「着物買取が100円!?」査定額が安すぎる理由とがっかりしない売り方
実は、100円の査定額は特殊なケースではなく、今の中古市場では十分起こり得る一般的な価格帯です。
矢野経済研究所の調査によれば、2023年の呉服小売市場は前年比101.4%の2,240億円規模にまで回復していますが、その一方でリユース品の市場価値は二極化が進んでおり、再販できない着物の多くは極端に安く見積もられる傾向にあります。
当サイトでは、着物買取サービスの高額買取の実態を調査するためにアンケートを実施しましたが、100円以下で二束三文だと言われた方が約1割程度いらっしゃいました。

着物は見た目の美しさだけで評価されるわけではなく、サイズ・素材・保存状態、そして業者が再販できる販路を持っているかどうかで査定額が大きく変わります。
ここでは、「なぜ100円になるのか」という原因を明確にしながら、100円査定を避けるための対策や、業者選びの判断基準まで具体的に解説していきます。
本記事は着物堂(運営:株式会社LIF)が制作・編集し、監修者(古物商許可証を持つ会員(奈良県公安委員会 第641180000388号))が内容を確認しています。記事内の情報は公開時点のものであり、十分な調査のもと掲載しておりますが、内容が最新の情報と異なる可能性があります。
着物を100円査定された人のリアルな声
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着物買取を体験した人の多くが、「まさか、こんなに安いとは…」という衝撃を口にしています。
とくに「1枚100円」という査定結果は、ネット上でもよく見られる現実的な価格帯であり、決して珍しいケースではありません。

編集部でも過去に、訪問着を数枚まとめて出張査定に出した際、「こちらの着物は100円でのお引き取りとなります」と案内されたことがあります。
購入当時は数万円したと聞いていたため、正直言って驚きました。
しかし、査定員からは、「サイズが合わず需要が少ないこと、裏地に変色が見られること、証紙がついていないこと」が理由として丁寧に説明され、納得感はありました。
ある体験者の声では「母から譲り受けた大島紬が、1枚100円と査定されてショックだった」との投稿がありました。後日、別の専門業者で再査定を依頼したところ、「証紙はないが、素材と織りに価値がある」と判断され、2,000円で買い取ってもらえたそうです。
こうした例からもわかる通り、100円査定は珍しい話ではなく、今の着物市場の相場や流通の仕組みを反映した妥当な判断である場合が多いです。
ただし、業者の目利き力や販路によって評価は変わるため、1回目の査定で落ち込む必要はありません。
大切なのは、「なぜその価格になったのか」を理解すること。そして、納得できない場合は、別の専門業者にも相談してみることです。


着物の買取が安すぎる理由


着物を売却した多くの人が「想像以上に安かった」と感じる背景には、一般の方には見えにくい買取の構造と流通の事情があります。
ここでは、なぜ着物の買取が安くなるのか、その仕組みと相場の背景を4つの視点からわかりやすく解説していきます。


1. 需要が少なく流通が限られている
着物の買取価格が安くなる最も根本的な理由は、需要の少なさにあります。かつては冠婚葬祭や日常着として広く使われていた着物も、現在の生活スタイルでは着る機会が大幅に減っています。
とくに若い世代では、成人式・卒業式・七五三といった一部の行事を除き、着物を持つ・着る文化自体が希薄になりつつあります。
このような背景から、中古の着物市場では買い手が限られており、再販の難しさが査定価格に大きく影響しています。
2. 証紙や作家物でなければ評価されにくい
着物の買取において証紙(しょうし)や作家名のある着物かどうかは、査定価格を左右する重要な判断基準です。
証紙とは、その着物が有名な産地のものであることや、特定の伝統技法で作られていることを証明するもの。
たとえば大島紬・結城紬・牛首紬といった伝統工芸品には、正規品の証として証紙が付けられており、それがあるかないかで買取価格が大きく変わります。
また、有名作家による一点物や、落款(らっかん)が入った着物も市場価値が高く、専門業者であればしっかりと評価してもらえることがあります。
逆にいえば、どれだけ上質な素材で仕立てられた着物であっても、「証紙がない」とか「作家名が不明」といった場合は、一般品としてまとめ査定になることが多く、高価買取にはなりにくいのが現状です。
3. サイズ・素材・保存状態が価値に大きく影響する
着物の査定額は、見た目が綺麗かどうかだけでは決まりません。再販できるかどうかという観点で、サイズ・素材・保存状態の3点がとくに重視されます。
この3つが揃っていないと、どれほど高価な着物であっても、実際の査定では100円以下になる可能性があります。
査定で重視される理由 | 評価が下がる具体例・傾向 | |
---|---|---|
サイズ | 現代の体型に合っていないとレンタルや再販が難しい | ・身丈150cm以下など小さすぎるもの ・昭和以前の仕立てでサイズが合わず再仕立てが必要になる ・買い手がつきにくい |
素材 | 素材の質で再販価値が大きく変わる | ・ポリエステルなど化学繊維製は評価が非常に低い ・リサイクルショップでも扱いにくく、価格がつかないことが多い |
保存状態 | 傷みや劣化があると再販が困難になり、買取不可や無料引き取りの判断につながる | ・シミ、カビ、変色、ニオイ、虫食いなど ・高級素材や有名作家の着物でも大幅減額または査定対象外 |
このように、サイズ・素材・保存状態のいずれかが欠けているだけでも、着物は「再販不可」や「引き取りのみ」と判断されることがあります。
4. 販路のない業者では価値が出せない
着物の査定額が極端に安くなる理由のひとつに、業者側に販路がないという問題があります。
どれだけ質の良い着物であっても、それを適切に売るルートを持っていない業者では価値を正しく評価できず、結果として「引き取りのみ」や「まとめて100円」といった査定になりがちです。
着物は特殊な販路を必要とする品物です。たとえば、次のような販路の確保が重要です。
- 舞台衣装やレンタル着物として活用
- 海外市場への輸出(とくにアジア・欧米)
- ネットオークション
- 専門バイヤー向けの業者間取引
こうしたルートを確保していない業者では、せっかくの価値ある着物も「売り先がない」という理由だけで評価を下げられてしまうことがあります。
着物買取でがっかりする人に多い3つの誤解


「着物に価値があると思っていたのに、無料引き取りと言われた」。こうしたがっかり体験をされた方の声は、実際にネット上でも多く見られます。
しかし、その多くは、業者が理不尽な査定をしているわけではなく、そもそも着物買取の仕組みや市場価値について誤解から生じているケースが目立ちます。
ここでは、着物買取でよくあるがっかり体験につながる3つの誤解を取り上げ、その背景や正しい考え方について詳しく解説していきます。
1. 購入時の価格=買取価格と考えてしまう
着物買取でがっかりしたと感じる人の多くが、無意識のうちに「買ったときの価格に近い金額で売れるはず」と期待してしまっています。しかし、買取はあくまで「中古品としての再販価値」に基づく評価であり、購入価格とはまったく別の基準で決まるのが現実です。
着物の場合、とくに新品購入時は仕立て代や店舗の利益、ブランド価値などが上乗せされており、販売価格は本来の素材価値を大きく超えていることが一般的です。
そのため、たとえ30万円で買った振袖でも、中古市場で再販できる見込みがなければ、査定額は100円〜数千円程度にとどまることも珍しくありません。
しかしこれは、業者側が適当に値をつけているわけではなく、現実的な再販ニーズと市場相場に基づいた判断です。こうしたギャップを事前に理解しておくことで、がっかりの感情を最小限に抑え、冷静な判断ができるようになります。
2. どこで売っても同じと思い込んでいる
着物の査定価格は、どの業者に依頼しても大差ないと思われがちですが、実際には業者ごとに評価の傾向・得意分野・再販ルートがまったく異なります。
この違いを知らずに、たまたま利用した業者の価格だけを見て、やっぱり着物は安くしか売れないと決めつけてしまうのは非常にもったいないことです。
たとえば、地域のリサイクルショップや質屋などでは、着物に詳しい査定員がいないこともあり、状態や素材を見きれずに「一律まとめて数百円」といった扱いになりがちです。
一方、着物買取専門業者であれば、証紙の有無や作家名、産地、保管状態まで丁寧に見てくれるため、同じ着物でも何倍もの価格差がつくことがあります。
業者によって得意分野も異なります。舞台用のレンタルに強い業者、海外向け販路を持っている業者、和装小物まで細かく査定してくれる業者など、それぞれの特徴を把握し、自分の着物に合ったところを選ぶことが、100円査定を避けるための大きなポイントです。
3. 査定相場を知らずに依頼してしまう
着物を初めて売る人の多くは、事前に相場を調べずに業者に査定を依頼してしまいます。
そうすると、提示された金額が妥当なのか判断できず、「想像より安かった…」とか「騙されたかもしれない」と不安や不満が残る原因になってしまいます。
たとえば、正絹の訪問着は「昔は高かったから今もそれなりに価値があるはず」と思っていても、現在の中古市場では1,000~3,000円前後の査定が相場になることが多く、状態によっては無料引き取りになるケースもあります。
また、ポリエステルの小紋や、サイズの小さい古い着物は、需要が極端に少ないため、相場としても100円程度かそれ以下での引き取りが一般的です。
こうしたギャップを防ぐには、事前にインターネットで「着物名+買取相場」などを調べたり、複数業者の公式サイトに掲載されている参考価格表を見たりすることが有効です。
相場を把握しておけば、不当に安く買い叩かれることも防げるうえに、納得感をもって取引に臨むことができます。
値段がつかない着物でも高く売れる6つの対策


ここでは、100円査定を避けるために誰でもできる具体的な対策を6つに絞ってご紹介します。
どれも特別な知識や準備を必要としない、現実的で効果のある方法ばかりです。「どうせ安くしか売れない」とあきらめる前に、まずは以下の対策を試してみることをおすすめします。
1. 小物や帯をセットで出す
着物単体では値段がつかなくても、帯や和装小物と一緒に査定に出すことで、全体の評価が上がるケースは少なくありません。とくに、コーディネートが整っている一式での買取は、業者にとっても再販しやすくなるため、単品よりも高い査定額が期待できます。
たとえば、振袖と袋帯、帯締め、草履バッグが一緒になっている「フルセット」や、訪問着と名古屋帯の組み合わせなどは、再販ルートでも需要があるため、着物だけよりも買い手が見つかりやすいというメリットがあります。
業者としても「そのまま貸し出しや販売に回せる」と判断すれば、査定価格を底上げすることができます。
また、小物だけでも意外と評価される場合があります。とくに帯留めやアンティークの草履などは、コレクター需要があったり、単体で販売できる商品として扱われることがあります。もし手元に使っていない小物があるなら、一緒に見てもらうことをおすすめします。
2. 証紙・落款・作家名を確認
着物を査定に出す前に証紙(しょうし)、落款(らっかん)、作家名の有無をしっかり確認しておくことは、100円査定を防ぐうえで非常に重要です。
これらは着物の価値を証明する裏付け資料となり、専門業者であれば評価額に直結する要素として扱われます。
探し方のポイントとしては、購入時の反物袋、たとう紙、保管していた箱の中などを確認してみるとよいでしょう。もし証紙が見つからなくても、柄や織り方、仕立てによっては業者側が判断できる場合もありますが、提示できる証拠があれば査定もスムーズに進みます。
着物を売る前には、必ずこれらの証明が残っていないかチェックしてから査定に臨むことをおすすめします。


3. 状態の良いものは別保管
着物の査定では、まとめて一括で見せると状態の良し悪しに関係なく全体を安く見積もられてしまうことがあります。
とくに、シミや汚れのある着物と一緒に出してしまうと、査定員に「全体的に古くて扱いづらい印象」を与えやすくなります。だからこそ、状態の良い着物は必ず別に保管し、丁寧に見せることが大切です。
着物の価値は、保存状態によって大きく左右されます。カビ・シミ・変色・においなどがあれば評価は大きく下がり、どれほど高級な素材でも買取価格が数百円~無料になることもあります。
逆に、保管状態が良ければ、証紙がなくても「素材・柄・寸法」などの評価だけでしっかり価格がつくこともあります。
査定前にはホコリを軽く払ったり、たとう紙に入れてきちんと畳んでおくだけでも印象が違います。とくに出張査定では、査定員が1点ずつ丁寧に確認できるよう、あらかじめ仕分けておくと良いでしょう。
4. 需要がある時期に査定依頼
着物も他の商品と同じように、需要が高まる時期には査定価格が上がりやすくなります。逆に需要の少ないタイミングでは、「今はあまり出し先がないので」として控えめな価格が提示されることもあります。
たとえば、振袖や華やかな訪問着は、成人式や卒業式シーズン(1月〜3月)に需要が集中します。
また、夏物の絽や紗などは、春から初夏にかけて買取強化を行っている業者もあり、その時期に査定に出すことで高めの評価につながる可能性があります。
業者によっては繁忙期(年末年始・大型連休前後)を避けることで、より丁寧に査定してもらえることもあります。
こうした細かいタイミングも、満足度の高い売却につながるポイントです。
「急いでないけど、処分したい着物がある」という場合は、季節需要や業者の買取強化月間を狙って動くのが得策です。公式サイトでキャンペーン情報や季節ごとの買取対象をチェックしておくと、適切なタイミングを見極めやすくなります。


5. 着物専門の買取業者を選ぶ
100円査定を避けるうえで最も効果的なのが、着物専門の買取業者に依頼することです。着物に関する知識・販路・査定ノウハウを持っているかどうかで、査定額には大きな差が出ます。
リサイクルショップや総合買取店では、着物を専門的に扱っていないことが多く、素材や作家、産地の見分けがつかないまま「正体不明の古い和服」として扱われてしまうケースがよくあります。
その結果、「まとめて100円」や「処分扱い」といった評価になってしまうことも少なくありません。
一方で、着物買取に特化した業者であれば、証紙・落款の意味や織りの種類、サイズ感や需要の傾向まで理解したうえで、適切な販路につなげられるかどうかまで見越して査定を行ってくれます。
また、専門業者の多くは、着物の状態が万全でなくてもリメイク用・海外輸出・舞台衣装用など、さまざまな販路を持っているため、「売れない」と判断される確率も低くなります。



業者選びに迷ったときは、「着物買取専門」と明記されているかどうか、公式サイトに査定実績や取扱い事例が掲載されているかなどをチェックすると安心です。
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6. 複数業者に見積もりを依頼する
着物の買取で納得できる価格を引き出すには、1社だけに査定を任せず、必ず複数の業者に見積もりを取ることが重要です。業者ごとに査定基準や販路が異なるため、同じ着物でも数倍以上の価格差がつくことは珍しくありません。
たとえば、ある業者では「状態が悪いので引き取りのみ」と言われた着物が、別の業者では「素材と柄がリメイクに向いている」として1,000円以上の価格がつくこともあります。
とくに近年は、無料の一括査定サービスや、複数業者を自分で比較できる情報サイトも充実しており、手間をかけずに複数査定を取る環境が整っています。出張買取でも、日時をずらして依頼すれば複数社に来てもらうことが可能ですし、宅配査定であれば並行して送ることもできます。
また、複数社に査定してもらうことで、「他社ではこの金額だった」と交渉の材料にもなりやすく、価格を引き上げてもらえるケースもあります。



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着物の買取で失敗しない業者選びのポイント


着物買取に関する不満の多くは、業者選びの段階で適切な判断ができなかったことに起因しています。
どの業者に依頼するかは、着物の評価だけでなく、満足度や安心感に直結する大切な要素です。
ここでは、着物買取で失敗したと感じないために、依頼前に確認しておきたい業者選びの3つの視点を紹介します。
1. 安さの理由をきちんと説明してくれる
着物の査定額が想定より安かったとき、納得できるかどうかは「なぜその価格なのか」を丁寧に説明してくれるかどうかに大きく左右されます。
たとえ100円という査定だったとしても、その理由が明確であれば仕方がないと受け入れられる人は多いものです。
信頼できる買取業者は、値段がつきにくい着物についても、「こちらは証紙がなくサイズも小さいため、再販が難しいんです」などと、状態や市場背景を踏まえて根拠を示してくれます。
一方で、説明が曖昧だったり、「全部でこの金額です」とまとめて済ませるような対応の業者は、判断基準が不明瞭で、後から不信感を抱きやすくなります。
また、説明の仕方には業者の誠実さが現れます。査定価格だけにとらわれず、きちんと話を聞いてくれるか、疑問に対して丁寧に答えてくれるかといった「対応の質」も、業者を見極める大切なポイントです。


2. 着物専門の販路を持っている
査定額が大きく変わる理由のひとつに、その業者が着物の販路をどれだけ持っているかという点があります。これは業者の売る力を意味し、買取額に直結する非常に重要な要素です。
着物には一般的なリサイクル品と異なり、レンタル着物・海外輸出・舞台衣装・和装リメイク・骨董市場など、特殊な流通ルートがあります。
こうした販路を幅広く確保している業者であれば、状態や種類に応じた最適な売り先を選べるため、売れる見込みがあると判断して、比較的高めの査定が出やすくなります。
一方で、着物を専門的に扱っていない業者では、販路が限られており、結果として「この状態では売れませんね」とか「処分扱いになります」といった評価になりやすいのが実情です。
このように、同じ着物でも売る先があるかどうかで査定結果は大きく変わります。とくに、古くても柄や素材に個性のある着物は、再販ではなくリメイクや輸出で需要があるケースもあるため、販路のある業者に任せることが重要です。
3. 貴金属や他の品も一緒に査定してくれる
着物買取の現場では、着物単体で利益が出しにくい場合、業者は他の品とのセット査定で全体の価値を高めようとする傾向があります。
とくに、貴金属・ブランド品・時計・古銭などを一緒に査定してもらえる業者であれば、着物そのものにあまり値段がつかなくても、全体の利益構造を加味して価格を上乗せしてくれる可能性があります。
これは決して「他の品で釣ってくる業者」という意味ではありません。実際、多くの出張買取業者は、1回の訪問で複数ジャンルを一括査定し、総合的な評価で買取価格を調整しているのが現実です。
こうしたケースでは、着物そのものが再販しづらい状態であっても、業者側としては出張費や人件費をほかの品でカバーできると判断できるため、あえて値段をつけて引き取る選択をしてくれることがあります。
ただし注意したいのは、悪質な業者の中には、着物の査定を入り口にして貴金属をしつこく勧めてくるケースもあるという点です。
断っても強引に査定を続けようとする業者には注意し、あくまでこちらが希望すれば同時に査定してくれる姿勢の業者を選ぶことが大切です。
着物買取で注意したい業者の対応例とトラブル


着物を売る際には、どの業者を選ぶかが査定額だけでなく、取引そのものの安心感や納得感に大きく関わってきます。
ここでは、着物買取における代表的な注意ポイントを3つにまとめて解説します。これらの兆候が見られた場合は、一度冷静になって判断することをおすすめします。
1. しつこく貴金属や時計の買取を勧められる
着物の出張買取を依頼したはずなのに、到着早々「指輪はお持ちでないですか?」とか「使っていないブランド品はありませんか?」と、本題と関係ない貴金属や時計の買取を強く勧められるケースがあります。
こうした行為は、業者の利益構造上ありがちな対応ではあるものの、あまりにしつこい場合は注意が必要です。
もちろん、丁寧に説明をしたうえで「もしあれば一緒に見ましょうか」といった提案レベルなら問題はありません。
しかし中には、「着物は値段がつかないので、代わりにこっちを出してほしい」と迫ってきたり、「貴金属を出さないと出張料がもったいない」といった言い方をして、心理的に追い込むような対応をしてくる業者も存在します。
「着物を口実に別の品を狙う」ような姿勢を感じたら、その場ではっきり断ることが大切です。希望していない品まで査定に出す義務は一切ありません。



トラブルを避けるためには、事前に「今回は着物のみを見てもらいたい」と明言しておくとスムーズです。


2. 強引な買取を迫ってくる業者は要注意
「今すぐ決めてくれないとこの価格は出せません」とか「今日中に契約すれば高く買えますよ」などと、即決を迫るような強引な対応には注意が必要です。
本来、出張査定はユーザーにとって納得のいく価格や対応を見極めるための場であり、焦って即決する必要はまったくありません。
悪質な業者ほど、判断を急がせたり、断りづらい空気を作ることで契約を取ろうとする傾向があります。とくに高齢の方や、着物の相場に詳しくない人に対しては、その傾向が顕著です。
また、契約を急がせる業者ほど、後からトラブルにつながりやすい傾向があります。
たとえば「キャンセル不可」や「口頭で了承した=契約成立」と主張されるなど、利用者側が不利な状況に追い込まれるリスクも否定できません。
誠実な業者であれば、価格の理由を丁寧に説明し、ユーザーが持ち帰って比較・検討できる時間をしっかり確保してくれます。強引な買取の姿勢が見られた場合は、その場での即決は避け、別の業者に切り替えることを強くおすすめします。
3. 口コミで「がっかり」されている対応例
着物買取に関する口コミを見ると、「査定額が安かった」だけでなく、業者の対応そのものにがっかりしたという声が非常に多く見受けられます。
よく見られるがっかりした口コミの声は次のとおりです。
- 電話では「高く買い取る」と言っていたのに、実際は無料引き取りだった
- 査定員の態度が冷たく、説明が一切なかった
- 他の品を出すまで帰ってくれず、断りづらい雰囲気を作られた
- 玄関先でまとめてざっと見られただけで、広げて確認されなかった
- 査定員が明らかに急いでおり、「値段つきませんね」の一言で終わった
こうした対応は、査定額以上にユーザーの不信感を招き、もう着物は売りたくないと感じさせる大きな要因になります。
一方、実際に評価された接客対応の口コミ例は以下のとおりです。
- 査定額の理由を丁寧に説明してくれた
- 断っても嫌な顔ひとつせず、終始丁寧な対応だった
- 時間をかけて1点ずつ広げながら丁寧に見てくれた
- 無理に契約を迫らず、「検討してください」とゆとりある姿勢だった
丁寧な対応が好印象に繋がっているようです。



編集部では、ある業者の出張査定を体験した際、査定員から「ほかに買取できるものはありませんか」と聞かれる場面がありました。着物査定の流れ自体は丁寧でしたが、貴金属やブランド品など、別の品を促すような対応に少し戸惑いを感じたのも事実です。
その後、別の業者では終始着物に焦点を当てた説明があり、落ち着いて相談できたことで印象が大きく変わりました。同じ出張査定でも、対応の姿勢ひとつで安心感に差が出ると感じます。
まとめ|査定額100円を回避して納得の売却を
これまでの内容を振り返ると、「着物を100円で査定された」という結果は決して珍しいものではなく、今の中古市場の構造を正しく理解すれば、その理由が見えてきます。
最後に記事全体の要点と、納得できる売却につなげるための行動ポイントを整理します。
着物が100円査定になりやすい主な理由は次のとおりです。
- 需要の少なさ
- 証紙や作家名の欠如
- サイズ・保存状態
- 業者の販路不足
中古の着物市場では買い手が限られており、再販の難しさが査定価格に大きく影響しています。
また、どれだけ質の良い着物であっても、それを適切に売るルートを持っていない業者では価値を正しく評価できず、結果として「引き取りのみ」や「まとめて100円」といった査定になりがちです。
100円査定を避けるための6つの対策として、納得できる価格で手放すには次の行動が有効です。
- 小物や帯をセットで査定に出す
- 証紙・落款・作家名を事前に確認する
- 状態の良い着物は分けて見せる
- 需要が高まる時期に査定を依頼する
- 着物買取専門業者に依頼する
- 複数の業者で見積もりを取る
とくに「着物専門の買取業者を選ぶこと」は最重要ポイントです。



着物の買取価格は「業者の目利き」と「販路の幅」で大きく変わります。
編集部でも、地域のリサイクルショップでは数千円だった着物が、着物買取専門業者「ザ・ゴールド」では数万円の査定になった経験があります。
一度100円査定と告げられても、あきらめる必要はありません。複数の専門業者に相談し、自分の着物に合う販路を持つところを見つけることが、納得できる売却への近道です。