専門知識と経験が欠かせないからです。
専門業者には次のような特徴があります。
一方で、リサイクルショップや古着屋では着物の扱いに慣れておらず、どれだけ良い品でも納得の価格がつかないケースがほとんどです。売却時期を見極めたとしても、鑑定の精度が低ければ意味がありません。
編集部大切な着物を納得の価格で手放すには、査定力のある専門業者にしっかり鑑定してもらうことが最も重要です。
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着物を手放すタイミングに迷ったときは、種類やイベントシーズンに応じた売却時期を押さえておくと安心です。
さらに、買取額を左右する要素は「時期」だけでなく「状態」や「売る相手」にも関係します。ここでは、重要なポイントを再整理しておきましょう。
つづいて、売却時期の目安を以下の表に整理しました。
| 着物の種類 | 売却に適した時期 | 高く売れやすい理由 |
|---|---|---|
| 振袖 | 通年（ただし早め） | 格式が高く用途が広い。流行遅れ前の売却が安全 |
| 訪問着・付下げ | 1〜3月 | 卒業式・入学式・七五三などのイベント需要 |
| 夏着物（絽・紗） | 3〜5月 | 夏の装いとして春先から市場で動きが活発になる |
| 子供用着物 | 不要（原則買取不可） | レンタル主流で中古需要がなく、サイズ調整も困難 |
では実際に売却を進めるにはどうすればよいか、行動の流れを整理しておきましょう。
保管状態・シミや汚れの有無・証紙やたとう紙、小物類の有無をチェック。
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着物は時間とともに劣化が進みやすく、放置していても価値が上がることはありません。
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