全く着物のことは詳しくないという人でも「友禅」という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。聞いたことはあるけれど、どんなものかは説明できないという人の方が多いかもしれません。
友禅というのは布に模様を染める技法の中の一つで、日本でも代表的な染色工芸です。本友禅と言われる手描き友禅、型紙を使った型紙捺染の型友禅、米糊ではなく小麦粉を使った玉糊友禅などがあります。
友禅は産地によって呼び名があり、京都は京友禅、石川県は加賀友禅、東京は東京手描き友禅または江戸友禅と言い、それぞれに特徴があります。
特徴を簡単に言うと、京友禅は「雅」がふさわしい、絢爛豪華な柄、加賀友禅は自然を題材にした絵画調の柄、東京友禅は風景模様が好まれて描かれています。
ここでは、京友禅、加賀友禅、東京友禅の特徴や歴史について詳しく解説していきます。今まで全く着物(染物)に興味がなかった人にもわかりやすくまとめますので、この機会に友禅について詳しくなりましょう。
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目次
友禅とは?
友禅というのは、日本を代表する文様染めのことを言います。江戸時代の中期に宮崎友禅斎によって完成されたものと考えられています。
友禅染めには、京友禅、加賀友禅、東京友禅があります。それぞれの特徴を簡単に言うと、京友禅は色調が柔らかで配色に神経が使われており、上品です。
加賀友禅も京友禅と同じように多色を使いますが、色調は深みがあるものになります。加賀友禅の大きな特徴には、虫喰いという表現があります。見たものをありのままに表現するのが加賀友禅の特徴でもあります。
東京友禅は江戸友禅、東京手描き友禅とも言われるもので、江戸の街の文化、人などを背景にしたもので、都会的なセンスが漂うデザインが特徴です。
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友禅の由来「宮崎友禅斎」とは?
宮崎友禅斎は、友禅染めを考案した人物だと言われています。宮崎友禅斎の出生地や没年、没地については諸説あり、その生涯がはっきりしていない謎の人物です。
友禅斎の名前が初めて登場したのが井原西鶴の好色一代男で、友禅斎は京都で評判の扇絵師でした。この頃は友禅扇子を持たない人はおしゃれではないという記述もあることから、友禅斎の人気が高まり始めたと考えられます。
友禅斎の描く絵は季節ごとの草花や竹、梅を丸く描いた模様が多く、扇絵師らしいと言われていました。友禅斎の図案で染めた着物は大変人気となり、このことから友禅染めと言われるようになりました。
友禅斎についてはこれ以上のことはあまり解らず、真相は謎だと言われています。
友禅には全部で3種類ある
友禅には、京友禅、加賀友禅、江戸友禅(東京友禅)の3種類があります。京友禅は宮崎友禅斎の影響を強く受けおり、加賀友禅は京都から加賀へと宮崎友禅斎が移住し、加賀藩にお世話になったことから始まったと言われています。
東京友禅は東京で染める手描き友禅のことを言います。
この3種類の友禅の特徴と歴史はどのようなものがあるのでしょう。それぞれの友禅の特徴や歴史について解説していきます。
京友禅について
京友禅の特徴とは、宮崎友禅斎の影響を強く受けているものです。色調は明るくて華やか、柄は有職文様や古典柄、幾何学文様を大柄に配しています。
雅で公家好みの趣があります。金箔や刺しゅうをあしらいに使い、とても絢爛豪華な友禅です。
京友禅は伝統工芸品に指定されています。伝統的工芸品とは、昭和49年5月公布の伝統的工芸品産業の振興に関する法律により、経済産業大臣が指定する工芸品を指します。
伝統的というのは、その工芸品を製造する技術や技法が100年以上の歴史を持っていて、今現在まで続いているということが必要なのです。
もし技術や技法が受け継がれている間に改善や発展があったとしても、京友禅の特質を変えなければ伝統的技術になります。
京友禅はいつの時代にでき、今に至るのでしょうか。京友禅の起源は、桃山時代の後期から江戸時代の初期にかけて作られた「辻が花染」、江戸時代の初期から中期の「茶屋染」だと考えられています。
その当時、京都の知恩院の近くに住んでいた扇絵師である宮崎友禅斎の画風を着物のデザインに用いたことで、華やかで美しい模様染めの分野に生かされました。これが友禅染の誕生だと言われています。
友禅という名前は宮崎友禅斎から取ったもので、すさまじい勢いで流行していきました。
江戸時代の友禅染は、今の手描き友禅とほとんど同じ方法で作られていました。その後明治に時代が進むと染色に化学染料が使われるようになります。
この時、廣瀬治助が化学染料と糊を使って色糊を生成し、友禅模様を型紙で染めるという工程の写し友禅染めが生まれました。これが現在にある型友禅というものです。
型友禅ができたことにより、大量生産が可能になって友禅が多くの人に広まっていきます。京友禅で欠かせないのが京都の地下水です。京都の地下水は良質で、この水が京友禅の華やかな色と柄に命を与えることになるのです。
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加賀友禅について
加賀友禅は五彩と言われる臙脂や藍、草、また黄土や古代紫をベースとして着物にとても美しい自然の息吹を封じこめています。絵柄はありのままに描写された草花模様が中心で、その柄は絵画のように見えるのが特徴となっています。
民族衣裳文化普及協会「加賀友禅」によると、虫食いや外ぼかしといった技法を使い、金箔や絞り、刺しゅうといった技法をほとんど使わないのも加賀友禅の特徴です。これらを使う京友禅と違う特徴と言えるでしょう。
加賀友禅の歴史は今から約500年前、加賀独特の染め技法であった梅染にさかのぼります。それから模様が施されるようになったのが17世紀の中頃です。
京都で人気が高かった扇絵師の宮崎友禅斎が金沢の「太郎田屋」に住んでいた頃、斬新なデザインの模様染めを次々と作りました。
そこで友禅糊の技術を定着させ、加賀友禅の発展に大きく貢献したのです。その後は、加賀百万石の武家文化で培われ、たくさんの名工を輩出したと言われています。
明治時代になってからは化学染料が次々と開発されたため大量生産が可能となります。このタイミングで型友禅や捺染プリントの基礎となる染色技術が生まれたのです。
戦前や戦後の一時期は、贅沢が禁止されていたこと(奢侈禁止令)もあり、加賀友禅もかなりの打撃を受け、苦しい時がありました。
しかし、宮崎友禅斎生誕300年祭(昭和28年)をきっかけに、加賀友禅は再び盛んになってきたのです。
加賀では昭和50年に伝統的工芸品の指定を受けました。そして昭和57年には金沢市内に加賀友禅伝統産業会館が建設され、友禅業界でも協業するようになっていったのです。
近年、何でも合理化が進められ、友禅染も例外ではありませんでした。しかし金沢では工程の中に少しでも手作業の部分を残すようにし、伝統の技法によるぬくもりや職人の心を伝えようとしています。
しかしながら、加賀友禅の職人や作家の後継者不足は否めず、伝統が後世に引き継がれるように新たに加賀友禅に携わることを目指す人が生まれることを望んでいるところです。
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東京友禅について
東京友禅というのは、東京で染める手描き友禅のことです。以前は江戸友禅と呼ばれていました。その江戸友禅の始まりは、江戸時代の中期と言われています。
この頃の江戸には、物流が京都方面から流れてきていました。京都方面で作られたものは質の高い品が多く、友禅もその中の一つとして江戸に伝わったのです。
東京都工芸染色協同組合「東京手描友禅」によると江戸時代というと大名が参勤交代制度によって江戸にやってきていたため、それに伴い大名のお抱えの絵師や染師も他の職人たちと同様に京から江戸に移り住むようになり、江戸にも友禅染めが広まるようになったのです。
京だけでなくそれぞれ地方の各種技術、技法の交流が始まって伝わっていき、江戸特有の文化にも育まれてより洗練されたものづくりがされるようになりました。
江戸友禅は五代将軍綱吉の母、桂昌院に呼びよせられた京の友禅職人が考えだしたという説もあります。
友禅染めには多くの水資源が必要です。そのために江戸の友禅職人は河川流域にたくさん住んでいたと言われています。特に多かったのは神田川と隅田川流域です。
友禅は、元々すべて分業制の手仕事です。東京友禅も基本的に分業制なのですが、現在の東京友禅は一人の作家や一つの工房で受け持つ仕事が多くなっています。
なぜ分業制でなくなったのかは、戦争で東京が壊滅的な打撃を受けたこと、戦後日本人の生活スピードが変化したことが考えられます。
江戸友禅の特徴は武家や町人の好む磯の松や千鳥、網干し、また釣り船や葦といった風景模様の柄です。色は、白や藍色を使ってすっきりとした色合いに仕上げています。白生地の白をそのまま生かしたり、赤色も少し控えめな朱さびなどが使われます。
江戸城内の大名の奥様たちには、御殿風という武家好みの柄が人気となっていました。江戸は武家中心の文化であったため、江戸友禅も落ち着いた雰囲気のものとして根付いたようです。
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京友禅・加賀友禅・東京友禅の違い
京友禅、加賀友禅、東京友禅の違いはどのような点にあるのでしょうか。京友禅は宮崎友禅斎の影響を強く受けていて、雅で華やか、公家好みの色柄です。友禅以外に金箔や刺しゅう、絞りなどを施し、絢爛豪華な友禅です。
加賀友禅は宮崎友禅斎が京都から加賀へ移り住んだ時に加賀藩から守られたことが始まりだと言われています。
加賀五彩(臙脂、藍色、黄土、紫、藍)を基調とし、草花鳥といった自然を題材にした絵画調が特徴です。金箔や刺しゅうは使いません。
東京友禅は江戸の中期に京から下ってきたくだりものが江戸に集まり、広まったものです。柄は磯の松、釣り船、千鳥、干し網といった風景が多く、色柄ともに渋いのが特徴です。
模様の違い
京友禅、加賀友禅、東京友禅とありますがそれぞれ模様が違います。京友禅は写生に基づいた作風で、絵画的な友禅です。明るくて華やかな色、柄は大柄で遠目からでも映えます。よく「雅」という言葉で例えられるのも頷けます。
京友禅に見られる模様は御所解き文様と呼ばれる御所車や花熨斗、檜扇、また花車や鳳凰、そして有職文様と言われるものです。金箔や刺しゅうをあしらい、豪華絢爛です。
加賀友禅は加賀五彩と呼ばれる五色(臙脂、藍、紫、黄土、緑)を基調色とし、草や花、鳥などの自然を題材にしたものです。
代表的な柄に「虫食い葉」というのがあります。染めのみを用いる友禅なので、金箔や刺しゅうは使いません。
東京友禅は磯の松や釣り船、千鳥、さらに網干しといった風景を採り入れた模様に人気がありました。これは、江戸の生活感覚や美意識の影響で、これが京友禅と違うところです。
また、江戸城の奥女中たちには、「御殿風」という武家好みの柄が好まれていました。こういった江戸友禅の美意識は、現代でもモダンな友禅としてあらわされています。
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ボカシ技法の違い
友禅にはボカシ技法があるのですが、ボカシ技法をよく使うのは加賀友禅です。京友禅はボカシ技法はありますがあまり使いませんし、東京友禅ではボカシ技法はありません。
加賀友禅のボカシ技法は、草花模様で花弁の外側をぼかしていきます。外側が濃く、内側に行くほど薄くなります。これは「外ぼかし」という技法です。加賀友禅独特の技法と言えるでしょう。
京友禅のボカシ技法は、花弁をぼかすとしても中心をぼかす方法です。加賀友禅とは逆で、内側が濃く、外側に行くほど薄くなっています。
加賀友禅ではボカシ技法を多用しているため、より絵画的に、そして立体感があるように見えます。京友禅では、あまりボカシ技法を使わず、金箔や刺しゅうを用い、豪華絢爛に見えるようにしています。
同じ友禅でも使う技法が様々で、描かれる模様なども違いますからそれぞれの友禅の特徴を覚えておけば見分けられるようになるかもしれません。
ボカシ技法も京友禅と加賀友禅とでは全然違うので、ぼかしを見れば京友禅か加賀友禅かはわかるのです。
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虫喰いについて
虫喰いというのは、加賀友禅にみられる図柄のことです。虫喰いを図柄にするのかと驚きますが、友禅になると虫喰いもきれいに見えるので不思議です。
なぜ虫喰いを柄にするのかというと、加賀友禅は自然描写が基本となっているため、あえて虫喰いも図柄にするのです。しかし、加賀友禅には必ず虫喰いがあるという解釈はちょっと違います。すべてに虫喰いが描かれるわけではないのです。
京友禅は柄が図案化されているので、虫喰いは描かれません。加賀友禅の虫喰いも、よく見ないとわからないくらいです。
花の下にある葉の一部が虫喰いによって変色したものが描かれ、変色部分もそれなりにきれいな色に見えるので、加賀友禅独特の技法になっているようです。
京友禅か加賀友禅か東京友禅かを見分ける時に、虫喰いが描かれていれば加賀友禅であるのは間違いありません。
しかし、虫喰いが描かれない加賀友禅があるので虫喰い以外の特徴も知るようにし、それぞれの友禅が見分けられるようになると着物を楽しむことができるかもしれません。
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糊について
友禅は柄の縁に糊をつけ、色移りしないようにします。輪郭の内側を染色した後にその糊を洗い流すのですが、これを友禅流しと言います。糊を水で流すと、糊のついていた部分は白く残ります。
使われる糊は、米糊やゴム糊がありますが、加賀友禅ではもち米とぬかを原料とした糯糊が、京友禅では以前は糯糊でしたが現在ではゴム糊が多く使われています。この技法は、宮崎友禅斎が考案したと言われています。
職人が下絵を描き、その上から糊を正確に輪郭線を描いていかなくてはなりません。糊によって仕上がりが変わり、糯糊は多少染料が浸透してしまうため、ぼんやりとした柔らかい仕上がりになります。
ゴム糊は染料をしっかりはじくため、くっきりとした仕上がりになります。
糊や余分な染料を落とす友禅流しは、水のきれいな川で行われます。寒いところで行われることが多く、金沢では雪解け水にさらすことがありました。川の上にきれいな布が泳ぐ光景は、観光客の目を楽しませるものでもありました。
しかし最近では川の汚れなどがあるため、加賀友禅染色団地内の人工の川で行われています。
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地染めの違い
友禅の工程に、地染めがあります。地染めは、生地全体の地の色を染めることです。輪郭に使う糊で模様全体を覆った後、地の色の染料で染めます。
地染めは着物に仕立てた時に、合わせた左右両方の生地の色が同じでないといけないので熟練した職人でないと難しいと言われています。
加賀友禅と京友禅とではこの地染めの方法に違いがあります。加賀友禅ははじめに図案を描き入れてから地染めへ、そして京友禅はまず地染めを済ませてから図案に色を入れていきます。
基本的に加賀友禅では一人の作家が図案を描き入れるため、白生地に図案を入れ地染めをします。京友禅は分業制となっているので、図案、地染め、色挿し、刺しゅう、金箔を置くというそれぞれに担当がいます。
そのため、柄の部分に糊を乗せて地染めをし、糊を落としてそれぞれの職人へ送られるのです。
地染めは、藍などのように原料を発酵させる染料の場合、酵素の活性を高めるために高温多湿の環境で行わなければなりません。そのため、夏に行われることが多くなっています。
このように、友禅は時間をかけて作られていくものなのです。
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染色の色の違い
京友禅と加賀友禅の染色の色にも違いがあります。京友禅は朱、緑、桃色、薄青、紅、水浅葱といった優しく明るい色です。
加賀友禅は臙脂や藍、黄土ぶ草、そして古代紫の五色で加賀五彩と言われます。
京友禅は淡く上品な色が中心で、全体的に多くの色を使いません。加賀友禅は京友禅よりも濃い色調なので、はっきりとした配色です。そのため、写真に写した時、色柄がくっきりきれいに写ると言われています。
京友禅は多彩な色を使うのですが柔らかい色調なので、金箔や刺しゅうをあしらった装飾を積極的に併用しています。
一方加賀友禅は染色の色はメリハリがあるものですから金箔や刺しゅうといった装飾は行いません。
東京友禅は、渋く落ち着いた色味ですが、そんな中にも都会的センスの洒落間が漂うものとなっています。
染色の色とは少し離れるのですが、防染の役目の糊置きをせず、直接白生地に絵柄を染色する描上友禅という技法もあるので知っておくと良いかもしれません。
描上友禅は高度な技法が要求されるため使える職人は数人しかいないと言われています。
分業制と作家物
友禅は、元々すべての作業が分業で行われていました。構想や図案、下絵や糊置き、色挿しなどの工程にはそれぞれそれ専門の職人が行うのが主流となっています。
京友禅は今でも分業制をとっているため、作家物(一人の作家が最初から最後まで作った)というのは少ないのです。それぞれの工程を専門の職人が行い、一枚の着物を作り上げます。
ごく少数ですが、ほとんどの作業を自身で行う職人はいるようです。
加賀友禅では、加賀友禅作家として協会に認定されないと作家だと名乗れません。作家は落款を加賀染振興協会に登録していて、その落款を見ればどの作家が作ったものかがわかるようになっています。
登録数は数百ありますが、実際に作家として活動している人はかなり少ないと言われています。
加賀友禅作家になるには師の工房で7年以上の修業を積み、それから師匠ともう1名(協会会員)の推薦をもらって協会の会員資格を取ります。厳しい修行を積まないと加賀友禅作家にはなれないのです。
東京友禅は、分業制の要素が少なくなってきており、一人の作家が作業を行うとか、一つの工房で仕事を受け持つといった方法で制作されるようになっています。
加賀染振興協会に認定されるには
加賀友禅作家と名乗るには、加賀染振興協会に落款を登録済の加賀友禅技術者でないといけません。加賀染振興協会に「登録したい」といっても登録できるものではなく、審査や条件があります。
まず、加賀友禅の工房を営む師の下で7年以上修業します。そして加賀友禅作家としてふさわしい技量を身につけます。
加賀染振興協会会員2名の推薦を得て協会の会員資格を得ることになります。
会員2名は師匠ともう一人見つけるということです。協会から認可されると、落款の登録と協会会員資格が得られる仕組みとなっています。
落款というのは、作家の印鑑のようなもので、「この作品は私が責任を持って制作しました」という意味と、本物の加賀友禅であることは間違いありませんという意味があります。
落款制度がある加賀友禅は、伝統的工芸品としての品質を落とさず、また消費者に対しても安心感を与えています。さらに落款があることで本物の加賀友禅を持っている喜びも与えているのです。
加賀友禅作家が制作したものには必ず落款が印されていますので、それで確認することができます。本物の加賀友禅であるという証明と、作家自身のプライドでもあるのです。
加賀染振興協会の落款登録とは?
(画像出典:加賀染振興協会)
加賀友禅には落款制度というのがあり、加賀友禅作家は必ず落款登録をしなければなりません。加賀染振興協会に落款が登録されていないと、加賀友禅と認められませんし、加賀友禅作家が作ったものとも認められません。
登録されている落款は、「加賀友禅」というホームページで検索でき、作家名もわかるようになっています。
加賀友禅作家は必ず落款登録をしますので、落款が無いものはいくら加賀友禅だと言われても認められないのです。
京友禅にも落款があるものもありますが、登録制度はありません。登録制度がないのは、京友禅は分業制が主流となっているため作家一人に特定することができないからだろうと考えられます。
加賀友禅の産地は金沢だけじゃない
加賀友禅というと金沢のものと思われていますが、実は金沢以外の京都や十日町でも加賀友禅と同じような技法で制作されています。
加賀友禅というと、加賀染振興協会が認めた加賀友禅作家が制作した着物で、認定作家が制作したものは本加賀友禅と言われています。
京都で制作された加賀友禅調の着物は京加賀友禅と、十日町で制作された加賀友禅調の着物は十日町友禅と言います。
京加賀友禅は見た目は加賀友禅ですが、少し雰囲気が違います。どちらかというと少し安っぽく見えます。十日町友禅は優しい花柄のものが多く、本加賀友禅と比べるととてもお買い得な値段で売られています。
加賀友禅といっても、本加賀友禅、京加賀友禅、十日町友禅とあるので知っておきましょう。
友禅の着物や帯が汚れた場合の応急処置方法
着物を着て出かけると凛とした気分になって良いものです。しかし、普段から着慣れていないのもあり、何かの拍子に汚してしまうこともあります。
洋服の場合は素材によって家で洗うことができますが、友禅などの着物は家で洗濯するわけにはいきません。もし着物や帯を汚してしまったらどのように対処すれば良いのでしょうか。
着物についたシミは基本的に自分で何とかしようと思ってはいけません。触らないことが鉄則なのです。テレビや雑誌で、誰でもできる簡単シミ抜き方法を紹介していることがありますが、着物の場合は真似しない方が良いです。
着物は染色していますから、下手に触ることでシミ以外のところまで色を抜いてしまったり、かえって汚れがひどくなる場合があります。
もし、飲み物をこぼしてしまったとか雨の日に泥はねがついたというような場合は、応急処置として乾いたティッシュで軽く押さえて水分を取るだけにしましょう。この時、シミを擦ってはいけません。
その後、速やかに着物のしみ抜き屋さんに持って行きましょう。帯も同様に、汚してしまったら専門家に相談するのが一番です。
せっかくの晴れ着が、台無しになってしまわないよう、正しいお手入れをするようにしましょう。
友禅って売れるの?買取査定できるってホント?
着物を譲り受けたけれどあまり着る機会がないので処分したいが、捨ててしまうのはもったいない、昔に作ったけれど譲る人もいないので処分に困っているという人は意外と多いです。
最近ではいろんなものを買取してくれるお店が増えました。着物も買取してもらえるのですが、着物の買取専門のお店に査定してもらわないときちんとした金額が出ません。
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特に友禅などの着物はとても高価なものですから、専門家が見れば良いものであることはわかります。
友禅には京友禅、加賀友禅、東京友禅とあり日本三大友禅と言われています。これらの着物は普通の着物と違い、買取価格は高い相場になっています。
有名な作家が制作したものや、作家が人間国宝に指定されているような場合はかなり高額買取が期待できます。
友禅は高額査定の条件の一つ「経済産業省指定伝統的工芸品」
着物には紬や友禅、小紋などがありますが、買取業者に買い取ってもらう場合、友禅は比較的高額査定が期待できると言われています。
京友禅、加賀友禅、東京友禅は日本三大友禅と言われており、いずれも伝統的工芸品に指定されています。
伝統的工芸品とは経済産業省の指定を受けたもので、日常生活で使い100年以上の歴史があるものか、など5つの項目を満たすものかを審査され指定を受けます。
この指定を受けたものは、それだけの価値があるとみなされ、友禅の場合は買取査定をしてもらうと高額査定がつく可能性があるものです。
もちろん、保管状況などによって査定額は変わりますが、友禅染めは価値のあるものとして評価されています。
友禅の買取相場は証紙の有無(西陣証紙)などで変わる
できるだけ着物を高く売りたいのなら、証紙がある方が有利です。京友禅なら京友禅証紙、加賀友禅なら加賀友禅証紙というものがあります。
また、京友禅や加賀友禅、東京友禅は伝統的工芸品に指定されていますので、伝統証紙が付く場合もあります。
着物を買取業者に査定してもらう時、証紙があるかないかで査定額が変わる可能性があります。友禅証紙であれば、本物の友禅であるという証明になるからです。
証紙がなくても査定はしてもらえますが、査定額が若干下がる恐れがあります。着物買取業者は専門家ですから見るだけでわかるかもしれませんが、中古の着物を買う人にとっては、証紙が本物かどうかの証しとなるので、あった方が良いのです。
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保管状況の良し悪しなども大きく変わる原因になる
最近では使わなくなったものを買取してくれるサービスが増えてきました。どんなものでもそうですが、きれいに保管してあるものだとやや高めの買取価格をつけてくれることがあります。
着物の買取も同じで、保管状況の良し悪しで査定額が変わります。せっかく良い着物でも汚れがあったりシミ、カビ、破れなどがあれば査定額は大きく下がります。
特に加賀友禅では加賀五彩を用いた色あいがはっきりとしていて、シミなどがなく、保管状況がとても良いものだとかなりの高額査定が期待できます。
長い間使っていない着物は、晴れた天気の良い日に虫干しをして湿気から守るようにしましょう。着ていない着物なら年に2回から3回程度で良いので、虫干ししておくと良い状態で保管できます。
友禅の買取の正しい業者選び
不用品を買取するお店はたくさんあります。何でも買取しますというお店も多いですが、着物については着物買取専門店へ査定を依頼するようにしましょう。
家の近くにあるからとリサイクルショップに着物を持ち込む人もいますが、リサイクルショップに着物の価値がわかる人はほとんどいないといっても良いでしょう。
いくら友禅のような良い着物でも、「廃品」とみなされて査定額ゼロになってしまう可能性があるのです。
友禅などの着物の買取を依頼するなら、それなりの専門業者を探すようにしましょう。インターネットで探せばすぐ見つけられますし、そのお店が遠方であっても宅配買取をしてくれるところもあります。
納得できる金額を出してもらえるよう、業者選びは慎重に行いましょう。
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近所のリサイクルショップやネットオークションでは価値がわからず高額査定になりにくい
着なくなった洋服や使わなくなったものをリサイクルショップやネットオークションに出して処分する人が増えています。どんなものでも金額がつくので、ゴミに出すより良いとお店に持ち込んだりオークションに出品したりするのです。
ほとんど着ない着物を何年もタンスに保管しているので、処分してしまいたいとリサイクルショップやネットオークションに出す人がいますが、これは止めた方が良いでしょう。
着物の価値がわからない人が見ているので、金額がつかないことがあるのです。
その着物が友禅だった場合、着物買取専門店なら高額で買い取ってもらえる可能性があります。専門店なので着物に精通した人がおり、価値もすべてわかっていますから的確な査定をしてくれます。
質の低い業者だと高額な着物だとわかっていながら安く買い取られる可能性も・・・
着物の買取は専門の買取業者に依頼するのが一番良いのですが、着物買取業者もインターネットで探してみるとたくさん出てきます。よくわからないので適当に決め、買取を依頼したらそれがあまり質の良くない業者だったということがあります。
着物の良し悪しは見分けられるので、これは良い着物で買取額も高くなるとわかっていながら安い価格で買い取る業者があるのです。
依頼した側はそれが妥当な値段だと納得してしまい、損をすることになります。中には伝統工芸士という称号を不正に使用して信用させるという業者もあります。
このようなことが無いように、買取業者選びは慎重にしなければなりません。口コミ情報をチェックしたり、ホームページなどをしっかりとチェックして決めるようにしましょう。
必ず信頼できる買取業者に依頼する
着物の買取業者の中には優良業者もあれば悪徳業者もあります。今はインターネットで口コミ情報や評判が調べられますし、その業者のホームページなども確認することができます。
信頼できる業者を選ぶことが一番ですから、着物買取業者を紹介しているサイトや口コミを参考にして選ぶと良いでしょう。
査定は無料で行ってくれるところがほとんどですから、いくつかの業者に査定をしてもらい、その時の対応で決めても良いです。
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買取方法には持ち込み、宅配、出張の方法がありますが、いずれの方法を利用しても依頼した側には一切費用は発生しません。
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【種類別】友禅着物以外の買取相場一覧をまとめてみた
ここでは友禅の着物以外の買取相場価格がわかるように、着物の格(TPO)を含めた種類別、そして高級品に該当する着物の相場がわかるように分類しました。
格(TPO)から探す
高級着物(友禅・紬・上布・人間国宝・作家物・ブランド品など)から探す
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まとめ
友禅には京友禅、加賀友禅、東京友禅という日本三大友禅があり、これらは伝統的工芸品に指定されています。京友禅、加賀友禅、東京友禅にはそれぞれ特徴があり、好みも分かれることでしょう。
しかしいずれの友禅も大変格式のあるもので、有名作家が制作したものだとかなりの高額になる着物です。
そういった着物を譲り受けたとか、昔に買っておいたという人が、もう着ることはないので手放そうと考えた時は、着物の買取を専門にしている業者に買い取ってもらうと良いでしょう。
リサイクルショップでの買い取りは、必ずしも着物の知識がある人が査定するわけではありません。アルバイト店員が査定することもあるでしょう。これらのお店にはマニュアルがあり、商品によって査定額があらかじめ決められていると聞きます。
着物の場合、友禅など伝統的工芸品であるようなものを、きちんと判別して査定することは難しいのでほとんど値段が付かずに引き取りだけされたというケースがあります。
そういったことが無いように、着物買取専門店へ依頼するのが良いのです。専門店なら着物の鑑定ができる人がいますので、きちんとした査定額を出してもらえます。