着物買取の基礎知識

着物の紋とは?種類や格の違いを徹底解説【買取査定額に影響あり】

着物の「紋」は、もともと中国から伝わった文化で、平安時代には牛車に紋を入れることによって所有している公家を明らかにする、という目的がありました。これが戦国時代には「旗印」として活用されるようになり、やがて明治以降には「家族」を示すものとして広く使用されるようになりした。

紋は「染め抜き紋」「縫い紋」「貼り付け紋」の3つが基本です。最も格式が高いのは「染め抜き紋」で、次いで「縫い紋」、最後に「貼り付け紋」とされています。

代表的な3つの他に、「のぞき紋」や「伊達紋」、「加賀紋」などがあります。これらの紋はおしゃれを楽しむというよりカジュアルな視点で用いられています。

家紋とは何?意味や定義、歴史を紐解く

家紋は、平安時代に公家が使用していた牛車に独自の紋様を入れたことから始まったとされています。室町時代以降になると、多くの武家が戦場において自軍を見分けるため、旗に紋様を使用するようになりました。(参照:家紋のはなし)

江戸時代になると、家紋は「格式」や「家柄」を示す象徴として公家と武家の両方で広く用いられるようになります。結果として、家紋はより高尚な意味合いを帯びるようになりました。

一方で、江戸時代の中期から後期にかけて、家紋の使用が一般大衆にも広まっていきます。ただし、公家や武家のように「家柄」や「格式」という考えに基づく家紋ではなく、着物に艶やかさを加える装飾として使用されるようになり、独自の文化として発展を遂げました。

家紋以外にも紋を入れる場合がある?

着物に紋を入れる場合には、家に代々伝わっている紋を使用する、というのが基本となっています。とはいえ、幾つかのケースでは家紋以外の紋を選んで着物に入れることがあります。

1つ目のケースは「女紋の使用」です。「女紋」とは江戸時代から始まった習慣で、女性が母親から代々受け継ぐ紋のことです。女性らしいデザインが特徴的で、着物を仕立てる際に嫁いだ先の家紋を入れる代わりとして女紋を入れるケースは珍しくありません。

もう1つのケースは「カジュアルな用途」です。「おしゃれな着物が欲しい」「自分だけのオリジナル着物を持ちたい」という人の中には、紋入りの着物を仕立てる際に家紋ではなく自分の好きな紋を選ぶことがあるのです。

紋を入れる数、入れる位置にも違いある。

着物に入れる紋の模様はバリエーションが豊富である一方、紋を入れる数と位置はきちんとした決まりがあります。紋の数は5個、3個、1個のいずれかです。

「五つ紋」は最も格が高い紋の入れ方とされています。紋を入れる位置は背中の中心と両胸、そして後ろ袖の5カ所となっています。一方、「三つ紋」は背中の中心と後ろ袖の3カ所にだけ紋が入っており、両胸にはありません。

「一つ紋」は背中の中心にだけ紋が入っています。いずれの場合も紋の大きさは共通で、男性用は4cm程度、女性用の着物には2cm程度となっています。紋を入れる位置が正しくない場合、基本的にフォーマルな場では使用することができません。

着物の紋の基礎

着物

着物の紋は格式の高い服装をするうえで欠かすことができないものです。紋のモチーフとしては草木や花々、動物や景色などさまざまなものが用いられており、種類は1万種類を超えるとされています。

紋の形は家によって異なります。紋の入れ方によって着物の格が変化するので、それに伴ってその着物を使用する場面も変化します。また、着物そのもののデザインや生地の色合いによって、紋を入れる数が変わるということも覚えておきましょう。

紋の表現方法

紋には表現の方法が幾つも存在しています。そのため、デザインが同じであっても表現の方法が異なることで印象や趣はまったく異なってきます。表現方法によってそれぞれ格が異なり、白く染め上げられた範囲が広いほど「格が高い」とみなされます。

紋の表現方法は主に4つあります。「日向紋」、「陰紋」、「中陰紋」、「のぞき紋」です。それぞれに格式が定められているので、着物に紋を入れる場合には「どんな場面で使うのか」を念頭に置きつつ表現方法を選択する必要があります。

表現方法が決まったなら、それに合わせて着物に家紋を入れる手法や紋の個数なども決める必要があります。ですから全体のバランスを考えながら表現方法を選択することが大切です。

日向紋(陽紋)

表現方法の中で最も格が高いとされているのが「日向紋(陽紋)」です。「表紋」とも呼ばれるこの表現は、着物に入れる紋全体を綺麗な白色で染め抜いたものです。遠目からでもはっきりと紋の形が分かるのが日向紋の特徴です。

冠婚葬祭など公式な場所で使用する留袖や喪服などは「第一礼装」であることが求められます。着物の第一礼装には、染め抜き紋で作られた日向紋が入っていること、そして五つ紋であることが求められます。

着物の紋が日向紋であったとしても、紋の数が3個以下である場合には格が下がってしまいます。そうなると、その着物は「略礼装」としての使用に限定されてしまう、ということを覚えておきましょう。

陰紋

紋の輪郭のみを白い線で表現したのが「陰紋」です。「裏紋」とも呼ばれるこの表現方法は、白いラインと生地の濃い色が美しいコントラストになります。紋の大きさそのものは日向紋と同じになります。

紋を入れるための手法は、日向紋と同様に染め抜き紋が用いられることがほとんどです。ただし、陰紋は正式な日向紋の略式と位置付けられており、紋の格としては日向紋に劣るものとされています。そのため、陰紋が入った着物を冠婚葬祭で着ることはマナー違反となってしまうので注意が必要です。

陰紋は五つ紋や三つ紋の和装で用いられることはほぼありません。大抵は羽織など一つ紋の和装に入れられており、略礼装向けとして活用されています。

中陰紋

紋の輪郭を太い白線で表現したものが「中陰紋」です。陰紋よりも紋様がはっきりとしているため全体像をより認識しやすいという特徴があります。また、見た目の華やかさや存在感という観点からも、線が太い中陰紋に分があると言えるでしょう。

中陰紋は日向紋と陰紋を組み合わせた紋であることから、格は2つの紋の中間に位置付けられています。ただし、中陰紋は略式という扱いではないため、日向紋と同じく染め抜き紋で作るのが一般的です。

「日向紋の着物を着るほど格式の高い場面ではない」という時に中陰紋が利用されます。また、中陰紋が用いられるのは三つ紋もしくは一つ紋の和装であり、五つ紋に用いられることはほぼありません。

のぞき紋

「のぞき紋」はしゃれ紋の1つであり、円形に囲った中で紋が半分だけ顔を出す、という模様になっています。オリジナルの紋にある丸型やひし形がわずかに見えている、というのがポイントで、手法としては染め抜き紋や縫い紋が用いられています。

のぞき紋の文化は江戸時代に始まったと考えられています。「すべてを見せるのではなく、少しだけ見せる」というところに粋な江戸っ子は魅力を感じるようになり、和装だけでなく他の小物などにものぞき紋が使用されるようになりました。

のぞき紋は正式な紋ではないため、冠婚葬祭などのフォーマルな場面では使用することができません。ですから、カジュアルな服装や遊び心を持ったスタイルが許容されるシーンで活用することが大切です。

紋の入れ方

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紋の入れ方には大きく分けて3つあります。最も格が高いのは「染め抜き紋」で、フォーマルな場で着物を使用する場合には、染め抜き紋であることが必須とされています。染め抜き紋は入れ方が非常に難しいため、職人の卓越した技術が必要となります。

格の高さで染め抜き紋に次ぐのが「縫い紋」、最後に「貼り付け紋」となっています。これらの紋が入った着物は、訪問着などの略礼装にふさわしいものとみなされています。(参照:日本伝統の衣文化である着物の魅力について|学校法人 織田学園より着物の種類)格式高い場所でこれらの紋が入った着物を着ることはマナー違反となります。

紋が汚れてしまったりほつれてしまったりしている場合には、きれいに洗浄していったん色を整えてから改めて紋を入れ直す、という作業が行われます。

染め抜き紋(抜き紋)

紋としての格が最も高いのが「染め抜き紋」です。「抜き紋」としても知られるこの紋では、最初に紋を入れる位置を白い丸型で染め抜いておきます。その後、クライアントから紋に関する詳細な注文が届いたなら、それに合わせて白い円の中を染めていきます。

染め抜き紋は他の紋と比べて紋入れに求められる技術が非常に高いため、華やかで格式の高い場にふさわしい紋とみなされています。ただし、染め抜き紋の中にも「表紋」と「陰紋」の2種類があるので注意が必要です。

「表紋」は紋の形全体が白くなっているものです。一方、「陰紋」は紋の輪郭だけを白く染め上げたものです。正式な染め抜き紋とみなされているのは「表紋」である、ということを覚えておきましょう。

石持ち入れ紋

「石持ち入れ紋」とは、染め抜き紋を作る前段階として、紋を入れる位置を白い円で染め抜いたものです。この円形も1つの紋として認知されています。「富裕」の象徴として江戸時代から重用されている紋なので、格式の高い場所で着用しても問題ありません。

石持ち入れ紋は染め抜き紋の修正を行なう際にも使用されます。染め抜き紋は時間の経過とともに劣化して鮮やかさが失われることがあります。そこで紋の修正を行なう時には一度石持ち入れ紋にしてから、改めて別の紋を入れるのです。

「紋を変更したい」という場合にも、石持ち入れ紋が利用されます。現在紋がある場所を綺麗に白く染め上げて石持ち入れ紋の状態にしたら、そこから別の紋を入れるために改めて生地染めを行なうのです。

縫い紋

「縫い紋」とは、糸で刺しゅうをして紋を作り上げる技法のことです。染め抜き紋ほどの重厚さや華やかさはないものの、色とりどりの糸をバランスよく使用することで、色鮮やかな紋が出来上がります。特にシルバーやゴールドの糸を使った縫い紋が人気を集めています。

「製法のバリエーションが豊富」というのも縫い紋の特徴です。「けし縫い」や「絞り縫い」などさまざまな技法があり、細い線の中にも優雅さを感じさせる仕上がりとなっています。

縫い紋は染め抜き紋よりも格は劣っています。そのため、縫い紋の入った着物ないし和装は基本的には略礼装として使用されます。「着物をオシャレに楽しみたい」という人から広く支持されている紋用です。

貼り付け紋

着物に使用されているものと同じ生地に紋の絵柄を描き、それをワッペンのようにして着物へ貼りつけたのが「貼り付け紋」です。

貼り付け紋は大抵一時的な措置として使用されます。例えば、貸衣装の着物に紋が入っていない、あるいは借りた着物に家紋ではない紋が入っている、といったケースです。貼り付け紋は短時間でできるため、緊急事態の対処法として大変重宝されています。

着物の白い染め抜きがあまりうまく仕上がらなかった場合に、染め抜いた個所を隠すための処置としても貼り付け紋が用いられています。貼り付け紋は紋の入れ方の中で格は低いものの、土台となる生地はまったく同じなので、遠目に見て貼り付け紋であることが分かる人はほとんどいないでしょう。

紋の格の違いは高い順に「染め抜き紋>縫い紋>貼り付け紋」となる

紋にはそれぞれ格があります。最も格が高いとされているのは「染め抜き紋」で、格式高い式典などに出席する人で和装を選択した場合には、必ずこの紋を付けた装いをすることが求められています。

「染め抜き紋」には「表紋」と「陰紋」の2種類があります。「表紋」は紋全体を白く染め抜いたもので、より正式なものとして認知されています。一方、「陰紋」は紋の輪郭を白く染めており、表紋には格が劣ります。

「染め抜き紋」に次ぐのは「縫い紋」です。縫い紋は縫い糸の色を調整することで格が変化します。3つ目は「貼り付け紋」で、基本的には略礼装として用いられています。

紋の大きさ

紋の拡大画像

和装に付ける紋の大きさは基準が定められています。男性用の和装であれば、紋1つ当たりのサイズは4cm程度、女性用の和装であれば2cm前後が妥当なサイズとみなされています。

紋は場の格式と密接に関連していますから、紋の大きさを標準サイズにとどめておくのは非常に大切なことです。ただし、オシャレを楽しむ一環として紋を自分の服に入れたいという人であれば、既定サイズよりも大きな紋を入れたとしても問題はないでしょう。

紋の数と付ける位置

「紋」が表しているのは「家族」と「格式」の2点です。基本的には数が多いほど格式は高くなります。とはいえ、「目立ちたい」という考えから和装に付ける紋の数を無意味に増やすことは、重大なマナー違反であるとみなされてしまいます。

ですから、着物や和装に付ける紋の適切な数を知っておくことは大切です。また、「和装のどこに紋を付けるべきか」に関しても正しく理解しておくことで、場に合わせたふさわしい装いをすることができるでしょう。

紋を入れる場所は三箇所だけ

着物に紋を入れることで格を調整することが可能です。とはいえ、入れ方に関しては伝統的なルールにきちんと従う必要があります。紋を入れることができる場所は「両胸」「背中」「袖口」の三箇所だけ、となっています。

ちょうど両胸の位置に入れる紋のことを「前紋」と呼びます。一方、背中にある肩甲骨付近に入れる紋は「背紋」と呼ばれます。両手の袖口後ろ側に入れる紋は「袖紋」と呼ばれています。3つすべての紋を入れると紋の数は5個になります。

紋を配置する場所に関しては厳密に定められています。加えて、周りから見た時のバランスも非常に重要ですから、紋を入れる前に職人としっかりチェックをするようにしましょう。

前紋

「前紋」は両胸の位置にそれぞれ1つずつ入っている紋のことです。喪服を始めとする五つ紋の着物にのみ入っている紋で、「胸紋」あるいは「抱き紋」と呼ばれることもあります。前紋は第一礼装にのみ見られるため、格の高さを示す非常に重要な紋とみなされています。

前紋は「染め抜き紋」という手法を使用して入れるのが一般的です。白い紋が大きくはっきりと見えることで、格式の高さを強調することができます。縫い紋を使って紋を入れることはまずありません。

前紋の大きさは他の紋と同じく、男性であれば4cm前後、女性の着物は2cm前後とされています。ただし、地方によっては男性用の前紋を3cm以下と規定しているケースもあるので注意が必要です。

背紋

「背紋」は文字通り着物の背中部分に入っている紋のことです。襟元からおよそ6cmほど下に下がった部分に紋を入れるのが慣例となっています。紋の大きさは男性用が4cm前後、女性用は2cm程度にするのが一般的です。

背紋は「五つ紋」「三つ紋」「一つ紋」のいずれにも入っています。五つ紋の着物には「染め抜き紋」の手法を使用して美しい白色に仕上げます。第一礼装は品や格が重要ですから、遠目にもはっきりと分かるように紋を入れることがポイントとなります。

一方、三つ紋や一つ紋の着物に背紋を入れる際には縫い紋の手法を使うことも可能であり、必ず白色でなければならないということはありません。着物を利用する場面の格式に合わせて選ぶ必要があります。

袖紋

「袖紋」は着物の両袖にそれぞれ入っている紋のことです。紋の位置は袖の表側ではなく裏側に入れる必要があります。紋の位置は袖口から7cm余りの場所と決められています。

袖紋を入れるのは「五つ紋」および「三つ紋」の着物です。格式に応じて紋の入れ方は変わるものの、基本的には男性用・女性用どちらも染め抜き紋の手法で白く美しい紋を入れています。ただし、色無地の場合にはカラフルな糸を活用した縫い紋を選んで紋を入れる人もいます。

着物に入れる紋はいずれも「家族のつながり」を表しているとされており、袖紋は「兄弟もしくは親戚」を意味しています。紋の形をきちんと整えておくことで、兄弟や親戚に対する敬意を表すことにつながるのです。

紋を入れる数について

着物に紋が入っていると「格が高い」と判断されます。公式な場では紋入りの着物を使用することがマナーとされています。ただし、着物に紋が幾つ入っているのか、という点にも注意をする必要があります。

紋を入れる数は3パターンで、「5つ」「3つ」「1つ」のいずれかです。これ以上紋の数が多いと「フォーマルな着物」とはみなされないため、重要な式典などで着用するのはマナー違反となる、ということを覚えておきましょう。

五つ紋

紋の数が最も多い「五つ紋」は格が非常に高いとみなされており、「第一礼装」に分類されています。フォーマルな場に着物で出席する際には必ず五つ紋であることが求められています。五つ紋は基本的にすべて「染め抜き紋」という手法で紋が入れられています。

五つ紋の着物には「背紋」と「袖紋」、「前紋」が入っています。「背紋」は背中の真ん中、「袖紋」は両袖の後ろ側にそれぞれ1つずつ、「前紋」は両胸にそれぞれ1つずつ紋が入ります。

紋の位置はそれぞれ決まっています。指定されている場所以外に紋を入れてしまったり、数が5個以上になったりするとマナー違反となり、公式な場所では使用することができなくなります。

三つ紋

五つ紋に次ぐ格を持つのが「三つ紋」です。三つ紋が入った着物は格式の高い場所で礼装として使用することはできません。そのため、訪問着などの略礼装として活用されることが多くなっています。

三つ紋は、「袖紋」と「背紋」を入れる決まりとなっています。「袖紋」は両腕の袖に1つずつ紋が入ります。一方、「背紋」は肩甲骨付近の場所に1つ紋が入っています。おおよその目安としては「襟元から5cmないし6cmほど下がった場所」です。

三つ紋を入れる方法としては、染め抜き紋もしくは縫い紋が一般的です。染め抜き紋は格の高さを演出したい人におすすめです。一方、おしゃれな紋を入れたい人はさまざまな色の糸を活用できる縫い紋が良いでしょう。

一つ紋

紋入り着物の中では格付けの最下位に位置するのが「一つ紋」です。紋が入っている位置は襟元からおよそ6cmほど下がった場所で、「背紋」と呼ばれています。この紋があるだけで後ろ姿が大変格調高くなります。

一つ紋入り着物は第一礼装として使用することはできないとはいえ、お茶会あるいは少人数で行なう祝賀会など「少しだけフォーマルな雰囲気を出したい」というケースで非常に使いやすいとみなされており、略礼装として大変重宝されています。

一つ紋は染め抜き紋で入れるのが一般的です。とはいえ、「着物をカジュアルに着てみたい」という人はカラフルな糸を使用した縫い紋や、独創性が光るしゃれ紋を選択することもあります。

紋の数の格は高い順に「五つ紋>三つ紋>一つ紋」

紋の数によって格が変化するということを銘記しておくことは、着物を選ぶ際に大きな助けとなります。3つの内で最も格が高いのは「五つ紋」で、次いで「三つ紋」、最後に「一つ紋」となります。

格式の高い場所で着物を着用する場合には、必ず「五つ紋」を選ぶ必要があります。公式な場面で三つ紋や一つ紋の着物を着てしまうとマナー違反となってしまいます。ですから「出席するのがどのような格式の場所なのか」を事前に確認しておきましょう。

三つ紋や一つ紋は略礼装として使用するのが一般的です。「一般的なカジュアルウェアよりも少しフォーマルにしたい」という時には、三つ紋や一つ紋の着物が大変便利でしょう。

しゃれ紋とは?

着物を着た笑顔の女性

「しゃれ紋」とは、正式な家紋にアレンジを加えた略式紋のことです。家紋のデザインに草花や鳥の絵を加えたり、大きさを変えたりすることで、正式な紋とは趣がかなり異なる紋になります。

「しゃれ紋」という言葉の由来としては、「おしゃれな紋」もしくは「しゃれの利いた紋」という表現を略したものと考えられています。しゃれ紋には細かなルールがないので、デザイン性の高い作品が数多く生まれています。

家紋が男らしい、あるいは非常に猛々しいデザインである場合、女性用の着物には正式な紋ではなくしゃれ紋を入れる、というケースが多く見られます。一方で、「オリジナリティーのある着物を作りたい」という人がしゃれ紋を選ぶこともあります。

伊達紋

伊達紋はしゃれ紋の1つであり、草花や鳥、風景や文字などを大胆にあしらった紋として知られています。商家で用いられることが多く、色とりどりの糸を使った鮮やかでオリジナリティーの高い紋様が多く見られています。

伊達紋のデザインに関しては基本的に制約がありません。サイズや大きさなどは制作者の裁量に任せられており、紋に取り入れたい形や色を自由に使用することができるというメリットがあります。

伊達紋の主な目的は「着物の装飾」であるため、家柄などの伝統に縛られた規則が存在していないわけです。伊達紋の文化が始まったのは江戸時代初期とされており、それが一般に広く認知されるようになったのは江戸時代中期以降と考えられています。

加賀紋

しゃれ紋の中でも際立って創作性が高いのが「加賀紋」です。色とりどりの花々や美しい紅葉をデザインに取り入れている作品が多く見られており、非常に人気の高い紋様の1つとして認知されています。

加賀紋の際立った特徴は「美しい色使い」です。雅やかな加賀友禅のように、多彩な色で染め上げた紋様が用いられています。そのため、加賀紋の入った着物はパーティーなど華やかな会場で使用するのに大変適しています。

加賀紋が人気を獲得するようになったのは江戸時代中期と考えられています。比較的小さな紋の中に艶やかな配色が巧みになされていることから人気を博すようになり、現代に至るまで「おしゃれな紋」として広く認知されています。

鹿の子紋

鹿の背中にある斑点模様に似せたデザインが「鹿の子紋」です。鹿の子紋の歴史は奈良時代に始まったと考えられています。神道において「鹿は神に仕えている動物」として重要視されており、その紋様を使用することは大変縁起が良い、ということで人気を集めるようになりました。

「目結」とも呼ばれる鹿の子紋はしゃれ紋の1つに分類されており、丸い模様の内側に小さな丸もしくは点が配置された独創的なデザインとなっています。

鹿の子紋は家紋の代わりとして用いられるだけでなく、着物全体のデザインとしても使用されています。とはいえ、鹿の子紋が入った和装は格が高くありません。ですから、礼装としてではなくカジュアルな使い方が望ましいでしょう。

比翼紋

2つの家紋を組み合わせたものを「比翼紋」と呼びます。「二つ紋」とも呼ばれるこの紋は、中国の故事「比翼の翼」に由来しているとされており、互いに思い合う男女を紋で結び合わせるという考え方が元となっています。

比翼紋のデザインには主に2種類あります。1つ目は「横並び」です。2つの家紋を横に揃えることで、互いの結びつきを強調しています。もう1つは「合成」です。それぞれの紋が持つ特徴を組み合わせて1つの紋に仕上げていきます。

比翼紋は「恋人の紋」とみなされており、江戸時代中期から結納や結婚式などの機会に広く使用されてきました。着物に入れるだけでなく、婚礼の祝い布団や引き出物などにもこの紋が活用されています。

崩紋

崩紋は正式な家紋の一部を取り除くもしくは改変した紋のことで、「崩し紋」とも表記されることもあります。しゃれ紋の1つとしてよく知られており、少人数で楽しむお茶会や食事会などへ参加する時に、崩紋が入った和装を活用する人が多いとされています。

崩紋のデザイン変更に関する明確な規範やルールは定められていません。そのため、自分で家紋の形を調整する人もいれば、和装デザイナーに依頼して斬新な崩紋のアイデアを求める人もいます。

崩紋は江戸時代の後期以来、庶民の間で人気を集めてきました。崩紋を着物に入れることで、独特の趣を持たせることが可能となります。また、家紋が武骨で荒々しいイメージである場合には、崩紋によって少しの遊び心を持たせることもできます。

紋付きの着物を買取してもらう場合

着物を着た男女

「どうやって処分したら良いのか分からない」という理由で、紋付きの着物がタンスで眠ってしまっている、というケースはかなり多いようです。もし着物の状態が良いのであれば、買取サービスの依頼をおすすめします。

リサイクルショップに着物買取を依頼する人がいます。ただし、リサイクルショップには紋付きと紋なしの違いや、紋の質などを判断できる人があまりいません。ですから、ただの古着として安値で買いたたかれてしまうでしょう。

そこでおすすめしたいのが「着物中古買取」です。こうしたショップには着物の専門家が常駐しており、着物の生地や紋のタイプなどをしっかり確認した上で買取価格を決定します。ですから、リサイクルショップと比べて適正な査定額を提示される可能性が高いのです。

中古買取を利用する場合には、複数の業者に相見積もりを依頼するのが良いでしょう。最近ではインターネットを利用して短時間で簡易見積もりを行なうことができるため大変便利です。

見積もりを依頼する前にチェックすべきなのは「生地の状態が良く、ほつれはないか」「紋はきれいか、つぶれていないか」といった点です。これらの状態が良ければ、予想以上の高値査定額を提示されることもあるでしょう。

メリット

着物を売却しようとする場合、紋が付いていると「格が高い」と判断されて高値で買取をしてもらえる可能性が高くなります。特にきれいな「染め抜き紋」が入っている場合には、紋の形に限らず高価買取をしてくれる業者が大半です。

紋なしの着物と比較すると、紋が入っている着物は華やかで格式高い雰囲気が漂います。中でも三つ紋や五つ紋の着物は人気が高く、きちんと手入れされていれば中古品であってもすぐに買い手が付くと言われています。

地域によって紋を入れる位置は少しずつ異なります。ですから、より高値で買取をしてもらうために、買取業者の営業している地域を確認するか、もしくは複数の業者に着物の査定を依頼すると良いでしょう。

「デメリット」査定額が低くなる可能性がある。最悪は買い取ってもらえない場合も・・・。

着物買取を依頼する際に、紋が入っていることがデメリットとなる場合があります。例えば「紋が綺麗ではない」というケースです。

染め抜き紋は紋の中でも特に格が高いとされています。とはいえ、染めた部分が汚れて模様が見にくくなっていると、査定額は大幅に下がってしまうでしょう。紋が大きく欠けていると買取を断られてしまうこともあります。

「紋がフォーマルではない」ということが理由となって査定額が非常に安い、もしくは買取を拒否されることもあります。紋は男性用が4cm前後、女性用は2cm程度が基準とされています。もしそれ以上大きい場合は買取してもらえない可能性が高いのです。

一昔前は紋の数などが格の指標となっていたが、現在は紋が入っているかどうか、これが格の違いに見られる傾向がある

着物店

紋の数には明確な規定があります。「五つ紋」が最も格が高く、次いで「三つ紋、「一つ紋」となります。以前はこうした格の違いを多くの人が理解していました。

とはいえ、最近では「紋の数」ではなく、「紋そのものがあるか」で格を判断する風潮となってきています。大半の購入希望者は販売業者に「紋つきか、そうでないか」のみ確認するようになっています。

ですから、紋入りの着物を買い取りしてもらう場合、「五つ紋だから高くなる」「一つ紋だから安くなる」ということはほとんどなくなりました。むしろ着物の状態や紋の美しさなどがより重要視されるようになっています。

紋=家紋ではなく、ブランドのような扱いになり、格を上げるアイテムの一つになりうる。

「家紋」という表現から分かるように、紋を使用する本来の目的は「家族」を表すためのものでした。とはいえ、最近では「紋でどの家族であるかを確認する」という考え方はあまり見られなくなってきています。

むしろ紋そのものにブランド的な価値を見出す人が増えており、「オシャレな紋が入っているかどうか」で着物の購入を判断する人も少なくありません。「オシャレな紋が入っている=格が高い」という見方が広がっているのです。

こうした風潮を受けて、買取業者も査定額を決める際に、紋の数よりも「人気の高い紋が入っているか」を重要視するようになってきています。

まとめ

着物を着た女性

「紋」は平安時代から活用されている習慣であり、時代を通じてその役割はさまざまに変化してきました。現代では「格」もしくは「格式」を表すものとして多様なフォーマルシーンで紋の入った着物が活用されています。

紋にはさまざまな種類があり、それぞれに格が設定されています。また、紋の入れ方や数にも格があります。こうしたポイントをきちんと理解しておくことで、状況に合わせた着物を選ぶことができるでしょう。

紋付きの着物を選ぶ際には、「紋の位置」や「紋の大きさ」にも注意を払いましょう。紋を配置する場所は紋の数によって決められており、それ以外の場所に付けてしまうとマナー違反とみなされてしまいます。

紋の大きさにもルールがあります。男性の着物であれば、紋の大きさは4cm前後、女性の着物に付ける場合は2cm程度にする必要があります。とはいえ、カジュアルとして楽しむ場合にはこれ以上大きくても問題ありません。

日常生活の中で着物を活用する機会は徐々に減っています。それに伴って、着物をタンスに眠らせている人が少なくありません。「もう紋入りの着物を使うことはない」という人は、買取業者に依頼して査定額を提示してもらうと良いでしょう。

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